ミオの備忘録

猫と音楽とミステリー、映画が好きです☆

映画『サイレント・トーキョー』

 明けでした。気軽にサクッと観られる作品が良いなぁ……

 サムネイルに中村倫也さんを見かけて、気になってこちらにしました。クリスマス前後の時期が舞台なので、季節感は真逆ですね。原作は、秦建日子さんの長編小説。そちらは読んでいませんが、秦建日子さん原作のドラマ『アンフェア』(2006年)(今から15年前?!)は楽しく観ていたような覚えがあります。

 期待できそうです!

作品紹介

『And so this is Xmas』(アンド ソー ディス イズ クリスマス)は、秦建日子による長編小説。河出書房新社より2016年11月24日に刊行された。東京を舞台とした連続爆弾テロ事件を巡るクライムサスペンス。刊行にあわせて秦の脚本・演出で舞台化され、劇団「秦組」によりHATAGUMI vol.7公演として同年9月から10月に上演された。

2019年12月3日には『サイレント・トーキョー And so this is Xmas』と改題され、河出文庫より文庫化。また、2020年には『サイレント・トーキョー』のタイトルで実写映画化され、同年12月4日に公開。

登場人物 

  • 朝比奈仁:テロ事件の容疑者
  • 来栖公太:ニュースドクター契約社員
  • 山口アイコ:通りががりの女性
  • 世田志乃夫:渋谷署刑事
  • 泉 大輝:渋谷署新人刑事
  • 須永基樹:不可解な行動をとる孤独なIT企業家
  • 高梨真奈美:興味本位で犯行予告現場に来てしまう会社員。
  • 印南綾乃:真奈美の同僚。同じく犯行予告現場に赴く。

映画

『サイレント・トーキョー』のタイトルで、2020年12月4日に公開。監督は波多野貴文、主演は佐藤浩市

キャスト(映画) 

スタッフ(映画) 

感 想 (ネタバレも)

 公開から1年経っていないのにNetflixで観られるなんて!

 家で観ているのを良いことに、さらにタブレットで観ていたので、途中で家族に呼ばれてちょっとした用事をすませたり、晩ごはんの支度を手伝ったり……と微妙に小間切れに視聴しました。

 なによりも真っ先に思ったことは、今これと同じような撮影をおこなうのは難しそうだなってことです。誰もマスクをつけていない状態で、しかも密集していて、感染爆発………クラスター………などと思いました。撮影していたときは、新型コロナウイルス感染症が今ほど流行っていなかったのでしょうか……………?

 賑やかな商業施設、人通りの多い駅前、なにもかもが懐かしいです……。(でも、そういう景色を懐かしむ話ではないですね)

🐾🐾🐾🐾🐾😼😾💥🐶🗼🌉

 犯人、どうした?!

 観終わったときに、もしかして途中の何分間かを見落し(あるいは見逃し)たのかな?って思えるくらい、ちょっとよく分かりませんでした。歯切れが悪いというか、行動にブレがあるというか。

 本当に、どうしてしまったの?

 「これは戦争です」

 ……………そうなんですか…?まぁ、そう言うなら、あなたにとっては、そうなんでしょうね? でも、それなら、なんで東京タワーは爆破しなかったの……? なんで、総理大臣を対話の場に引きずりだすまで続けなかったの? その程度の覚悟だったの? 無関係のひとたちを大勢まきこんでおいて? 諦めるの早すぎません?

 「War Is Over」

  ……………え? っていうか、早くない? 終わったの? 終わらせて良いの? 自己完結しすぎじゃないですか?

 やっぱり、どこか見落としているんでしょうか? 原作も確認してみたいところです。

 

 犯人(に良いように動かされている被害者)の爆破予告と首相との対談を要求するメッセージに対して、首相の会見が「不退転の」とか「断固」とか「テロには屈しない」とかの強い言葉を使っていて、覚悟のない政治家が覚悟があるように見せたいときに使う用語あるあるだなって思いました。たしかに、王道の対応だとは思うけれど……間違ってはいないとは思うけれど……

 でも、対応が正しいこと誠実であろうとすることは両立できるはずなのに、なんで正しいことだけしようとするんだろう?

 

 っていうか、犯人も対話を求めているはずなのに、ハチ公前のやつ……爆破させるのはダメじゃない? もっと、小出しに、本気度を見せつけつつ、無関係のひとを巻き込まないようにするべきだったんじゃない? 殺人が目的だったわけじゃないでしょう?

 

須永基樹(中村倫也)「爆破予告が出てるのに みんな自分だけは助かるって信じてた 何の根拠もないのに… ある意味 幸せか」

 なんだか、ここの台詞は何にでもあてはまる。汎用性が高いなって思いました。たとえば、今の状況とか。仕事でも緊急の用事でもないのに、人混みのなかへ出てきて「ごはん食べに来ました」「なんか、いいかなって」って言ってる街頭インタビューのひととか。自分は感染しないって確信があるんですね?

 

 叙々苑と今半のおべんとうが、良いなぁって思いました。逮捕され、犯人に動かされていただけの被害者だと判明した来栖公太(井之脇海)くん。正社員への登用をチラつかされ、テレビ番組への独占出演を求められます。番組の用意した台本には、犯人への憤りと「総理の対応は間違っていなかったと思います」

 ずぶずぶですね? あるいは、蜜月ですか?

 わたしだったら、おいしいお弁当と正社員のポストに乗っかってしまうと思いました。チョロにゃんですもの。でも、その台詞を言いたくないがために(なのかな?)、番組へは出演拒否して、契約社員のまま頑張る来栖くん。骨がありますね!

 

 あとは、主演のはずなのに朝比奈仁(佐藤浩市)さんが画面に登場している時間が、やたらと短いような気がしました。犯人扱いされてるけど、犯人じゃないっぽいし。主演とは……?

 刑事の世田(西島秀俊)さん、朝比奈の息子である須永(中村倫也)さん、知り合ったばかりの高梨真奈美(広瀬アリス)が、たくさん登場していたように感じました。っていうか、群像劇?

 

 爆破のシーンがすごかったです。(そのせいで、余計に犯人に肩入れできないし、同情の余地もうまれないですが……)

 

 なんだか、取り留めなくなってしまいました。

 ちょっとうろ覚えですけど、ドラマ『カルテット』で大菅(大倉孝二)刑事が言っていた言葉を置いておきますね。「だいたい犯人は、自分が被害者だと思うところから始まりますからね」

 ……………まさに、それ!🦋