ミオの備忘録

猫と音楽とミステリー、映画が好きです☆

映画『トラさん〜僕が猫になったワケ〜』

 気になっていたので、観てみました。

 多部未華子さんが好きなのです。『これは経費で落ちません!』の森若さんとか、『あやしい彼女』の節子さんとか。他にも出演作を観てみたいなって思っていたら、Netflixでこちらを見かけてマイリストに入れていました。

 視聴期限は迫っていませんが、今はネコの気分なので!

作品紹介

『トラさん』は、板羽皆による日本の漫画。『月刊YOU』(集英社)にて、2014年1月号から2018年11月号まで連載。同誌の休載に伴い、『Cocohana』(同社刊)に移籍して、2019年1月号から連載中。

あらすじ 

酒とギャンブルに溺れる日々を過ごしていた売れない漫画家・高畑 寿々男は不慮の事故で命を落とすが、あの世の「裁判長」の裁きにより1ヶ月の期限付きで「猫」として現世の妻子の元へ戻される。

実写映画

『トラさん〜僕が猫になったワケ〜』のタイトルで実写映画化。主演は北山宏光Kis-My-Ft2)。2019年2月15日公開。

キャスト 
スタッフ 

(ウィキペディア「トラさん」より抜粋)

ネタバレと感想と

🐾🐾🐾🐾🐾📑✒️😽💓😺😾

 ポスターはイメージ映像なのかと思いきや、そのままでした。つまり、不運な事故によってネコになってしまった!!!って言っておきながら、わたしたちの目には着ぐるみを着た寿々男(北山宏光)にしか見えないという……

 でも、自動車のバックミラーに映る姿は、ちゃんと普通のトラ猫です。そして、映画のなかでは、全員がネコの姿として認識しています。シュールなのか、コミカルなのか……

 たしかに、思うように演技をしてくれるネコはなかなかいないかもしれませんが……そういうアプローチは初めてだったのでビックリしました。でも、なんか良かったです。

 

 原作では、きっとネコなんだろうなって思いました。着ぐるみを着たひとを描くほうが、作画コストがかかりそうです。

 

 こっそり家のお金を持ち出してギャンブルに興じたりと、寿々男は普通に家族としてどうかと思います。ギャンブルするにしても、せめて自分で稼いだお金でないとダメでしょう……。それに、有り金を全部使ってしまうなんて言語道断で、ある程度の「次」に回せる資金を残しながら回していくのが、王道なのではないかしら。資金を常に外に期待するとか、甘いですね。

 学校の参観日に来た寿々男がチャラ過ぎで、実優(平澤宏々路)が描いたことになっている絵を、自分が描いたって公言してしまうあたり、なんだか頭を抱えたくなってしまいました。それで、実優が周りの男子たちにやいのやいの言われて……(たぶん)学校の宿題だった絵を家のひとに描いてもらった実優もいけなかったかもしれないけれど、そんなことわざわざ学校で言う必要はないですよね?実優の立場は考えないの?頭の中がお花畑なの?

 それで、実優が学校に行けなくなるかもしれないとは想像しなかったのかな。かなり迂闊な性格だな。しかも、自分のことしか考えていないんだな。

 

 それでも、実優も妻の奈津子(多部未華子)も苦笑いで仕方ないなって済ませているので、納得していて仲良くできているなら、それはそれで家族のありようなのかなって思いました。

 奈津子と実優がしあわせなら、ダメ人間ではあっても、良き夫・良き父なんでしょうね。

 

 こっそり持ち出したお金をギャンブルで増やすことができて、浮かれて歩道橋からバラまいてしまって、慌てて拾おうと道路に屈んでいたところをトラックに轢かれるっていうギャグみたいな展開にビックリしました。

 ぶつかる瞬間を映していなくても、轢かれたことは理解できて、それによって致命傷を受けたということも伝わる感じになっていて、見せ過ぎないところが良いなって思いました。

 

 そして、なんかエライ人(裁判長:バカリズム)に成仏してしまうまで1ヶ月の猶予を与えられます。ただし、ネコとして。

 

 ネコ嫌いなのに、自分がネコになってしまう。

 最初のうちは、ネコになった自身の身体や野良生活に慣れずにいますが、実優に拾われて、飼ってもらうことになって、ネコ生活を満喫し始めます。そんななか、実優や奈津子の本当の気持ちを知っていきます。

 

 そうして、最後に自分のやり残したことを思い出して、のこされた家族に想いを伝えるために、ネコとしても存在が消えてしまう前に1日だけ人間の姿に戻してもらうことを裁判長にお願いします。なんだかんだ、聞き入れてあげるあたり、裁判長は優しいな………(真っ白な空間で執務机ごと宙に浮いてるところ好きです。あと「出てこないで」って、やりとりも。)

 寿々男さんは、なんだかんだ家族のことを愛していて、家族も寿々男さんのことが大好きだったんだなって思いました。

 人間の姿になった寿々男さんは、ネコマンの最終回を描きあげます。やればできるこ!限りがあるからこそ、なんとしても仕上げなくてはいけません。迷いなく下書きを始めて、ペン入れからベタ塗りまでこなしていきます。そんな「ネコマン」最終回は、実優と奈津子によって消しゴムをかけたり、枠線の消し残しを消すなどして仕上げられ、最終巻として世に出ます。数年後の家族記念イラストにも寿々男さんがいて、弟がいて、家族仲良く暮らせていることがうかがえて、良かったなって。

 (漫画を描いているシーンがすごく好きです。スピード感があって、迷いがない感じ。だんだん仕上がっていくのを見るのも楽しい。全部、ちゃんと描かれているっぽいので、しっかり読んでみたいなって思いました。手元の吹き替えは、原作者さんかと思いきや鳥佐和哲哉さん。他のドラマとかでも、吹き替えや作品提供をされているみたいで気になります!)

 

 なんか、ウソみたいにあっさりと死んでしまうので、実はネコになったあとでも、どこかで生き返るんじゃないかなって思っていました。それか、ネコのまま、ずっと近くで見守っていけるんじゃないかなって。でも、それは叶わず……

 コミカルで悲壮感はそれほどないのに、そういうところはシビアなんだなって思いました。でも、だからこそ信頼できる。

 

 飼いネコ仲間のホワイテスト(飯豊まりえ)が、とても可愛いです。もしかして、彼女も元は人間だったり………?🦋