なんとなく気になっていたので、観てみました。
成田凌さんが好きです。少し前には、映画『人間失格 太宰治と3人の女たち』『さよならくちびる』『窮鼠はチーズの夢を見る』『ホムンクルス』『くれなずめ』を観ました。そういえば、逃げ恥の梅原ナツキくんだったな……と思いながら、ウィキペディアの出演作品を眺めていたら、ドラマ『ランチのアッコちゃん』では古書店「ハティフナット」の店主・笹山さん?! え?すっごく好きだった……けど、ぜんぜん気づいてなかったです。そっか……笹山さん…(←それは役柄) 他にも気になる出演作品があるので、少しずつ観ていきたいです。『カツベン!』とか『弥生、三月』とか……他にも、いろいろ!
作品紹介
『まともじゃないのは君も一緒』(まともじゃないのはきみもいっしょ)は、2021年3月19日公開の日本映画。監督は前田弘二、主演は成田凌と清原果耶。
概 要
数学一筋でコミュニケーションが不得意な予備校講師と、「恋愛はしたことはないが、恋愛雑学だけは豊富な」女子予備校生のやり取りを通じ、コミュニケーションのすれ違いや距離感のズレ、「普通」とは何かを描く。高田によるオリジナル作品で予備校講師と女子予備校生に纏わる物語を描いてはいるが、主演の成田は「この映画のジャンルは分からない。恋愛映画でもなければコメディ映画でもないし、学園ものでもない。観る方の判断に委ねようと思います」とコメントしている。
あらすじ
予備校の数学講師の大野康臣は、結婚願望はあるものの独身で恋人もいない。女の子とデートしてもうまくコミュニケーションをとれない康臣は、日頃から自身を「普通じゃない」と語る教え子・秋本香住に、どうしたら普通になれるか教えてほしいと懇願する。
登場人物
- 大野康臣 演 - 成田凌 予備校講師。
- 秋本香住 演 - 清原果耶 大野康臣の教え子。
- 君島彩夏 演 - 山谷花純 秋本香住の同級生。
- 柳雄介 演 - 倉悠貴 君島彩夏の恋人。
- 戸川美奈子 演 - 泉里香 宮本功の婚約者。
- 宮本功 演 - 小泉孝太郎 実業家。
スタッフ
- 監督:前田弘二
- 脚本:高田亮
- 音楽:関口シンゴ
- 主題歌:THE CHARM PARK「君と僕のうた」
- エグゼクティブプロデューサー:西山剛史、金井隆治
- プロデューサー:小池賢太郎、根岸洋之
- 共同プロデューサー:樋口優香、丸山文成、古草昌実
- ラインプロデューサー:佐藤幹也
- 撮影:池内義浩
- 照明:岡田佳樹
(ウィキペディア「まともじゃないのは君も一緒」より抜粋)
感 想 (ネタバレも!)
Netflixにあります。なんとなく「あらすじ」が気になって、成田凌さんが出演しているのも気になって、プレビューも思わせぶりなところで切れてしまうので続きが気になりました。ちょうど主演のふたりが、兄妹設定で買いものをしている場面で、打ち合わせした台詞を繰り返すだけの大野(成田凌)さんが、かなり“普通じゃない”感じでした。ディスプレイされたお皿を見ながら「良くもなく、悪くもなく」「よく分からないブツブツがついていて」「僕は何をいれよう……?」などとコメントして、「(贈りものを探している設定だから)お兄ちゃんが使うわけじゃないじゃない」などと妹役の香住(清原果耶)ちゃんにツッコミというか、フォローされていました。ね?観たくなるでしょう?
途中からどんどん観やすくなって、なんだか良いなぁって思いました。知れば知るほど、大野先生のことが好きになる。
最初のうちは、共感性羞恥とは少し違うかもしれないけれど、なんというかゾワゾワ、ザワザワします。コミュニケーションがうまくとれないというか、会話のキャッチボールがうまくいかないというか、お互いに暴投気味で、どうなるんだって感じというか……。なので、途中で一時停止と休憩をはさみながら、なんとか完走しました。最後まで観てから、もういちど観るなら、今度は通しで観ることができそうです。(嘘とか駆け引きとか計算とか……そういうのは、ちょっと苦手かもしれません) 未成年は無条件で守られるべきだと思っているので、大人がちゃんとしているっていうのも大事だと思います。
普通じゃない予備校講師・大野康臣(成田凌)先生が、とても良かったです。コミュニケーションに難がある感じ。でも、ある意味とても誠実です。いい加減に流したりしない。相手の言葉を繰り返すことが多いから、秋本香住(清原果耶)ちゃんにイライラされたりしますが、でも傾聴する姿勢としてはアリなんじゃないかな………(テクニックのひとつでもありますし)
自分でも普通と違っているという自覚があって、“普通”に近づくために、まずは恋愛をしようと秋本香住(清原果耶)ちゃんの指導のもと、香住ちゃんの憧れのひとである宮本(小泉孝太郎)の婚約者・戸川美奈子(泉里香)に近づこうとします。
職業を偽って、仕事相手と勘違いさせるのは、普通というより詐欺師のようで大丈夫かなって心配しましたが、戸川さんと話しているときは会話が弾んで、言葉のキャッチボールができていて、もしかしたら、そういうのが“普通”ってことかもしれないなって思いました。知らないからこそ、知りたくなる。自分のことを知ってもらいたくなる。相手への興味と尊敬と、好意と。“普通”っていうより、“ひとを好きになること、とは? ”って投げかけられているみたいです。
秋本香住(清原果耶)ちゃんも、とても可愛いです。最初は、自分の恋愛成就のために大野(成田凌)センセイを利用しよう……みたいな打算があったかもしれませんが、次第にセンセイを好きになってしまって、そんな自分の気持ちに気づいて、もだもだしてしまうところとか。良いなぁって。
普通って、なんでしょう? 普通って、なにかを諦めるための理由にはなりませんよね? そもそも“普通”なんてものは、どこにもありませんし。ただの幻想ですよ。みんなが、そういうことにしておこうってぼんやり認めているだけの、ぼんやりしたもののことです。だから、自分のものさしと違っていたからと言って、それが“普通じゃない”ということには、ならないのでは?
とはいえ、世のなかのひとが“普通”に持っている、そのものさしに出来るだけ合わせていきたいと思うのも、ひとのこころというものかもしれません。
くっつき過ぎず、かといって離れすぎず、まずは友だちからって、良い終わりかただなって思いました。それも嘘って言っているし。どこから? どこまで? なんだかんだで、お似合いなのかもしれません。香住ちゃんが言うように、少しずつ関係を育てていけたら良いなぁって思いました。そういうのが、理想ですね。