Netflixで11月30日まで!
今から3年くらい前の作品です。放送されていた当時は、リアルタイムでは観ていませんでした。ちょうど実写映画化もされた『海月姫』がドラマ化もされて、なんだか“女装”した男性の需要が高まっているのかなって感じで……そういうの、おなかいっぱいだったんです。(とはいえ、服装とメイク次第で、ある程度はどうにでもなるので、誰でも好きな格好をすれば良いと思います。理想だったり、憧れだったりする姿に近づく手段が女装なら、それはそれで素敵です!)
作品紹介
『女子的生活』(じょしてきせいかつ)は、坂木司による日本のライト文芸連作短編小説。自称トランスジェンダーの「みき」こと小川幹生と後藤との共同生活を描く。
NHK総合「ドラマ10」枠にて志尊淳の主演により連続テレビドラマ化され、2018年1月に放送。
あらすじ
見た目は美しい女性だが、実は男性で、女性が恋愛対象というトランスジェンダーの小川みき(本名:小川幹生)はファストファッション会社で働くOL。同僚のかおりや仲村と共に、忙しいながらも充実した「女子的生活」を満喫していた。ある日、同級生だった後藤が訪ねて来る。みきの姿を見て驚く後藤だったが「お金がなく頼る人間がいないので助けて欲しい」と言い、みきは「合コン」セッティングを条件に、渋々承諾することに。合コン当日、みきの前に、ゆいという自然派気取りの女が現れる。みきとゆいは、「女」同士のバトルを繰り広げることになるのだが…。(公式サイトより)
テレビドラマ
NHK総合「ドラマ10」枠にてNHK大阪放送局の制作によりテレビドラマ化され、2018年1月5日から1月26日まで放送された。全4回。主演は志尊淳で、本作がNHKドラマ初主演となる。トランスジェンダーでモデル、執筆などの活動を行う西原さつきがトランスジェンダー指導として所作や発声の指導を担当する。
NHK総合にて2018年3月12日(11日深夜)と13日(12日深夜)の2夜にわたって再放送された。
キャスト
主要人物
- 小川みき(幹生) - 志尊淳
- 後藤忠臣 - 町田啓太
- かおり - 玉井詩織(ももいろクローバーZ)
- 仲村 - 玄理
- ゆい - 小芝風花
- 板倉 - 羽場裕一
- 水族館の職員 - 鈴木慶一
- コロッケ屋主人の妻 - 楠見薫
- コロッケ屋主人 - 松健悦
ゲスト
第2話
第3話
第4話
スタッフ
原作との違い
舞台は東京から神戸、小川は本名の「幹生」ではなく愛称の「みき」表記、後藤に下の名がある、女性との接触は、男としての異性愛寄りであったものが、身体は男、性認識は女のレズビアンという解釈であるなど、原作小説と異なる点が存在する。
感 想 (ネタバレも?)
わたしは、どちらかと言えば、ゴリゴリのマッチョだったり、組織犯罪対策第4課って感じの見た目に憧れがあるので、女装したいっていう男のひとの気持ちには、あんまり寄り添えないかもしれないです。なんで、そんなに生きにくい格好をしたがるのかな? たとえば、歩道を歩いていて、前からスマホを見ながら歩いてくるひとがいて、こちらが避けるじゃないですか? それ……わたしが見た目いかつくて、反社会的勢力っぽいひとだったら、同じことしますか?っていう。避けるよね?むしろ。スマホ見てる場合じゃないですよね?っていう。
見ていないようでも、第六感とかアンテナってあるでしょう。そういう意味では、ぶつかっても問題ない……と判断したってことですか?………はぁん?おろしたての靴でガムでも踏んでて!(呪)
話がそれました。
珍しく原作を読んでいたので、これもまた読書ノートから記録を探してみようと思います。
なんとなく、原作では勝手に押しかけてくる後藤がアホでデリカシーがなくて、空気が読めなくて、自分勝手で、超絶バカなので好きじゃなかったのですが、(たまにイイヤツかも?ってエピソードがあっても、自ら台無しにしていくタイプ)、ドラマで町田啓太さんが演じた後藤は、アホだけど悪意はなくて憎めない、わりとまっとうで一般常識をそなえている感じでした。ちゃんとオトナ。観る前は不安しかなかったですが、良かったです。
✒️「前にドラマ化してたみたい。観てなかったから、薄目で観てみたい気がする。最初のうち、後藤にイライラしたけど、割と筋を通すし、ごめんなさいできるし、顔がいいし、学習するし、顔がいいし…高スペックでは???」
おや……? 記憶と違って、後藤が好印象でした。っていうか、顔が良かったんですね。ということは、原作通りでは?!
毎回、話が始まる前にファッション雑誌とかの1ページが映り込んで、そこに描かれたメッセージが読み上げられます。その話のテーマというか、要になるひとことって感じで良いなぁって思いました。
#1
闘う人が好き。
たとえ力が弱くても、心が弱くても、
懸命に前を向こうとする人は、強くて美しい。
ミシェル・ロワンナ
#2
「踊ることに理由なんてない
生きることに理由がないように」
ダンサー ジャンクション・イェン
「好きに理由はいらないよね」「好きは私を強くする」
#3
あなたをより深く知ることは
あなたとの心地よい距離を生み出す
ファッションモデル∶アナベル・ラヴェッジ
寒いときに、シナモンいっぱい入れたラテ。たしかに良いなぁ。身体が冷えたときのあたたかい飲みものって正義です!
仕事の打ち合わせで故郷に行って、電車の運休で立ち往生していたら、そこで折悪しく父と遭遇……さらには兄とも鉢合わせてしまうという……
家族の理解が得られないだろうと、ずっと帰っていなかったのに、こんな形で出会ってしまうとは!こころの準備が出来ていないのに!なんてこと!
とはいえ、自分の想いをぶつけて、なんとなくお互いが歩み寄れた感じになったのには、少し安心しました。なにより、兄がどう思うかはともかくとして、父に受け容れられたっていうのは大きいんじゃないかな。良かったね、みきさん。
そんな、弟の存在を認めていないはずのお兄さんから、後日カニが届きます。素直に、良いお兄ちゃん!って思ったわたしは相変わらずのチョロにゃんですよ。
みき「わかってないねえ。イヤミなの、絶対」
え?宣戦布告だったの?たしかにデコった爪でカニを食べるのは厳しいかも………兄弟って、距離が近いぶん難しいですね。でも、そんなみきさんはカニ炊きにして、後藤にカニを割ってもらって、おいしくいただきました。なるほど!正しい!
みき (理解できない わかり合えないと嘆くより 笑い合えるところだけ 一緒に笑いましょうよ マイ・ブラザー)
#4
キミは変われる
未来の可能性を信じよう!!
松坂修二
後藤の目覚ましは、B'zのultra soul!朝から元気だな!
今回も、いろいろあって、いろいろあります。
原作とは、わりと雰囲気が異なる部分もあるのかなって思いましたが、ドラマはドラマで良かったです。「わたしが、わたしらしく生きるためには」ってところは、老若男女問わずに共通するテーマだと思うので、誰にでも共感できるポイントがあるのではないでしょうか……
志尊淳さん演じるみきさんが、女性として違和感のない見た目というのも、観やすさのポイントだと思います。どれだけ頑張っても、ガタイが良すぎたり、筋肉質だったり、どうしても女性になりきれない俳優さんだったら、同じ脚本でも悲愴感とかやりきれなさみたいなものが漂ってしまう気がしました。
そんなこんなで、興味のあるかたは観てみてね!
最後に、原作で印象深くて、書き留めておいた部分を残しておきますね。
常識や道徳を蹴り飛ばして、楽しむことに没頭する才能。私は、それこそが女子力ってものなんじゃないかと思ってる。
「別に食の趣味が同じじゃなくたっていいんです。納豆食べられなくてもいいし、なんなら麺類主食だっていい。要するに、ディスるかディスらないかの問題で」
坂木 司『女子的生活』新潮社 2016.8.20.