ミオの備忘録

猫と音楽とミステリー、映画が好きです☆

『かわいいきいろのクジラちゃん』

小さいころ読んだ絵本って覚えていますか?大好きで繰り返し読んだ絵本。あるいは、読んでもらった絵本。わたしは年の離れた弟がいて、少し大きくなってからは読んであげる側だったので、比較的いろいろ覚えているほうだと思います。『だるまちゃんとかみなりちゃん』とか『からすのパンやさん』とか『ぐりとぐら』とか姉弟そろって大好きでした💕

そんななか、たった一度しか目にしたことがないのに強烈な印象を残したのが『かわいいきいろのクジラちゃん』かこさとしさんの作品です。タイトルを思い出せなくて探しあぐねていたのですが、検索してみたら見つかりました。素晴らしきインターネット。でも、今は手に入らないみたいです。なので、わたしの記憶が正確かも検証しようがありません。残念。そんなわけで、普通にネタバレというか覚えているあらすじを書いてみますね。紙芝居という形でみたのと、いつもはオトナが読んでくれるのに、この時はカセットテープだったことまで覚えてます。そして、その語り口にすごく惹きこまれたことも。

〈あらすじ〉きいろいクジラのきいちゃんは、みんなと違ってひとりだけ黄色なので、いつもからかわれていました。そのたびに、おかあさんになぐさめられていました。大好きなおかあさん。ある日、ニンゲンが珍しい黄色のクジラを捕まえにやってきました。きいちゃん逃げて。おかあさんは、きいちゃんの代わりに捕まってしまいました。折しも夕焼け(それとも朝焼け?)時で、母クジラが捕まったのもあって、海がいちめん真っ赤にそまって……。おかあさんを亡くしたきいちゃんは、哀しくて、哀しくて、深く深く沈んでいきました。きいちゃん、きいちゃん、大丈夫だよ。みんながついてるよ。それまで、きいちゃんをからかっていたクジラのこたちが、きいちゃんを一生懸命なぐさめてくれました。きいちゃんは、ひとりじゃないよ。そうして、みんなに連れられて、深いところからあがってきたきいちゃん。きいちゃんにも、みんなにも朝陽が差して、みんなキラキラ金色に輝いていました。おしまい。

子ども向けのはずなのに、おかあさんのシーンが衝撃的すぎてガン泣きした記憶があります。そして、しばらく高熱ってどれだけ繊細だったんでしょうね。小さなころのわたし。ちょうど母が入院がちだったっていうのもあって、そういうのに本当に弱かったんです。ってか、おかあさんクジラが死んじゃったくらいで態度を変えられるなら、最初からもう少し歩み寄ってくれよみたいな想いもありましたwww

軽くトラウマ……?でも、そのせいか忘れがたい作品になりました。人格形成に影響を受けてしまっているかもしれませんが、ひとはいろんな影響を受けて成長していくものですし、どう育ったかは結局のところ自分自身の責任でしかないですね。ってか未成年ならまだしも、成人過ぎたオトナが、自分自身の育ちかたを環境のせいにするなんてカッコ悪い真似はしたくないものです。きいちゃんは、きっと他人の痛みを想像できる強くて優しい大きなクジラに成長したのでしょうね。