ミオの備忘録

猫と音楽とミステリー、映画が好きです☆

映画『日日是好日』

 突然ですが、髪を切りました。

 うしろがモサモサしてきたのが気になってきて、なんだかこういう犬いるなぁ……と。少しでもまとまり感を出そうと、耳の上の髪をピン留めしたら、マスクとメガネでピンがうまく留まらず、寝癖みたいになって、ますます犬感が増しました。(職場のひとに「うちの犬に似てる」と言われたくらいにモサモサでした。)

 なので、今はとてもスッキリしています。

 母には、なんでか大ウケです。「それ昔のマシュマロカットみたい!マシュマロカットって言うんだよ!」って、すごく楽しそうに言われましたけど、母……マシュマロカットなんて、わたし聞いたことないです。マッシュルームでは? 父は「マッシュルームカットは、ビートルズだよ」と言っていました。そんな父は、別にビートルズのファンというわけではありません……ふたりしてキャッキャしてる。仲良い夫婦だなって思います。

(「マシュマロカットとは」で検索したら、「マシュマロショート」「マシュマロ髪型」あたりの画像が出てきました。もしかして、局地的にでも、そういう呼び方は存在する……?)

作品情報

日日是好日』(にちにちこれこうじつ)は、エッセイスト・森下典子による自伝エッセイ『日日是好日-「お茶」が教えてくれた15のしあわせ-』を原作とした、2018年10月13日公開の日本の映画作品。

監督・脚本は大森立嗣。主役の典子役を黒木華、典子が通う茶道教室の先生役を樹木希林、典子と一緒に茶道教室へ通う従姉役を多部未華子が演じる。

 母が好きそうだなって思って、母が仕事から帰ってくるのを待って、一緒に観始めました。といっても、母の興味は惹かなかったようで、ほとんどスマホのゲームに集中していましたが……

 茶道は嗜んだことがなくて、まったく未知の世界です。普通の服で気軽に楽しめる野点やイベントで抹茶をいただく機会はあったのですが、茶碗を回せば良いのかな……と見様見真似で教わったとおりにするのが精一杯で、袱紗捌きとか茶の点て方とか、気にしてもいませんでした。

 ひょんなことから、近所のおばさんに茶道を教わることになった典子と美智子。彼女たちも初心者なところから始まるので、なんだかハードルがぐんと下がったように思いました。

 そう、誰でも最初は初心者です!どんなに上手なひとにも、最初はあったはず。そう思うと、知らない分野にも臆せず飛び込んでいけるような気がしませんか?

 どれだけ難しそうに思えても、慣れると体が自然に動くようになるそうです。……そうかなぁ……そうだといいなぁ……

 ほとんどスマホのゲームに集中していた母が「そうねぇ。〇〇ちゃん、やったことなかったんだね。茶道やるといいよ」って言ってました。気持ち的なハードルが下がったとはいえ、自分にできる気がまったくしません。ひとつずつの動作を考えながらやるのは無理です。こんがらがってしまいます。だからといって「考えるな、感じろ。習うより慣れろ。」というのは、更にむずかしいです。でも、やってみなければ、何もわかりませんものね。

 

「お茶って、まぁそういうものなのよ。」

 

 気軽に、気楽に、真剣に、初めてみたいと思います。

 

日日是好日

日日是好日

  • 発売日: 2019/04/24
  • メディア: Prime Video
 

 

 というのが、前半を観ての感想で、後半は他にも思うところがあったりなかったり……

 なんというか、指摘されたり、教えられたりっていうのが嫌いなわけではないけれど(歳を重ねれば重ねるほど、そういう場面は減っていくので、むしろありがたいと思います)、枕に「前から思っていたんだけど」がつくと途端に不安になります。え?いつから?そうなの?ずっと言おうと思ってて、でも言えずにいたの?気づかなかった……。ものすごく不穏だし、悲しい気分になる。「ちょっと思ったんだけど」とかではダメかしら。

 さらっと流れていったけど、ドキドキしました。「工夫しなさい」って、もっと早くに教えてほしかった。と言っても、それ以前に同じことを指摘されても、どう工夫したらいいのか分からず、やりようはなかったとも思うけど。なんだか急に味方がいなくなったような気持ちになりました。

 お稽古ごと あるある、かもしれませんね。

 

 いろいろあって、終盤では更に12年後が描かれています。典子がお茶を初めてから24年後のこと。なんだかんだ、お茶のお稽古を続けてきたことは描かれているけれど、典子がその間どう生きてきたかはあまり語られていないように思いました。

 やはり最初から最後まで、主役はお茶なのかもしれません。

世の中には、「すぐわかるもの」と、「すぐわからないもの」の二種類がある。すぐにわからないものは、長い時間をかけて、少しずつ気づいて、わかってくる。

子供の頃はまるでわからなかったフェリーニの『道』に、今の私がとめどなく涙を流すことのように。

(映画『日日是好日』公式サイト「物語」)

 典子の視線を通して、お茶の世界に手をのばすことができる。そんな映画だと思いました。