ミオの備忘録

猫と音楽とミステリー、映画が好きです☆

映画『ホムンクルス』

 よくタイトルを見かけたのと、Netflix独占配信ってことで気になっていました。独占配信のせいか、ランキングにも入っていたような気がします。原作は、累計発行部数400万部超えのカルト的人気漫画『ホムンクルス』!!!!!

作品紹介

ホムンクルス』は、山本英夫による日本の漫画作品。2003年より『週刊ビッグコミックスピリッツ』で連載。ビッグコミックスピリッツ2008年28号を最後に休載していたが、2009年34号より連載再開、2011年12月号をもって完結。

あらすじ 

新宿西口の一流ホテルとホームレスが溢れる公園の狭間で車上生活を送るホームレス・名越進は、医学生・伊藤学に出会い、報酬70万円を条件に第六感が芽生えるというトレパネーションという頭蓋骨に穴を開ける手術を受けることになった。その手術以降、名越は右目を瞑って左目で人間を見ると、異様な形に見えるようになった。伊藤によると「他人の深層心理が、現実のようにイメージ化されて見えているのではないか」と言い、彼はその世界をホムンクルスと名付けた。そして、名越は様々な心の闇を抱える人達と交流していく。

映画

2021年4月2日に日本で劇場公開された後、同月22日からNetflixで全世界独占配信。監督は清水崇、主演は綾野剛。PG12指定。

撮影は2019年12月から2020年1月にかけて、西新宿を始めとする東京都内で行われた。

キャスト 

スタッフ 

(ウィキペディアホムンクルス(漫画)」より抜粋)

感 想 (ネタバレも?!)

 ジャンルは、サスペンス・ホラー。サスペンスは好きだけど、ホラーはちょっと無理かも……なのに、あえて果敢に突っ込んでいく…と。(完全に自業自得なやつ)

 感想がネタバレになるのかって話ですが、まぁ……なりますよね。内容について、事細かに語ったりしなくても、そもそも好きな作品の傾向ってありますし、映像の感じとか。だから、おもしろいって書くだけでもネタバレになりうるわけで………(ちなみに、わたしは主人公がヒドイ目に合わなくて、女性が足手まといにならず、自分のことを自分で守ることができて、法律が遵守されており、イリーガルであったとしても それはそれで主人公に後悔がなく、あったとしても自分の業として背負っていく覚悟がある。絵面がスッキリしていて、殺陣や立ち回りが格好良く、カメラワークが酔わなくて観やすい。ファンタジーでなければ、ある程度のリアリティラインが保たれている。音楽が映像に合っている。変に悪目立ちしない。耳馴染みが良い。あるいは、無音が効果的……というか意識にのぼらないようなレベルで作品を支え、観客の情動を揺り動かす。そんな感じの作品が好きです!)

 

.....( ・θ・) <ネタバレ!

 

 おもしろかったです!!!!!

 原作も知らないのに、観てみたくなったのは主演が綾野剛さんだからです。サムネイルの片手で顔の右側を覆った感じが、すごくカッコ良かった。(10月から始まるドラマ『アバランチ』も楽しみにしています!) 

 医学生の伊藤学に成田凌さん。って、映画では研修医だった気がしますが……いろんな作品でいろんな役を観ることができて最高です。とても楽しい。なんだか、伊藤は生き生きしているなって思いました。(次は、何を観ようかな……)

 

 新宿西口の一流ホテルとホームレスが溢れる公園の狭間で車上生活をおくる名越進(綾野剛)。彼には、記憶に欠損があります。大事にしている車は、マツダ キャロル360。フォルムが可愛くて、格好良くて、思わず検索してしまいました。今は、カタチが変わってしまったんですね……残念…(そして、価格がヤバイ。到底、手が出せません)

 

 そんな、世のなかの狭間にいる名越にアルバイトを持ちかける伊藤学(成田凌)。怪しすぎます。乗ったらダメです。お金には困っていないと拒否する名越。主人公が選択を間違えないって大事ですよね。安心して観ていられます。と思ったら、大事な車をレッカーされてしまいます。茫然とする名越。そして、そんなこんなで伊藤に言いくるめられトレパネーションを受けることになります。(大切な居場所を失ってヤケになったって、この解釈であってます???)

 それにしても、70万は安すぎでは?危険なのに。医学生でも研修医でも良いんですが、なんだか観ているこっちがドキドキします。歯と一緒って……違うでしょ、ダメでしょ。ちょっと穴あけるだけって……。骨の手術って言えば、相当な無菌状態でないと感染リスクがやばいでしょ?無理無理無理無理無理!!!!!

 そもそも、産まれたての人間の頭骨に隙間はあるけど、穴はないですよ!身体が成長するのに合わせて、脳が多少は大きくなるから、それに応じて隙間がふさがるというだけで、それは自然なことです。ってか、レントゲンとか使わないの?!感覚なの? 待って!!!!!

 名越!待って!お金に困ってないなら、もう少し考えて? それ、保険適用外ですからね? 自分で率先して、自分の身体を傷つけて、どうするんです? 自暴自棄にも程がありますよ?

 

 あいかわらず、車中で生活する名越。ボンネットには、薬袋に入った現金。そんなこんなで、第六感が目覚めたのでした。トレパネーションを受けた名越には、他人の深層心理が可視化されて見えるようになります。身体が紙のようにうすっぺらい男だったり、ロボットで身を護った少年だったり、砂の女だったり、透明な水のような存在だったり、顔のない人間だったり……

 伊藤との契約は、7日間の実験です。そのあいだに、いろいろな人間と出会い、関わるなかで、相手のトラウマを解消し、解放していきます。そして、自分自身にホムンクルスの転移が起こって、自分の身体の一部がロボットに見えたり、砂に見えたりするようになってしまいます。

 

 そして、少しずつ記憶を取り戻した名越。ホムンクルスで顔がのっぺらぼうに見える女は、妻の奈々子? それとも、別人??? 彼女もまた記憶喪失で……

 

 自身の空洞を埋めた名越には、ホムンクルスが見えなくなります。そして、6日目の朝。伊藤「この世界は脳が生み出すご都合な虚像だってことです」

 

 見えなくなってしまった世界を、もういちど視えるようにするために名越は自分で自身に施術します。もうすでに穴が空いているのに、なにやってるの?!(このあたり原作通りなら仕方ないのですが、実写だとリアリティラインが混乱します。やったことないので想像なのですが、自分にダメージを与える場合、しかも頭だと手もとがブレる可能性しかなくないですか?止めようと思っても、手が言うことをきかなくなったりしませんか?痛みもあるわけで。危険しかなくないです?自殺行為ですか?)(伊藤さんがやってあげて!!!)

 

 そして真実が明らかになります………

 本当の奈々子(伊藤茄那)さんは、事故だったんですね………。そして、流産していたんだね……つらいね……。生きていれば、もっとふたりに時間があれば、なにか彼女のためにできることがあったかもしれないのに……名越も奈々子さんも、チヒロさんも、その夫さんも。なんだか、悲しいですね。

 

 自身のホムンクルスを視てもらいたい伊藤。名越から視える伊藤は、水でできた父親の姿のなかを泳ぐ小さな金魚でした。

 名越「ホムンクルス自体が問題じゃないんだよ」「オレもお前も見てほしいばかりで相手をちゃんと見ようとしなかった。相手を見れば、そこに世界ができる」

 ハグがやさしいです!なんだか、いろんなことを乗り越えた感じの名越さんが、チヒロさんのことも、伊藤さんのこともトラウマから解放できたような……

 

 そして、今度は伊藤くんが自らを施術したのですね。(正気ですか?) しかも見返したら、右目も開かないように縫いつけてる。でも、なんだか楽しそうですね。ホムンクルスが視えるようになったんでしょうか。それなら、それで、なによりです。

 明るい画面で終わっているから、ハッピーエンドってことで大丈夫ですよね。明るい青空。去って行く車の後ろ姿。風に揺れる道端の菜の花たち。

 

 もはやおなじみとなったドリルの音が入って、エンドロールです。画面中央が丸く明るくなるんじゃないかって、期待がありました。(学習させられてる)(暗いままでした)

 

 音楽がやたらとカッコイイです!🦋