Netflixの「まもなく配信」予定に入っているのを見かけて、とても気になっていました。思わず「リマインドする」を押してしまったくらいです。(配信したら、通知してくれるってことかなって)(サムネイルの新垣結衣さんが可愛い!)
しばらく楽しみに待っていて、実は少し前に配信されていたのですが、いつでも観られるって思うと今度は別の作品が気になってしまって………相変わらずのアマノジャクです……
そんなこんなで、ようやく観ることができました!
作品紹介
『ささら さや』は、加納朋子のファンタジーミステリー小説。ささらシリーズ第1弾。2001年10月10日に幻冬舎より出版された。2004年4月6日には文庫化された。
あらすじ
交通事故で夫を失ったサヤは、赤ん坊の息子・ユウスケと共に佐々良という街へ引っ越す。そこでは不思議な事件が次々に起こるが、その度に亡き夫が他人に乗り移って助けてくれるのだ。そんな中で、サヤは母親として少しずつたくましく成長していく。
登場人物
- サヤ 本作の主人公。夫・俊彦の死後、息子と共に佐々良に引っ越してきた。お人好しだが、気弱で人を疑うことが出来ない。
- 俊彦 サヤの夫。交通事故で死亡するが、サヤを心配するあまり、他人の姿を借りてサヤを助けてくれる。映画版では、ユウタロウという名前に変更されている。
- ユウスケ サヤと俊彦の息子。赤ん坊。通称:ユウ坊。
映画
2014年11月8日公開された日本映画。配給はワーナー・ブラザース映画。主演は新垣結衣。
キャスト
- サヤ - 新垣結衣
- ユウタロウ(映画での職業は売れない落語家に) - 大泉洋(幼少期 - 須田琉雅)※昔父親に書いた文の中では「優太郎」という字が使われる。
- ユウスケ - 森蓮太郎、加藤楷翔
- 佐野(ささら駅のハジけた駅員) - 中村蒼
- エリカ - 福島リラ
- 義男(ささらを出ていった男) - つるの剛士
- ダイヤ - 寺田心
- 久代 - 波乃久里子
- 珠子 - 藤田弓子
- 師匠(ユウタロウの師匠) - 小松政夫
- ユウタロウの父 - 石橋凌
- お夏 - 富司純子
スタッフ
- 監督 - 深川栄洋
- 脚本 - 山室有紀子、深川栄洋
- 主題歌 - コブクロ「Twilight」(ワーナーミュージック・ジャパン)
- 音楽 - 平井真美子
- 製作 - 中山良夫、由里敬三、本間憲、福田太一、藪下維也、柏木登、小玉圭太、松田陽三、宇田川寧、宮本直人
- ゼネラルプロデューサー - 奥田誠治
- エグゼクティブプロデューサー - 門屋大輔
- 企画・プロデューサー - 石田雄治、藤村直人
- プロデューサー - 有重陽一、柴原祐一、星野惠
- 撮影 - 安田光
- 照明 - 長田達也
- 録音 - 林大輔
- 美術 - 黒瀧きみえ
- 装飾 - 山田好男
- 編集 - 阿部亙英
- 衣裳 - 浜井貴子
- ヘアメイク - 竹下フミ
- スクリプター - 北濱優佳
- 音響効果 - 齋藤昌利
- 助監督 - 菅原丈雄
- 制作担当 - 田島啓次
- ラインプロデューサー - 的場明日香
- 落語監修・指導 - 古今亭菊志ん
(ウィキペディア「ささら さや」より抜粋)
感 想 (ネタバレも!)
原作は、加納朋子さんのファンタジーミステリー小説「ささら さや」とのこと。そちらも、読んでみたいと思いました。
最近は、なかなか読書がはかどらないのですが(これまで読書やピアノに使っていた時間のほとんどを映画に全振りしてます)(……全振りって言わないかな…)、コロナ禍以前さらにはブログを再開する前は、読書ノートをつけていました。きっかけは、本屋さんで可愛い「読書記録ノート」を見つけたから。ネコがついていて、いろんな種類があって、すっかりこころを掴まれました。色違いでイラスト違いのバリエーションって、逃れられない罠……ですよね。すごく迷ったと思うのですが、結果的には1冊ずつ3種類を買ってしまいました。そんなに本を読んでいなかった時期だったので、正直 自分でもバカなのかなって思いました。全部、使うのに何年かかるの?って。しかも、タイトルや著者名、出版社名を記入する部分と罫線で構成されていて、ほかに使い途がないですよ!そこで、こころの赴くまま、それまで気になっていて書影をスクショしたり、そのへんにメモで残していたりした作品を片っ端から読んでいくことにしました。
そのときに読んだのが「ななつのこ」「魔法飛行」「スペース」のシリーズ(おもしろかった!好きです!)と「コッペリア」(大好き!)など。「ささら さや」には、たどり着いていなかったんですね。ここで出会えたのもなにかの縁なので、積ん読を解消しつつ、読書ノートも再開しようと思います。
って、前置きが長くなりすぎました。ついつい話が長くなるのが、わたしの悪いクセ!(そういえば『相棒20』始まりましたね。父が楽しみに観てます。)(ダメですね。際限なく脱線していく……)
映画、とても良かったです。(そして、唐突な結論)
今から7年前の作品。原作がそうなのか、とても優しく、あたたかい作品だなって思いました。悲しいけれど、それだけじゃない。観終わって、やさしい気持ちに満たされるようです。
始まりから、ユウタロウさんは幽霊で、すでにお亡くなりになっています。(幽霊っていうか、亡くなったひとがすぐそばにいる感覚って……先に観た映画『くれなずめ』もそんな感じではありました)(なんとなく似ている色というか雰囲気というか、そういう作品から作品へ流されているような気がします)
生前は落語家だったユウタロウ(大泉洋)さん、その語りから始まります。全体的に雰囲気が湿っぽくならないのは、そのせいでしょうか……悲愴感がありません。交通事故なのに。「まぁ余所見してたオレも悪かった」って……そうなの?
のこされた妻と乳飲み子が心配で、成仏できず、近くで見守るユウタロウ。自分の姿をみることができるひとに取り憑くことができると気づきます(のちに、それは1人につき1回だけと判明します)(取り憑かれに対する免疫がつくとか、つかないとか)。
葬式に不仲だった親父がやって来たため、子ども(ユウタロウの父にとっては孫)を取りあげられないようにと、師匠の身体を借りて語りかけ、妻と子を遠い場所へ行かせます。そうして、妻・サヤ(新垣結衣)がたどり着いた街が「ささら」です。
そこで、いろんなひとに出会い、支えられ、ユウスケは少しずつ大きくなって、サヤも母親として成長していきます。たまにユウタロウが誰かの身体を借りてあらわれます。出会いのなかで、お互いに影響しあう。人生が共鳴する。そんな感じがします。
ユウタロウさんも、サヤさんとユウスケはもう大丈夫だろうと安心することができ、取り憑けるひとが見つからなくなったこともあって、そろそろ行くべき場所へ向かおうと決心します。そんな折、孫を引き取ろうとやって来た親父と少しの間だけ一緒に過ごし、そのおかげで親父に対するわだかまりが解けます。もしかしたら、サヤさんやユウスケのためというよりも、自分のための猶予期間だったんじゃないか……と気づきます。
ユウタロウさんが、とにかくおもしろいです。落語家だけど、師匠に言われてしまうくらいおもしろくない(という設定)(もしかしてヘタなのですか……?)。わたしがこれまでに観たことのある高座の雰囲気と違っていて、なんだか落語家って感じがしません。でも、その落語家っていう設定が至るところで活きている気がしました。彼岸と此岸の境が淡いというか……。たしかに人気は、そんなにないかもしれない。それでも一生懸命で、そこが応援したくなるというか、目が離せなくなるというか、サヤさんもそういうところが好きだったんじゃないかな……
それから、ユウスケには最初からユウタロウの姿が見えていたってところが良いなぁって思いました。なんというか、伏線回収って感じがしました。たまに、ユウスケの視線が遠くにいっていて、それはきっとユウタロウさんがそこにいたからですね!(ウチの母が一緒に観ていたら、きっと「こっち側にお母さんがいるよね」って言ってたと思います。名探偵なので。)
そして、舞台となる街・ささらが遠くから見たときにミニチュアっぽくみえるところが、なんだか気になりました。箱庭って感じがするというか。なんとなく、作りものとかファンタジー感があるというか……(ピントの合わせかた?!)
エンドロールのあとは、ユウタロウさんの挨拶で締めです。なんだか最初から最後まで寄席みたいだなって思いました。🦋