ミオの備忘録

猫と音楽とミステリー、映画が好きです☆

映画『くれなずめ』

 公開前から気になっていました。たしか、Youtubeかなにかで映画公開記念のイベントが配信されたんじゃなかったかな……(朝の情報番組かなにかで見かけたにしては、ボリュームがあったような気がするし……Youtubeなのは間違いないはず……ってありました。コチラです!) 

youtu.be

 ホーム画面にオススメが出てきたからか、ツイッターのプロモーションで見かけたからか、そのあたりは忘れてしまいましたが、生配信で見た……ような気がします。(今でも見られるみたいなので、もしかしたら生配信後に見たのかもしれません。半年前の記憶があやふやです……)

作品紹介

『くれなずめ』は2021年5月12日公開の日本映画。新型コロナウイルス感染拡大の状況に伴い、公開の延期が発表されたが、同年5月10日に新たな公開日が5月12日に決定したことが発表された。監督・脚本は松居大悟、主演は成田凌

概要 

松居自身の実体験を基にしたオリジナルの舞台劇の映画化で、友人の結婚式で余興を披露しようと久しぶりに再会した高校時代の旧友同士が、結婚式の披露宴から二次会までの間、自分たちの過去に思いを巡らす様子を描く。

タイトルの『くれなずめ』は、日が暮れそうで暮れない様子を表す“暮れなずむ”を変化させて命令形にした造語で、「前に進もうとも様々な障害が立ちはだかったままで思い通りに進めない」という意味合いとしている。

キャスト 

  • 吉尾和希 演:成田凌 高校時代に清掃委員をしていたが、明石に誘われて演劇の道に進む。
  • 明石哲也 演:若葉竜也 欽一が主宰する劇団に所属する舞台役者。
  • 曽川拓 演:浜野謙太 和希たちの後輩でサラリーマンをしており、唯一の既婚者。
  • 田島大成 演:藤原季節 和希たちの学生時代の後輩で会社員。
  • 水島勇作 演:目次立樹 ネジ工場で働く作業員で6人の中で唯一地元に残った。
  • 藤田欽一 演:高良健吾 劇団を主宰する舞台演出家。
  • 弘美 演:飯豊まりえ ウエディングプランナー
  • 愛 演:内田理央 曽川の妻。
  • 清掃委員の後輩 演:小林喜日 演:都築拓紀四千頭身
  • 松岡 演:城田優 吉尾らの同級生。
  • ミキエ 演:前田敦子 吉尾らの同級生。高校時代は吉尾とともに清掃委員をしていた。
  • 滝藤賢一
  • 近藤芳正
  • 岩松了
  • パパイヤ鈴木

スタッフ 

  • 監督・脚本:松居大悟
  • 主題歌:ウルフルズ「ゾウはネズミ色」(Getting Better / Victor Entertainment)
  • 製作:森田篤、佐々木卓也、太田和宏、村上正樹、宮前泰志
  • プロデューサー:和田大輔
  • 協力プロデューサー:永田芳弘
  • アシスタントプロデューサー:横山一博、狩野修吾
  • 撮影:高木風太
  • 照明:秋山恵二郎

(ウィキペディア「くれなずめ」より抜粋)

感 想 (ネタバレも!)

 ものすごく自然に内容に触れてしまうと思うので、まだ観ていないかた、これから観ようと思っているかたは、また後ほど!

 公開されたばかりのように思っていたのですが、もう家で観られるなんて……こんなご時世だからですか?!ありがとうございます。誰に感謝したら良いのでしょう……(監督です?)

 AmazonPrimeVideoで観られます。すごく気になっていたので、とてもうれしいです。本当は映画館に行きたかった!でも、ありがとうございます。

 

 

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 イベントのインタビューを観ていたからか、ぼんやりと「この中のひとりだけ亡くなっている(設定)」と思いながら観ていました。ちょっとだけ、謎解きというかミステリーを読んでいるような気持ち。でも、ある意味それは裏切られました。

 そういう話じゃなかった!

 感想をひと言でまとめるなら【独特】です。ユニーク、唯一無二、どこにもなかった、そんな感じ。なんとなく、無意識に繰り広げてしまう「多分こんな感じ?」という想像を次々にへし折っていく。ある意味、感性が合わないってことなのかもしれませんが、そこがクセになるというか……なんだか違和感がそのまま印象深く残っているというか、そんな感じです。

 おいしかったかどうか聞かれると、なんとも答えにくいけれど、忘れたころにまた食べたくなるなにか……みたいな。

 

 なんとなく始まってすぐの場面では、ごく最近に亡くなったのかなって思ったんですよね。49日が経っていなくて、みんなに見えているのかなって。でも、そうじゃないらしいっていうのは、割と早い段階で分かって、そうなると高校時代のどこかだったのかなって思いながら観ていて、でもよく分からなくて、みんなが回想するけれど、そこにはいつも彼がいて、幽霊なのか実態なのかが定かでないというか……

 でも、途中で4回忌の場面が出てきて、それなら去年は3回忌だったんだろうなって。そうなると亡くなったのは……って、みんな引き留めすぎじゃないですか?なんで、みんなに見え続けているの?それとも誰かひとりが、それだけの執着というか、なにか強い想いを抱えているの? (お菓子をもらいに来たひとみたいになっちゃって……ってとこ、なんか分かる気がしてしまいました。言っていることとリンクしているわけじゃないけれど、気持ちはすごく分かる気がする。) 

 

 なんだか湿っぽくならずに、終始からりとしているところが良いなって思いました。

 なんだか、最後に彼と会った場面を話しているとき、不穏すぎてドキドキしました。引き留めて、みんなで話して、泊まっていけよ、このまま飲みに行こうぜってなるけど新幹線の時間があるからって彼は帰って、間に合わなかったら電話するってなって……電話はかかってきたけど誰も気づかなくて、そんな彼は夜行バスで帰ることになる。

 ……………なんのフラグですか?!すごくゾワゾワしました……

 でも、違った。てっきり、電話に出なかったから、引き留めなかったからっていうみんなの後悔かと思った……ある意味、それは間違ってはいなかったみたいですけど。

 

 たしかに夜行バスで帰ってしまったそれは最後に会ったときだけど、それから半年後くらいに心臓の病気であっけなく逝ってしまったとのこと。

 

 舞台劇の映画化だからなのか、たまに気持ちが迷子になることがあって、浮かんだ涙もひっこむというか……でも意味が分からなさすぎて、かえって印象深くなっているというか、そんな感じがしました。

 二次会までの時間を持てあまして、引き出物の紙袋を片手にぶらぶら歩くひとたち。彼との過去に想いを巡らす途中で、彼の分の引き出物をずっと持っていることに気づいて、そのへんの地面に埋めようと、みんなで穴を掘り出します。結婚式に出たままのフォーマルで?! それを、通りかかった男性が見咎めます。「そこ、うちの畑でなにやってるの?」「穴、戻しておいて!」ド正論!でも、顔が彼ですけど……すごくよく似てるひとなのかな。遠い親戚……なのかな?

 と思ったら、なんだか高校時代に披露したという演劇の再演なのかと思わせるような謎のフェニックス化。バッサバッサ。厳かな言葉を吐くフェニックス。バッサバッサ。(なんだか回想シーンと台詞が違っている気がしますが……) と思ったら、みんなの心臓が飛び出て、わぁーってなって、気づけば天国らしき花畑にいて、「いやいや記憶を美化しすぎでしょ」「いいように書き換えればいいんだよ」(だったかな?)そんな感じのことを彼に言われる。みんなで、あのときのダンスを踊って、そのあとは最後に会った場面を再現して、みんなで新しい記憶を作り上げます。といっても、引き留めるわけでもなく、今度は電話に出るという改変でもなく、ただ別れ際に「またな」っていうだけ……それだけ。過程が、ものすごくぶっ飛んでいるのに、すごく気持ちが乗ってしまうから不思議です。みんなが、その先を知っているから、実際の過去の無邪気な感じがなくて、うっすら涙ぐんでいるというか、悲しみに流されないようにしている感じがするとか……あぁ、でも良かったなって思いました。

 そのあとは、彼は出てこなかったし。というか、みんなに見えなくなったし……。「暮れなずんでるなぁ」「あぁ」

 ……………ですね……

 

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 って、このあたりで切り上げておけば丁度いいのでしょうけど、蛇足と分かりつつ……あともう少しだけ。

 結婚式の披露宴で余興として踊って、ものすごく引かれたっていう場面自体は描かれていなくて、観ていて居たたまれない気持ちになることがないところも良いなぁって思いました。(分かりにくい。でも、ならないって言うのとはちょっと違う)

 それから、完全にわたしの読解力の問題だと思うので、覚え書きとしてですが……終盤にみんなで赤フン1枚で踊っているのは書き換えられた過去って認識であってますか……。だって、披露宴では田島が日和ってフンドシにならなかったって言ってたはずだし。かといって、二次会……ではないですよね?(会場に向かっているところのはず) また観ることがあったら、確認します!✒️