タイトルに中点がはいるのか、はいらないのか不思議だったのですが(ポスターにはあるように見える)、「中点なし」で合っているみたいです。同名のアメリカ映画があるようで、そちらの邦題は『ハッピー・フライト』(『View from the Top』)
ここ数年、世界的な感染症の流行もあって、飛行機にまったく乗れていません。出張のある仕事ではないし、職場は自転車ですぐそこ。祖母の家へ行くのも、電車か車が便利なので、飛行機は使いません。遠くに住む親戚がいるわけでもなく、もともと飛行機に乗るのは、旅行のときだけでした。
不要不急の外出は自粛するよう求められている昨今、急を要する大事な用事なんて……仕事くらいでしょうか…
飛行機に乗るの、大好きなんだけどな……
空港を行き交うたくさんのひとびと、そこで働くスタッフさんたち、仕事や留学・旅行なんかで飛行機を利用するひとたち、普段の生活では出会わないひとが出会ったり、すれ違ったりするなんて、なんだかとってもおもしろいです。
作品紹介
『ハッピーフライト』(HAPPY FLIGHT)は、2008年11月15日に公開された日本映画。監督は矢口史靖。
主題歌
フランク・シナトラ「カム・フライ・ウィズ・ミー」
概説
日本映画では比較的珍しいモジュラー(組み合わせ)型に徹したドラマ構成で、たとえば、主役、準主役である田辺誠一、綾瀬はるか、田畑智子、岸部一徳の4人(この3番目に時任三郎を加えた順に出番が多い)はお互いに一度も顔を合わせず会話もしない。彼らをつなぐのは1機の旅客機である。
キャスト
パイロット
鈴木 和博 演 - 田辺誠一
副操縦士(コーパイロット)・機長昇格訓練生。OJTの最中、ピンチに出くわすと感情的になるなど性格は単純。
原田 典嘉 演 - 時任三郎
機長(キャプテン)・運航部門指導教官。鈴木の機長昇格のための最終路線審査での訓練教官を担当する。時々笑えない冗談を不吉な笑みを浮かべながら言い放ち、鈴木に威圧感と不安を与える。
望月 貞男 演 - 小日向文世
機長(キャプテン)・運航部門指導教官。温厚な性格であり、どんな副操縦士に対しても機長昇格の合格通知を出す寛容さで知られている。原田とは正反対の性格をしている。鈴木の教官を務める予定だったが、当日に風邪を引いたために原田が代役を務めることになった。
「R」「L」と数字は担当ドア。ダッシュ付き数字は見習いを意味する。
斎藤 悦子(R4') 演 - 綾瀬はるか
ホノルル行きの便が国際線初乗務となる広島出身の新人客室乗務員。その大切な初フライトの搭乗前ブリーフィングに遅刻し、さらに機内では大失態を犯してしまう。食いしん坊でおっちょこちょいな性格だが、一方料理は得意であり、それが失敗を返上するチャンスとなる。
山崎 麗子(L1) 演 - 寺島しのぶ
悦子の国際線初乗務の便でチーフパーサー。厳しい性格でありながら真里が客からの罵声を浴びた際は代わって対応して円満解決するなど、総括責任者としてのお手本的存在であり、悦子と真里たちの母親的存在である。
田中 真里(R4) 演 - 吹石一恵
悦子の指導係(中堅客室乗務員)。新人の指導係を任されるほどサービスはそれなりにこなせるが、不条理な態度を取る客に対しての対処には未熟さが垣間見える。悦子のマイペースさを危惧し何度も注意する。
グランドスタッフ
木村 菜採 演 - 田畑智子
臨機応変に業務をこなせるため、森田から「今辞められては困る」と釘を刺されている。いつものほほんとしている美樹を羨ましがっている。
吉田 美樹 演 - 平岩紙
菜採の後輩。お気楽でおっとりした楽天家。時々毒舌家に変身する。面倒な対応は菜採に任せ、(自分にとって)難しい対応を迫られると、すぐに「先輩」と言って頼ってくる。
森田 亮二 演 - 田山涼成
グランドマネージャー(菜採の鬼上司)。どんな部下が相手でも妥協を一切許さない厳しい性格であり、菜採の退職願も即刻却下したほどである。
オペレーションコントロールセンター(OCC)
高橋 昌治 演 - 岸部一徳
オペレーション・ディレクター(コントロールセンターの責任者)。愛煙家。コンピュータの扱いにはついていけていないが、緊急時の仕事の腕はアナログながら抜群である。
中島 詩織 演 - 肘井美佳
ディスパッチャー・カンパニー無線担当。トラブル発生後、当該機にバードストライクが原因であることを伝えた。エンドロールで高橋にコンピュータの扱い方を指導しているシーンがある。
整備士
小泉 賢吾 演 - 田中哲司
ライン整備士。整備士という仕事に誇りを持っており、相手が新人整備士であっても妥協を一切許さない厳しい性格。
中村 弘樹 演 - 森岡龍
新人のドック整備士。
竹内 和代 演 - 宮田早苗
コントロールタワーの管制官。クールで正確に仕事をこなしている。
渡辺 忠良 演 - 長谷川朝晴
レーダー室の管制官。私服勤務の管制官たちの中でもとりわけカジュアルすぎるいでたちで、同僚たちからは「公務員の自覚がない」と苦言を呈されている。
宮本 理英 演 - いとうあいこ
レーダー室の管制官。最近では「職業柄、何でも整理しないと気が済まない(本人談)」という程、非常に神経質になっている。
水野 頼子 演 - 江口のりこ
感 想 (+ざっくりあらすじ)
おもしろかったです。
冒頭が、飛行機ではおなじみの「機内安全ビデオ」そのもので、なんだか搭乗したような気分になりました。
先にネタバレをしてしまえば、この飛行機は落ちません。死傷者も出ません。タイトルに「ハッピー」って入っていますし、ここまでは言っても大丈夫かなって判断しました。まさか、タイトルの『ハッピーフライト』から天国行きかと思ったひとがみえたら……………ネタバレして、すみません。
安心して、空の旅を楽しんでくださいね。↓↓↓
🐾🐾🐾🐾🐾🐾🐾✈️🕊️🌀🐱🍫
あらすじは「羽田空港と1980便のとある長い1日」といった感じです。いろんな部署で、いろんなことが起こります。そのなかでも大きな出来事が、羽田を出発した1980便が機体トラブルのため帰還を余儀なくされ、そこに台風がきて、そのさなか安全に着陸させなければならないというもの。他には、
・出発前の点検で、部品交換の必要箇所が見つかる→出発前の限られた時間で終わらせることができるか、時間との闘い。先輩整備士の小泉(田中哲司)さんに圧をかけられる新米整備士の中村(森岡龍)くん。
・ピトー管の破損あり(残りは3つ、ひとつは予備で機能しないため実質2つ)→問題ないと機長が最終判断し、そのまま離陸
・離陸間際に「やっぱり飛行機に乗りたくない」とトイレに籠城する新婚夫婦の妻
・ビジネスクラスにランクアップされたのに、本来なら手荷物で入れられないサイズの荷物を手荷物で持ち込めるように取りはからえとごねる乗客。ビジネスマンの清水(菅原大吉)さん
・荷物の取り違えが起こって、バスを追いかけるグランドスタッフ。取り違えられたのは乗客の太田(日下部そう)さん。なんとか間に合って、それぞれの手に自分の荷物が戻ります。
・子どもたちの社会見学(そのうちのひとりが整備用の器具を勝手に持ち帰ったことで、整備場はあらゆるものをひっくり返して捜索するハメに!)
・機内で乗客が嘔吐
・機内食で提供するはずのチョコレートが温めすぎで大惨事に!→料理上手な悦子(綾瀬はるかさん)が主導して、別のデザートを用意します。
・雑誌の取材と詐称し、空砲で鳥を散らす仕事を邪魔する団体
・そのせいでバードストライク→ピトー管の損傷
・出発空港へ引き返すことになり、そのことへの理不尽なクレーム。(清水さんふたたび)
・出発した飛行機が戻ってくることになったので、宿泊施設の確保など新たに発生するオシゴト→すでに終業時間だったのに、自動的に残業決定なグランドスタッフたち
・ものすごい早さで関東地方へ上陸した台風
・機体へ落雷⚡
なんとなく起こった出来事を羅列してみましたが、なんだかゴチャッとしてますね。残りの燃料も計算したうえで、帰りの航路を決定する仕事のひととか、まだ書ききれていないエピソードもあるくらいです。それでも、観ているうえでストレスはほとんどありません。細かいトラブルはどんどん起こるけれど、それと同じくらいの早さでどんどん解決していくというか、捌いていく感じがします。
みんな、きちんと自分の職務をまっとうしています。新人スタッフは真面目に頑張っていて、それでも至らないところは、先輩や上司がフォローしている。お仕事ドラマとしても、とてもおもしろかったです。同じ職場で働く面々なので、常に協力関係にあるところも良いなぁって思いました。🦋