映画化が決まってから、本屋さんで平積み展開されているのを見かけて気になっていました。『失恋ショコラティエ』や『脳内ポイズンベリー』でおなじみの水城せとなさんによる作品。
水城せとなさんは、前職の先輩がお好きで、よく話を聞いていました。そのせいか『放課後保健室』は、読んだことはないのに、(たぶん)オチまでしっかり知っていたりします。絵が綺麗で、読みやすいところが良いって。わたしも好きです。
『窮鼠はチーズの夢を見る』は、平積み展開のためか、わりとすぐに売り切れてしまって、なかなか遭遇できませんでした……。その後、シリーズ2冊を1冊に合本したオールインワンエディションが発売されたようです。(映画の前に原作を読んでおきたい気持ちもあったのですが、なかなか縁がなく残念でした。お取り寄せするまでの情熱はなく……。でも、お試し読みの小冊子があったので、そちらは読みました。ちゃっかりです!)
ひとりでのんびり過ごす休日。AmazonPrimeVideoで見かけたので、さっそく観てみました。
作品紹介
『窮鼠はチーズの夢を見る』(きゅうそはチーズのゆめをみる)は、水城せとなによる日本の漫画作品。
映画
監督は行定勲、主演は大倉忠義。当初は2020年6月5日に公開予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、同年9月11日に公開延期となった。
キャスト
スタッフ
(ウィキペディア「窮鼠はチーズの夢を見る」より抜粋)
感 想 (ネタバレあります!)
昨年公開されたばかりなのに、もう自宅で楽しめるなんて!コロナ禍という背景もあるのでしょうか? 仕事以外では極力引きこもっているので、こうやって新しい作品が観られるのは、とてもうれしいです。(明文化されていたり、上から命令されているわけではないですが、職業柄「わかってますよね?」っていう圧を感じます。自分たちで考えて判断してくださいね?っていう。)(決して、間違えるなよ?っていう。)
大伴恭一(大倉忠義)と今ヶ瀬渉(成田凌)は、大学の先輩・後輩。大伴の妻・知佳子(咲妃みゆ)が、夫の浮気調査を依頼したことで、偶然にもその興信所に勤めていた今ヶ瀬と7年ぶりに再会することとなります。大伴が不倫している証拠を盾にとって、キスを迫る今ヶ瀬。
( ・θ・) <相手が嫌がってたらダメだと思うな。同性・異性関係なく……
今ヶ瀬は、約束通り妻には不倫の報告をしませんでした。でも、大伴は、妻のほうから別れを切り出されます。「あなたの、そういう私の言葉を待っているところ。気持ち悪い!」(うろ覚え)
( ・θ・) <気持ち悪いって言った!それ、ひとに言っちゃダメなやつ!態度に対しても!傷つくじゃない!!!!!
そして、妻と別れて、ひとり暮らしを始めた大伴。ずいぶん経って、ビールを片手に訪ねてくる今ヶ瀬。「引越し祝いです」そして、なりゆきで一緒に過ごすことが多くなります。洗濯機に洗濯ものを放り込んでいって、自分の着ていたものも脱いで放り込んで、裸になったと思いきや、なにかを思いついた体でゴソゴソ。そして、洗濯機をまわしておいて、パンツ1枚で掃除機をかける今ヶ瀬。それ……大伴先輩のパンツじゃ…?
好きになったほうが負けなのでしょうか。大伴先輩は、今ヶ瀬に対して自分からはキスも耳かきもしません。でも、今ヶ瀬にしてもらうのは良いんですね。先輩。距離が近づいたように思えても、敬語を崩さない今ヶ瀬が良いなぁと思いました。好きだな。掃除するし、洗濯するし、なんならごはんも作るし。生活力があるって大事なことです。
なんか、いろいろあって、先に帰った今ヶ瀬が暗いリビングで映画を観ています。字幕が意味深です。(「これからする事を理解しようとしないで」) なんの映画かなって検索したら、監督のインタビュー記事が見つかりました。それによると、ジャン・コクトー監督『オルフェ』(1950年)
そして、またしてもいろいろあって……………
裸で朝ごはんを作ろうとしている今ヶ瀬。
( ・θ・) <お料理するのは良いけど、パンツは履くか、エプロンつけてください。火傷あぶないよ?
そして、今ヶ瀬の誕生日に生まれ年のワインを贈る大伴先輩。サプライズですね。すぐに飲まずに取っておこうとする今ヶ瀬が、とても可愛いです。来年もまた贈るから良いよ……と簡単に言ってしまう先輩。たぶん、今ヶ瀬のほうがよっぽど現実を見ているのだと思います。しあわせなはずなのに……切ない…
職場の後輩(女性)に紹介するときに「友人」って言ったり。友人……………そっか……そうですね……
なんだか展開がストレスフルで、そのせいか自分自身のこころの声が饒舌です。防衛反応。異性愛も同性愛も、根本的なところでは何ひとつ変わらないはずなのに…… このあたりまでは、なんとか文章にすることができましたが、ここから先は更に細かく実況しているので……もう、このまま残しておきます。初めて観たときの感想ってことで、勢いを感じていただけたら。
R15で濡れ場があって130分という長さで、って興味をもたれたかたは是非ご覧ください!わたしと想いを共有できるか、できないか、確かめてみてほしいです。
( ・θ・) <Pi!(ソウイウコトデ…)
うしろめたいことがあると、ひとは自分から余計なことを言ってしまう
見てる………今ヶ瀬が見てるよ?
苦労知らずって、婚外子だから、人知れず苦労していたかもしれないですよ?相手の背景に想像力をなくしたらダメだよ。
今ヶ瀬は、人の痛みのわかる優しいひとでしょ?
泣かせちゃダメー!
終わりにしよって、本気じゃないなら、それ言っちゃダメ!
相手を試すの良くないよ?
好き同士なら気にすることないじゃない。ただ相手のことだけ傷つけないようにすれば、それで良いじゃない。ダメなの?
先輩に似合うのは、上がり込んでコトコト長く煮込む料理を作る女。情の深いやつ。愛してくれるやつ……ね。
出て行ったんだ。
意外と寂しがり屋はあってたかもですね。
部屋がオシャレです。
そういや、車がカッコイイって検索したら、GX61 マークⅡのセダンって。
そか、再婚するんですね……。
今ヶ瀬も自分のこと大事にして。元気に生きていって。
会ってあげて!口約束で構わないから!会うって言ってあげて!
今ヶ瀬 全部言うとおりにするからなんて、壊れかけてるな。
要らないってひどいです!先輩。
なんでそういうところだけ、誠実であろうとするの?
今は、相手の気持ちを救ってあげてよ!
そりゃそうだって、今ヶ瀬 物わかりが良すぎる
最初から……………?そうね。
コードレスクリーナー便利そう!
たまき可愛い。そうだよ。あなたは、なにも悪くないんだ。
コトコトしない女。たまき。
気乗りしなさそう……カーテン……大事なのに…
青いカーテン、素敵ですね。
なんで、そんな心ここにあらずなんですか!先輩!
なにも問題はないのに!
しまわれてしまった灰皿。
プリンあるんだ。いいなぁ。
「あの灰皿すてていい?」って言わないところ、たまきさん素敵です。ってか、気づいてたの?
ん?行こう?
……………ん?????どゆこと?
え?ちょっと待って?わたしの読解力が足りないの?
こういうシーンって、長さとリアルさが難しいですね。長すぎるのは、目のやり場に困るし。作業っぽく見えるし。飽きるし。
キレイだなって、思える撮り方って大事です。
妖精さんかな?
そういう年って?
え?一緒に暮らすの?いいの?彼女さんは?
まったく、適当なことばっかり言って、先輩は!
消えた今ヶ瀬。捨てられた灰皿。
別れ話するんだ?
くっついたり、離れたり、忙しいひとたちですね!
誰かが言ってたフランス映画みたいだ。
最初の数分でくっついて、あとはずっとケンカしてる
先輩は、ひとあたりの良いひとなんだな。それから、ずるい。でも、優しい。そして、愛されたがってる。
顔は良いんですよ!顔が良いんです!
待つんだ?!
悪いひとですね、先輩。
あなたは愛してくれるひとに弱いけど、信用できなくて……今ヶ瀬、先輩のことよくわかってる。
大嫌いなのに大好きって、先輩は、先輩だけは例外ってことですね。
「わかるよ」!!!!!わかるんですか?先輩に?
「ごめん」
え?なにに、ごめん?
今ヶ瀬?過去形なの?「好きだったな」?今は?
飲まれなかったコーヒー、寂しい
泣かないで、今ヶ瀬。自分のこと大事にして!
今度は愛してくれるひとと一緒に過ごして!
そこで終わるんですね!
切ない!
ってか、え?先輩が分からない。これは、ハッピーエンドなの?結局、すれ違っちゃってるじゃないですか!?
最終的に、戻ってくることを信じたの?
でも、同じことを繰り返すだけじゃないですか?
原作の先輩は、もっと普通にひとでなしだった気がします……
というか、妻とのこともそうですけど、自分からは彼女と別れたりしなさそうでした。なにせ常に愛されていたいひとだから。
大伴先輩が今ヶ瀬のことを信じ続けて、いつかふらっと今ヶ瀬が顔を見せたときにでもヨリを戻せると良いですね……………そして、それが二人にとってのしあわせなら、それで良いかもなぁって思います。🦋