ミオの備忘録

猫と音楽とミステリー、映画が好きです☆

映画『東京喰種』

観に行ってきました!8月1日くらいに!(すでに記憶が遠い)

自分のなかのちょっとした決まり事で、どんな映画でも見終わったあとに感想をまとめるなら好きなだけ観て良いってことにしてます。この春に仕事を変わって文章をまとめなくてはならない機会が増えたので、楽しく考えをまとめる機会も増やしてしまおう……という魂胆。初っぱなから大こけしております。ハードルを上げすぎてしまったかな……あれこれ考えすぎるとダメですね。

閑話休題。映画、すっごく良かったです。主演の金木役:窪田正孝さんが好きで、配役が公開されたときから映画を楽しみにしていました。不勉強ながら存じ上げなかったのですが、原作はベストセラーの漫画コミック。映像化ということで、製作陣には並々ならぬプレッシャーがあったことと思われます。そんななか、原作者さんが主演のキャスト陣を強力に推してくださる素敵なコメントを出してくださっていて、なんというか映画に対する期待値が上がったとともに、原作者さんへの好感度も急上昇しました。あーこれ絶対に良くなるやつだ!みたいな。そんなこんなで、原作も映画の分くらいは……と読んでみたり、雑誌の付録についた1話の書き直し作品と元の作品とを見比べたり、自分なりに予習して映画にのぞみました。

ここからは少しだけネタバレ。というか内容について話していきますね。まずは、金木くん良かったです。普通の、少し周りより苦労していたり孤独だったりしつつも普通の大学生だった彼が喰種になってしまった衝撃や葛藤、苦悩、そしてそれを受けいれるまで、すごく説得力がありました。そこにいたのは、まさに金木くんだった。それから、リゼさん。ヤバい。怖い。すっごく綺麗。最初の出会いと正体を明かすときの落差がすごい。展開を知っていてなお衝撃でした。そして、それなのに自然。リゼさんだった。あと、トーカ。友だちの作った肉じゃがを食べるシーンが特に印象的でした。なかのひとが宗教の広告塔になってしまったから今後の活動については分かりませんが、もっと彼女の演じるトーカが観たかったなって、ただただ残念に思いました。大泉さんも良かった。四方さん、カッコ良かった。って、書いていくとキリがないですが、全体的に大満足でした🎶🐱✨

映画を観終わった直後は、CGもう少し頑張って……って思ったような。重量感というか、勢いよく振って戻ってきたときの反動がほしかった……みたいなことを感じたような気もしましたが、ちょっと記憶が遠いのと1回しか観てないから定かではないです。そのあたりは、観てみて確かめてくださいな。でも、良かったですよ。☆☆☆

 

植物図鑑

お久しぶりです。ここしばらく慌ただしくしていて、なかなか文章をまとめることができませんでした。誰かが読んでくれるかもって思うと、自分の考えを過不足なく、誤解のないように伝えたい。そう思うと、気分転換にちょっと書く……っていうのも難しいですね。ここは、わたしの「好き」って気持ちくらいしかないので、ニュースバリューを求めるかたには申し訳ないです。考えも想いも日々変化していくものなので、この前と言ってることが違うよ?ってことがあっても、ゆるく笑って流していただけるとさいわいです。どれもこれも、その瞬間の想いには違いないので……

有川浩さんの描いた恋愛小説。先に映画を観て、原作も気になったので読んでみました。とても良かったです。キャラクターから受ける印象が多少違ってくるのは解釈の幅というものでしょうか。原作は原作として楽しめました。作中に出てきたレシピも載っているので、材料さえ揃えられれば作れそうですよ。

(ここからネタバレ。内容に関する話題があります) 映画を観て違和感を覚えたシーンが原作にはなくて、映画でそれをあえて入れたのはなんでなのかなって思いました。ストーカー規制法に何か思うところがあるんでしょうか。樹がいなくなって、居場所を知っていそうなバイト仲間を追いかけたらストーカー扱いで警察沙汰。原作では出てこなかった母親があらわれて、家族関係が複雑そうな雰囲気を出してきたり……。全体的に設定としての少女漫画感をファンタジーでコーティングした話だと思っていたら、無駄に重そうな現実感が入ってきたって感じがしました。いや、そういうリアルはいらないです。ヒロインが警察のお世話になるって、やっぱりどうなのかな……わたしにとっては違和感だけど……

映画を観たのがかなり前なのでうろ覚えですが、最初の「必要とされるひと」「されないひと」ってさやかのモノローグからの導入はすごくひきこまれて好きな感じでした。わかる感じ。それだけに、原作にないシーンの追加でヒロインに対して共感が離れていったというか、いや普通にダメでしょそれはってなってしまったところは残念でした。そう思ってしまった自分が。映画の世界にひたれていたら、無粋なツッコミはしなかったのかな……なんて。

原作者さんのおすみつきな主演のおふたり。親しみのある可愛らしさ全開な高畑充希さんと仔犬みあふれる岩田剛典さんが素敵カッコイイので、興味のある方は是非♪

 

映画『高台家の人々』

実は観に行ってました。映画も初速が大事だと聞いて、公開してからわりとすぐ劇場へ向かった覚えがあります。感想を残していなかったので、覚え書きまで。

あらすじ:平凡なOL平野木絵の趣味は、妄想。あるとき、職場に新しく配属されたイケメン王子と恋に落ちます。でも、王子には秘密がありました。ひとの心が読めるテレパスだったのです!

ヒロインの平野木絵役に綾瀬はるかさん、お相手の高台光正さん役に斎藤工さん。監督は、土方政人さん。主題歌は、西野カナさん「You&Me」(こころに響く可愛い曲だと思います♪) 2016年6月公開 原作は、森本梢子さんのコミックです。(既刊5巻)

木絵ちゃんの妄想シーンが可愛かったです。でも、それだけじゃなくて、木絵ちゃんのユニークな妄想やおもしろさとは別に、素の優しさや真面目さに惹かれていく光正さんがすごく自然でした。お互いに距離が近くなっていくころが、楽しい時間なのかなって思います。

映画では、ふたりが婚約したり、光正さんがテレパスだということが木絵ちゃんにバレたり、ぐるぐるしたり……山あり谷あり……です。そのへんは別に……いいかな。最初から最後まで可愛いカップルでいいのに、なにゆえ波風をおこしたいのか。(←緩急つかないと映画にならないんでしょうね……)

原作の1話がネットで読めます。それから、劇場公開に合わせて冊子が無料配布されていました。ツボです。妄想女子。なんだか新しいジャンルな気がします。

漫画の映画化となると、映像にするにあたっての制約だったり限界だったり、漫画での自然な流れを現実にどう引き寄せるかが要だと思うのですが、妄想シーンがすごく楽しかったです!木絵ちゃんの妄想で、いろんな扮装の光正さん(もとい斎藤工さん)を見られます。お得です!

 

※唐突なネタバレ※

ただ、教会から走り去るシーンは、原作準拠なのかもしれないけど、もう少し変えられなかったのかな……なんて思いました。気持ちは分からないでもないけれど、それをやってしまうとアウトっていうか、現実的にリカバリーがむずかしいんじゃないかなって。個人の問題だけではないような気がします。木絵ちゃんのキャラクターとしては、そのあたり気をつかいそうなのに……

でも、全体的に可愛くて素敵な話でした。光正さんだけじゃなくて、同じテレパス能力をもつ妹、弟の恋愛模様も思わず応援したくなってしまいます。

DVD&BDは12月21日発売+レンタル開始とのこと。スペシャル・エディションには特典映像がたくさん収録されているみたいですよ。興味をもたれた方は是非♪

 

 

映画『繕い裁つ人』

動画配信サービスHuluで『パンとスープとネコ日和』を観たら、類似した番組としてオススメされていたので観てみました。この作品、公開をすごく楽しみにしていたのに、アンテナが鈍っていたのか、いつの間にか始まって、いつの間にか上映終了してました。ここで出会えるなんて、なんかうれしいタイミングです♪

監督 三島有紀子・脚本 林民夫・衣装デザイン 伊藤佐智子・美術 黒瀧きみえ・音楽 小林洋平 (敬称略)

類似していてオススメなのだから、監督さんや俳優さんがおなじなのかと思ったけど、まったくそんなことはありませんでした。原作があるってところが似てるのかな。

そう。原作があります。この作品。池辺葵さんの描いた『繕い裁つ人』(講談社) 全6巻。そちらは読んでいないので言及できませんが、映画は、静謐で、職人気質で、昔から大切にしてきたものを引き続き大切にしていこうという心意気と、底に流れる想いが変わらなければカタチを変えていくこともまた良しとする……そんな感じでした。

あらすじ:祖母が始めた小さな洋裁店を継いだ2代目店主・市江と洋裁をとりまく人々との交流を描いた物語。百貨店の企画部に所属する服が大好きな青年が、市江の服をブランド化したいと通いつめ、市江の心を変えようとします。市江はブランド化の話を断りますが、青年は市江の職人気質にほれこんで通うようになります。時代が移りゆくなかで、祖母の意思を受け継ぎ、「一生添い遂げられる服」にこだわって、その人だけの服をつくりつづけていく市江。祖母の作った服を、その人の人生に合わせてお直しする。少しの服を近所の雑貨店に卸す。ただそれだけを生業にしていた市江の本当の想いとは……?!(ちょっと気をもたせてみました)

自分の気持ちは曲げないけれど、ひとと出会って、それまで気づけなかった自分の気持ちに気づけることもあります。出会ったことで、自分を見つめなおすきっかけをくれるひともいます。そんなステキな話でした。市江さんの作業着や仕事場、近くの喫茶店、年にいちどの特別な夜会、結婚式、細やかに手入れされた庭……どれも静かで確かで印象深い景色です。

市江を演じたのは中谷美紀さん、百貨店企画部の青年は三浦貴大さん、市江の母は余貴美子さん、雑貨店の店主は片桐はいりさん、青年の妹は黒木華さん。中谷美紀さん、大好きな俳優さんです!黒木華さんは、すごく気になるかた!三浦さんは、映画でお見かけするたびにKさんかなって思うと高確率でエンドロールを観てごめんなさい三浦さんってなります。すみません。好きです。

ホールでいただくチーズケーキがすごくおいしそうでした。丸くて大きなチーズケーキとおいしい珈琲……いいなぁ。観終わってから、喫茶店に出かけられるように、明るい時間に観るのがいいかもしれません。

パンとスープとネコ日和

群ようこさんの小説。ドラマを観て、とても気になったので、本屋さんで探して読んでみました。思ったことを書き留めてみようかと思うのですが、ドラマと小説のネタバレになってしまうことを先におことわりしておきますね。

『パンとスープとネコ日和』『福も来た パンとスープとネコ日和』ハルキ文庫

ドラマを先に観てしまっているから、アキコさんやしまちゃんといったキャラクターだけではなくて、お店の内装や雰囲気までくっきり頭のなかで再現されてしまって、そこは良いのか悪いのか……。自分自身の想像力が怠けてしまっているな、などと思いました。もちろん、まったく同じというわけではないので、原作とは違う部分もありましたが、でも地に足をつけて日々を大切に生きていくって部分はドラマも小説も共通していて良いなぁって。芯になる部分さえ変わらなければ、きっと大丈夫です。

だから、本当は違いなんて大したことじゃないはずなんです。気にしなくても良いはずのこと。……でも、気がついたところだけ。

ドラマでは、お客さまとのエピソードで妊婦さんとのやりとりがありました。原作にはなかった点です。お向かいの喫茶店のママさんがドラマでは喫茶店の制服をピシッと着こなしているので、キャラクター造型が少しだけ違うのかなって思いました。原作では、お店に通ってくるときはジャージだったりするときもあるようでした。アキコさんの先生が怪我をした話は、ドラマでは出てこなかったような気がします。それから、ドラマではアキコさんの弟かもしれないひとが出てきますが、原作ではお兄さんでした。そして、なによりも違いがあるなって思ったのがお母さんのお店に来てくれていた常連さんとの関係。原作では、すっかり疎遠で、よそよそしい感じになってしまっていました。ドラマでは、なんだかんだ商店街の仲間として気にかけてくれて、新しいお店にも顔を出してくれています。もうひとつ、重大な違いがたろのこと。ドラマでは、終盤たろがふらりといなくなってしまって、それはそれで寂しいのですが、原作では亡くなってしまいました。衝撃……。ちょっと、どう受けとめていいか分からなくて。というか、受けとめることができなくて、薄い膜というかビニールごしに眺めるというか触れるというか、そんな感じです。家族を突然なくしてしまうのは、こころに穴が開いてしまうというか、自分の一部分がなくなってしまうようなものなんだろうなって。

って書いているうちに着地点を見失ってしまいました。ドラマと小説、印象の異なる部分もあるけれど、だからこそどちらも楽しめるんじゃないかなって思います。どちらかがどちらかの答え合わせにしかならないのは、やっぱり少しつまらないです。映像でないと表現しきれないものも、小説だからこそ伝わるものもあって、それが良いんじゃないかな。

 

ドラマの話をしたときに書きそびれてしまいましたが、エンディングテーマを歌っているのが大貫妙子さん。耳に残る優しい歌声が大好きです。

 

『パンとスープとネコ日和』

動画配信サービスHuluの新着オススメだったので観てみました。

『パンとスープとネコ日和』原作は群ようこさんの同名小説。2013/7/21~8/11全4回(WOWOW)で放送されたそうです。監督は松本佳奈さん、脚本はカーゴパンツさん、劇中のおいしそうな料理を監修しているのはフードスタイリストの飯島奈美さん。主演は小林聡美さん。

唯一の身内である母を突然亡くしたアキコが、編集の仕事から離れる辞令を出されたことなどのタイミングにも背中をおされて、永年勤めていた出版社を辞め、母親がやっていた食堂を改装し再オープンさせました。肩肘を張らずに、でも自分の芯は曲げずに、お店をやっていこうとするアキコと手伝ってくれるしまちゃん、そして時々ネコのたろ……そんな物語です。

すごく良かったです。アキコさんの雰囲気がすごく良くて、年を重ねてから新しいことに挑戦するのはすごく意気込みだったり覚悟だったりが必要なのではと思ってしまうところを、そういう流れだったからとさらりと受け入れてしまえる自然な強さと柔らかさを感じました。お手伝いのしまちゃんを演じる伽奈さんも可愛くて、良いなぁって思いました。さばさばしていて、それでいて温かみのある優しいひと。そういう女のひとになりたいです。良いなぁ。

お向かいの喫茶店のママはもたいまさこさん、そこの看板娘は美波さん、お寺の住職フクサコさんは加瀬亮さん、アキコさんの元部下に木南晴夏さん、元常連さんに光石研さんと塩見三省さん、アキコさんの担当していた先生に岸惠子さん、お店を訪れるお客さんに市川実和子さん、鉢植えをくれた奥さんに平岩紙さん。深く掘り下げられているわけではないけれど、それぞれのキャラクターがしっかりしていて、なんか良いなぁって。住職姿の加瀬さん、好きです。他にもいろんな感想があったはずなんですが、なんか今のひとことを書いたらふきとびました。見所のひとつだと思います!

なんだか毎日の生活を大切にしていきたいなって思える、ゆったりした雰囲気で食べもののおいしそうなドラマでした。

本屋さんで探してみたら、続編の『福も来た パンとスープとネコ日和』も出ていました。これから読むのが楽しみです。実は、ドラマの原作になっている1冊目(『パンとスープとネコ日和』)はちょうど読んでいるところなので、そちらの感想もそのうち♪

 

映画『怒り』

観に行ってきました。だいぶ前から劇場で予告を目にしていて、使われている音楽もあいまって気になって仕方なかった作品です。凄惨な場面で流れるアヴェ・マリアと、すごく耳馴染みのあるクラシック。(タイトルを知らなかったのですが、あとで検索してモーツァルトの「怒りの日」だと知りました。多分、もう忘れませんw)

原作は、吉田修一さんの『怒り 上・下』(2014年、中央公論新社)。脚本も手がけた李相日監督とは、映画『悪人』(2010年)以来のタッグとのこと。音楽は、坂本龍一さん。映像と音楽とが、すごく合っていたように思います。しばらくあたまから離れないくらい印象的でした。

原作を読んでいなかったので、最初から終盤まで「犯人は誰だろう?」とドキドキしながら、正体不明の人間に心を通わせていく3人(4人?)と同じように疑ってみたり、揺れたり、忙しく見守っていました。最初の場面では犯人の動きを注視したり、犯人の情報を求める番組では防犯カメラの映像や整形後の写真、特徴的な要素に注目したり……。惑わされるように描かれていて、いいように振り回された感です。でも、特定できたときには、すごく腑におちました。そう、あなただったんですね……と。

タイトルの「怒り」は、誰の何に向けての怒りなのか。怒りというよりも、ただ哀しみが無力さが残るようでした。大切なひとの手を最後まで離さずにいられた彼女が、とても強く頼もしく見えました。そこが救済でもあるのかなと。でも、全体の印象としては、ずいぶん前に観た『重力ピエロ』とおなじ記憶の箱にいれてしまいそうです。

と、ここまで直接的なネタバレを避けて感想を語ってみました。ここからは、もう少しだけ内容にも触れてみます。どの役者さんも素敵でしたが、役柄的に綾野剛さんが演じた直人が好きでした。序盤は、相手の性別に関係なく合意って大事じゃないの?!と妻夫木さん(優馬)に戸惑って、そのまま置き去りにされた感がありましたが、そのあとの時間の重ねかたに説得力がありました。「ありがとう」「疑ってるんじゃなくて、信じたいんでしょ?」っていう直人の台詞とか。あんまり名前で呼ばれてなかった気がするなとか。愛子ちゃんの名前がものすごく残ったのと対照的でした。彼はしあわせだったのかなとか。疑ってごめんねとか。手もとに何か残しておいたら良かったとか。せめてお骨だけでもとか。でも、それは自己満足でしかないのかなとか。原作では、それぞれの行く末がどこまで描かれているのか気になります。映画は映画、原作は原作だから、映画の答えが原作にあるとは限らないけれど、そのうち読んでみたいです。★★★★ 

 

他の作品も調べていたら映画『7月24日通りのクリスマス』の原作「7月24日通り」もドラマ『東京湾景~Destiny of Love~』の原作「東京湾景」も吉田修一さんでした。いつか、そちらも読んでみたいです♪