ミオの備忘録

猫と音楽とミステリー、映画が好きです☆

『モノノ怪』

 前から気になっていました。2007年ってことは、14年前の作品ですね。その頃、なにをしていたかは……ヒミツですけど、ノイタミナ枠の作品を観るのは難しかったみたいです。

 今は、Netflixで観ることができます。便利になりました。

作品紹介

モノノ怪』(モノノけ)は、2000年代後期の日本で深夜系テレビアニメ番組として作られた、和製ホラーアニメ作品。日本では、フジテレビ系列「ノイタミナ」枠の第8作目として、2007年7月12日から同年9月27日までの期間に放送された。5エピソード、12話からなる。

作品概要 

本作は、ノイタミナ枠で以前に放送された『怪 〜ayakashi〜』のエピソード「化猫」の続編で、制作スタッフもほぼ同じである。

前作に続いて、謎の薬売りを主人公とし、近世(江戸時代)の日本をモチーフにした世界(ただし、最後のエピソードのみ近代)を舞台に、「座敷童子」「海坊主」「のっぺらぼう」「鵺(ぬえ)」「化猫」という5つの怪異エピソードがオムニバス形式で描かれる。

退魔の剣の声を担当する竹本英史は、全話において何らかの役との一人二役となった。

モノノ怪の美術 

本作は和紙の質感をテクスチャーとして取り入れている他、和風をベースにした独特な世界観を支える美術やデザインにおいても評価が高い。「座敷童子」では浮世絵や目黒雅叙園、「海坊主」ではクリムト風な絵、「のっぺらぼう」では能や屏風絵や表現主義をイメージしたという筆使い、「鵺」では他の回とは打って変わったモノクロを意識した押さえたカラーと水墨画、「化猫」では時代に合わせた大正モダンやパブロ・ピカソゲルニカ風な絵などを効果的に使っている他、各所に様々に解釈可能な暗喩や隠喩を含ませたアイコンを散りばめている。

モブキャラクターの描き方もメインキャラクターとは別を画し、「座敷童子」では黒く潰した顔に回転する小花を散りばめ、「のっぺらぼう」では顔を白地を十字に区切った面布で隠し、「化猫」ではマネキンにして描いている。メインキャラクターに関しては、デザインした橋本敬史は主役の薬売り以外はポンチ絵のつもりで作成したと語っている。

あらすじ 

モノノ怪を斬ることができる退魔の剣を携えて諸国を巡る薬売りの男がいる。薬売りは妖異が現れる場を訪れる。モノノ怪を成すのは、人の因果と縁(えにし)。人の情念や怨念にあやかしが取りついたとき、モノノ怪となる。薬売りはモノノ怪の形と真と理を明らかにし、退魔の剣でモノノ怪を斬っていく。

登場人物 

薬売り 声 - 櫻井孝宏

本作の主人公である謎の行商人。本名・年齢・素性などは不明。本人曰く「ただの薬売り」。透けるような白肌に、淡い金色の長い髪と青い眼を持ち、隈取のような化粧をしている。本人は自分を「人間だ」と言うが、耳が長く尖っており、犬歯も牙のように大きく鋭い他、退魔の剣や船幽霊などの人ならざる者の声を聞ける、時代が変わってもほぼ同じ外見で現れるといった人間離れした身体的特徴がある。性格は淡々として、滅多なことでは感情を荒気ない。しかし、他者に対する気遣いがないわけではない。ただし、自業自得の末路を送る者や欲深い者などには基本的に放置し、率先して助けることはしない。また人助けのためにモノノ怪を斬っているわけではない模様。女性に頬を染められるほどの美形である。モノノ怪を斬る退魔の剣(声 - 竹本英史)を携えているが、剣を鞘から抜くためにはモノノ怪の形(かたち)・真(まこと)・理(ことわり)の三つを知ることが必要。ほかにも結界の要や障壁にもなる御札や、モノノ怪との霊的な距離を測る天秤(投扇興の的の蝶のような形をしている)等、不思議な道具を持ち歩いている。着物の柄は蛾をモチーフにしていると公式の設定資料で明かされている。

封印が解けた薬売り(設定書準拠)

退魔の剣を解き放つことで、封印の解ける前の薬売りと入れ替わる、または、姿の変わるようなかたちで登場する。褐色肌に灰白色の長髪、白目に相当する部分が黒色で紅い瞳をしており、全身に金の紋様を持つほか、首が太く胸板は厚く、普段の姿より戦闘向きの体形を成している。紋様は、薬売りの化粧と衣装の紋様が移動するかたちで金の帯線のようなものが全身に走る描写がある。紋様は皮膚の上でうごめいており、ときには体から離れ、宙に浮いて広がったりもする。作中ではこの姿に固有の名前が出ることはなく、キャストも「薬売り」としてクレジットされている。トークイベントにおいて、設定上の正式な名称はあるが、スタッフ間では「ハイパー」と呼ばれていると明かされた。

(ウィキペディアモノノ怪」より抜粋)

感 想 (ネタバレ)

 ホラーは苦手なのですが、最近は少しずつ挑戦しています。

 画面の感じが和紙っぽくて、和風っぽくて、おもしろいなって思いました。主人公の薬売りがカッコイイところも素敵です。声もイイ。そのおかげで、とても観やすいです。

 画面の雰囲気と話、オチまで含めて「海坊主」と「鵺」が特に好きです。

 「海坊主」は、同じ船(そらりす丸)に乗り合わせたひとびとが、竜の三角へと流れついてしまい、そこでモノノ怪に遭遇するという話です。そらりす丸には、新しい奉公先を探すため江戸へ向かう加世(声 - ゆかな)、徳を積んだ高僧である源慧(声 - 中尾隆聖)、源慧の弟子・菖源(声 - 浪川大輔)、九字兼定を持つ若い侍・佐々木兵衛(声 - 阪口大助)、修験者・柳幻殃斉(声 - 関智一)、船主・三國屋多門(声 - 高戸靖広)、船長・五浪丸(声 - 竹本英史)、そして薬売りが乗り合わせます。

 羅針盤に合わせて航路をとっていたはずなのに、竜の三角にたどり着いてしまいます。それは、誰かが羅針盤の近くに磁気のあるものを置いて、狂わせていたからで……(ちょっとだけミステリーっぽいですね)

 竜の三角では、海座頭(声 - 若本規夫)があらわれ、琵琶を奏でながら、「お前が最も恐れるものは、何か」と質問してきます。そして、その恐れる心持ちを投影した幻覚を見せてきます。幻影に心を乱され、叫ぶ加世さんに優しく声をかける薬売りさん……優しい……。

 虚船って、どんなに綺麗に装飾されたとしても、その用途が怖すぎます。でも、検索したら、ウィキペディアには未確認物体の一種とあって、思っていたのと違う。なんとなく記憶にひっかかっていた語句「補陀落渡海」を検索したら、そちらがピッタリくるような気がしました。とはいえ、この作品の虚船は木をくり抜いて虚を作っただけのものなので、船でさえない……なんということでしょう…

 嘘と偽りと誠実さと……………

 こんなわたしでも、本当に心から愛されていたのだ……という気づきと(おそらくは)後悔と……………

 最後の、すべてが明らかになって、憑物が落とされた彼の人がとても安らかな顔をした美人さんであったことが(そして生きていることが)、めでたしめでたしって感じでした。

 

 思ったよりも語ってしまいました。次のは手短にいきます。

 「鵺」は、深々と雪が降り積もる京の都の公家屋敷を舞台に、屋敷の主人・瑠璃姫の婿を決めるために開かれた聞香の会。そこに鵺があらわれるという話です。候補たちは、それを手に入れられれば天下人となれると言う幻の香「東大寺(欄奈待)」を我がものにしようと鎬を削ります。

 降りしきる雪が、まっすぐに落ちるだけでなくて、ところどころ……こう「つつッ」と横に動くところが好きです。目がすいこまれる。(なんでだろう?)

 それから、どこかで見たことがあるような気がする犬も可愛いです。既視感。日本画に出てきそうな。って検索しようにも、そもそもわたしがマイナーな日本画家を知っているわけがないので、色合いから「鳥獣花木図屏風」(もちろんタイトルは後で検索しました)を連想して、あてずっぽうで「伊藤若冲 犬」で検索してみたら「百犬図」が見つかりました。コレだ!

 どこに収蔵されているんだろうと検索しても、上位に出てくる検索結果は「個人蔵」とあるのみで、実物を目にすることは不可能なんだろうな……と寂しく思っていたら!京都国立博物館に新たに収蔵されるのですって!「特集展示 新収品展」【会期:2022年1月2日(日)~2月6日(日)】………観に行きたい…

 閑話休題。ホラーというよりも、ミステリー仕立てで非常に好みでした。香りをかいだときに、モノクロっぽい世界が色づいていくところも好きです。終わりに香の燃える音がするところも。

 

 他の作品も好きです。でも、「座敷童子」は母性に圧倒されて、「のっぺらぼう」には救いを見いだせず、「化猫」に関しては……ネコがいっぱい出てくるところは好きですが、轢殺はダメです。でも、あと味は良いです。ホラーのはずだけど、ちゃんと解決するところが安心できます。

 暑い日にこそ、涼感を得るためにもホラーアニメなんて、いかがでしょう?🦋

京都国立博物館 公式サイト→

https://www.kyohaku.go.jp/jp/project/new_2022.html