ミオの備忘録

猫と音楽とミステリー、映画が好きです☆

ドラマ『スパイの妻』

 新聞のラテ欄でテレビ放送されるのを知りました。映画館に観に行きたかった作品!朝から、とても楽しみにしていて、早々と寝支度もすませて待機していました。でも、よくよく見たら「映画」ではなく「ドラマ」とあって、少し不思議に思っていたのですが、ウィキペディアに載っていました。

作品情報

『スパイの妻』(スパイのつま)は、2020年にNHK制作、2020年6月6日14:00 - 15:54にNHK BS8Kで放送されたテレビドラマ。黒沢清監督作品。2020年に劇場用映画として公開された。

 つまり、劇場版ではなく、すでにBS8Kで放送されていた作品をBSプレミアムで放送したということです……か?(分からなくなりました) 映画もこういう終わりかただったのでしょうか?それとも……?

 最初から最後まで、蒼井優さんが可愛かったです。話し方とか立ち居振る舞いに、その時代を感じるというか、とても自然で違和感がありません。

 夫役の高橋一生さんも素敵でした。信念を持った紳士然としていて、本心が読めないところも合ってるなって思いました。蒼井優さんとは『ロマンスドール』に続いて夫婦役とのことで、そちらの作品も観てみたいなと思いました。

 蒼井優さん演じる聡子の幼馴染で陸軍憲兵役の東出昌大さんも、なんだか得体の知れなさがピッタリだなと思いました。なんとなく嫌な感じというのが、これほどまでに似合ってしまうとは……役者さんはすごいですね。

 以下、内容というかネタバレありの感想です

 🐈 🐾 🐾 🐾 🐾 🐾

 最初のほう、母がお皿を洗ってくれていて、水音で割と聞き取れなかった部分が多いので、そのあたりに大きな伏線があったとしたら、たぶん見逃したのだと思います。

 妻を愛していたのは本当。コスモポリタンであろうと、自分のなかの正義に忠実であろうとしたのも本当。だとすれば、夫の意図は、本心は、どこにあったのでしょう?

 妻に世界の真実を見せたくなかった。危険な仕事に巻き込みたくなかった。それでも、自らと共に生きていくことを望む妻のことを、守りたいと愛おしいと思ったのでしょうか?それとも、自分の崇高な目的を妨げる邪魔者でしかなかった?

 フィルムがすり替えられていたおかげで、たぶん極刑を免れたのだと思われます。それなら、そこには愛情があった?でも、それなら、密告したのは?……分かりません…

 ただ、再会を約束した地へたどり着けなかったのは残念で、とても気がかりでした。悲しい気持ちになるし、そわそわしてしまいます。《終戦後、夫の死の知らせを受けて、そこに偽造の跡を見つけて、妻はアメリカに飛んだ……》

 あの夫なら、いろいろな苦難も乗り越えて、飄々と生き延びていそうな気はします。でも、個人の思惑や能力などをとびこえて、根こそぎ奪っていくのが戦争でしょう?

 こころのなかで、彼の地で夫に再会して、抱擁を交わす後ろ姿を想像してみました。再会できたか、そもそも夫が生きているのかさえ明言されていないので、それは正しくないかもしれない。でも、はっきり描かれていない以上は、不正解とも言えない……はずですよね? わたしにとって、安心で、納得で、受け容れられる形で仕舞っておこうと思います。

 

スパイの妻<劇場版>

スパイの妻<劇場版>

  • 発売日: 2021/03/03
  • メディア: Prime Video