Netflixで公開されたので観てみました。
2020年2月って、昨年と思いきや(たしかに数字の上では前年なんですが)、感覚としては2年近く前になりますね。
なんだか珍しく原作を先に読んでいる映画が続いています。可愛いノートを手に入れてしまったというきっかけから始めた「読書記録」これまで読んだ本を把握するためだけに使っていて(前に途中まで読んで「あーコレ読んでたわ」ってなったことがあって、それ以来 自分の記憶力をあんまり信じてない節があります)、タイトル以外を読み返すことがあまりなかったのですが、過去の自分からの手紙みたいで とても楽しいです。
最近は、映画の感想をブログに書いたりするくらいで、手書きで本の感想を残すことが疎かになっていたので(前に書いたのを見返すと、ここしばらくの雑さが分かる)(かろうじて読める文字って……ちょっとどんだけ?)、もう少し丁寧に書こうって思いました。雑なのも、それはそれなりに味わいがある…といえば、そうなんですが、余裕のなさが表れているようで なんかイヤ。いつか読み返すときの自分に対して、格好をつけていたいです。
ミステリーなら「犯人を書かない」「ネタバレしない」ことにしていて、他の作品でも再読を妨げない範囲で、そのときに想ったことを忌憚なく書くことを心がけているつもりです。(でも、そのせいでたまに内容についてほとんど分からない暗号みたいなことになってる……)(もう少し工夫したいところです💦)
作品紹介
『静かな雨』(しずかなあめ)は、日本の小説家宮下奈都による小説である。第98回文學界新人賞佳作入選作。
あらすじ
足に先天的な麻痺があり、いつも松葉杖を使っている行助。ある年のクリスマスの日、会社が倒産したことを知らされる。行助は家に帰る途中、プレハブ建ての店で買ったたい焼きの美味しさに感激し、働いている女の子こよみに「美味しい」と伝える。やがて二人はときどき一緒にごはんを食べる仲に。ある日の朝、こよみは交通事故に遭う。3ヶ月ほど眠り続けたこよみは、新しい記憶を短期間しか留められない高次脳機能障害と診断される。
映 画
上映時間 99分
『静かな雨』(しずかなあめ、It Stopped Raining)は、中川龍太郎監督、仲野太賀、衛藤美彩のダブル主演で2020年2月7日に公開された日本映画。乃木坂46の元メンバーである衛藤美彩にとって映画初出演にして初主演作品である。
『おおかみこどもの雨と雪』などで知られる高木正勝が音楽を手掛けた。
キャスト
- 行助 - 仲野太賀
- こよみ - 衛藤美彩
- 斉藤真理 - 三浦透子
- 男子高校生 木村 - 坂東龍汰
- 医者 - 古舘寛治
- パチンコ屋店長 - 川瀬陽太
- こよみの母 - 河瀨直美
- 牧原貴志 - 萩原聖人
- 酔っぱらいの親父- 村上淳
- 教授 - でんでん
- 高校生 - 黒住尚生、東龍之介
スタッフ
- 原作 - 宮下奈都『静かな雨』(文藝春秋刊)
- 監督 - 中川龍太郎
- 脚本 - 梅原英司、中川龍太郎
- 音楽 - 高木正勝
- 撮影 - 塩谷大樹
- 照明 - 西尾慶太
- 録音 - 伊豆田廉明
- 音響効果 - 柴崎憲治
- 美術 - 安藤秀敏、菊地実幸
(ウィキペディア「静かな雨(小説)」より抜粋)
感 想 (ネタバレ?!)
映画では、行助さんは路頭に迷ったりしていません。大学かどこかの研究室で、ひたむきに仕事をしています。原作は、どうだったかな……?
✒️「静かで、落ち着いていて、穏やかな話だった。好き。おいしいタイ焼きが食べたくなる。リスのリスボン、黄砂、自分を形づくる、様々なものたち、」
「世界は広い。だけど、あたしの世界はあたしの身の丈にあったぶんしかない。そう思うと、焦るでしょ?いろんなことを知りたい、知らなきゃいけない、って気分になるでしょ?」
宮下 奈都『静かな雨』文藝春秋 2016.12.10.
たい焼きが気になったみたいで、ネコとたい焼きの絵を描いています。たしかに、キーワードですね。映画を観ていても、食べたくなりました。冷めてもおいしそうだけど、焼きたてのあっつあつが良いな。手軽に淹れたコーヒー、フライパンで焼いたベーコンとたまごを乗っけたパン、焼きいも……おいしそうなものが、たくさん出てきます。
原作も好きですが、映画も好きです。
途中、ピアノが静かじゃないですよ?って思いましたが、すごく雨の感じがしました。控えめに雰囲気を盛り上げるというより、前に出てくる感じ。映画音楽も主役だよ!みたいな。(我が家のテレビの問題かもしれません。そろそろ買い替え時かな。)
リスのリスボンの話が、すごく好きでした。リスボンが死んだあと、部屋中のあちこちからクルミが見つかって、見つかるたびに悲しかった……って。
こよみさんは、新しい記憶を留めておくことができなくて、行助さんとの時間が積み重なっていかない。行助さんには残っていく、ふたりの想い出を共有することができない。そこが、お互いに悲しいところだなって思います。こよみさんが日記をつけていたとしても、そこは大して変わらないのかなって。キッチンのいろんなところから見つかるメモ書きも悲しかったです。「行助さんはブロッコリー嫌い」「行助さん ブロッコリーだめ」「行助さん 焼きいも好き」
行助「大丈夫だよ」こよみ「大丈夫だよ」(好きな場面です)
事件が起こるわけではないけれど、淡々と、ひととひとのつながりが描かれていて、良いなって思います。
行助さんの名前の由来になった小説というのが分からなかったのですが、「小説 行助」で検索したら、あっさり見つかりました。立原正秋さんの『冬の旅』読んでみたいなって思います。🦋