ミオの備忘録

猫と音楽とミステリー、映画が好きです☆

映画『片桐はいり4倍速』

 AmazonPrimeVideoで見かけて、気になっていました。分類としては、映画の扱いになっているみたいですが、短い作品が4つまとまって50分弱くらい。思い立ったら、すぐに観ることができます。夜勤明けのぼんやりした頭でも楽しめました。

 どういった話なのかを“ひと言”で表すなら、シュールです。

 ウィキペディアが見あたらなかったので、公式サイトの紹介記事を引用しておきますね。

作品紹介

作品概要

日本の芸能界において、異彩を放つ女優の一人「片桐はいり」。その個性的なキャラクターと演技は数々のクリエーターを魅了し、舞台・映画のみならず出版業界からも引っ張りだこ。

片桐はいり4倍速」は、そんな彼女の新しい魅力に迫るべく、各界のトップクリエーターが集結し、自由な発想で「片桐はいり」を調理したオムニバスショートドラマです。参加クリエーターは松尾スズキ板尾創路、CMプランナー赤松隆一郎、辛酸なめ子と豪華な顔ぶれ!

彼らは「片桐はいり」をどう味つけするのか?想像もつかない世界をお楽しみください。

(STARDUST・PICTURES > DVD/Blu-ray > 2009年)

感 想 (ネタバレも!)

 とりあえず、観たことがなくて、興味のあるかたは観ましょう!言葉で説明するよりも手っ取り早いと思います。

 そんなに興味をひかれない……というかたには、わたしのオススメポイントをお伝えしたいです。もう少し先までお進みください。.......🐥💦

 今から12年くらい前の作品。干支が一周しています?!

「受験生」 企画・原案 板尾創路

 もしかして、出演されている受験生役が太賀さん……?『静かな雨』の行助さん?『あの頃。』のコズミン?!2022年公開予定の『ある男』も楽しみにしています。って、話がそれました。

 高校受験を1週間後に控えた受験生の僕と、ひたすらすれ違い続ける片桐はいりさん……って感じの話です。なにが起こるんだろう?ってドキドキしながら観ていましたが、僕は片桐さんを認識していて、片桐さんのほうは認識していない(……のかな?)って感じで淡々と進んでいきます。僕が見かける片桐さんは、行列に並んでいたり、家電屋さんで目覚まし時計について店員さんから説明を聞いていたり、タクシーから降りるところだったり………

 そんな僕は、晴れて高校受験に合格します。良かったね!

「スピリチュアル マイ ライフ」 監督・脚本 辛酸なめ子

 「わたしの顔には説得力がある」

 子どもの頃から、もっともらしい顔つきで霊について語ると、周りの子どもたちが信じている様子だったことから上のような自信を持つに至った片桐はいりさん。

 思いつきでスピリチュアルカウンセラーをはじめて、成功をおさめます。最初のうちは、スピリチュアル系の雑誌を読んだりと勉強して、それっぽくカウンセリングするのを心がけていましたが、やがては独自の方法でカウンセリングするようになり、それがまた的中していると評判を呼び、ガッポリ稼ぎます。

 そんななか、依頼人が連れてきた男性の見た目に惹かれ、除霊を口実にデートを重ね、あれだけあった貯金が底をつくくらい貢ぎに貢ぎます。そして、お金の切れ目が縁の切れ目。次のデートを約束しようとしますが、あえなく振られてしまいます。

 絶望する片桐さん……世を儚んで……………

 ところどころに辛酸なめ子さんのイラストが挿入されて、コミカルな仕上がりになっています。終わりかたも、起こっている出来事とは裏腹に、こころなしか軽やか。

「ピーコちゃん」 企画・脚本 赤松隆一郎

 イチ推しです!観て!

 短い時間に詰め込められた情報量が多すぎて、ジェットコースター感がすごいです。観終わったとき、お茶の間のみなさんと同じような顔になってた……と思います。

 まずは、倒れている片桐はいりさん。印象的な赤い服を着ています。綺麗な靴、綺麗なバッグ、胸元には首飾り。どこかへ出かけた帰りか、出かけようとしているところに見えます。ジョギング途中に、そんな倒れた片桐さんに遭遇した女性。まずは近寄って、声をかけて、反応がないので救急車を要請します。倒れたひとを見かけたときの正しい反応って感じです。(もし脈がないのであれば、救急要請したあとで胸骨圧迫を始めるとさらに良かったかもです。)

 救急車を待っているあいだ、不安にかられて彼氏(なのかな?)に電話をかける女性。何度も片桐さんに目をやって、やがて片桐さんの指がある方向を指していることに気づきます。そこにあるのは、謎の遊具………はたして片桐さんに何が起きたのか?!タイトルのピーコちゃんとは?!

「部長」 監督・脚本 松尾スズキ

 これは、原作があります。天久聖一さん・タナカカツキさんによる漫画作品『バカドリル』の「部長」。原作を読んでいないので、これが原作通りなのか、何らかのアレンジが加えられているのかは、さっぱり分かりませんが……シュール……

 実写化すると、シュールさが際立ちます。

 っていうか、この息子の友人というのは、一体なんなの?話しかけておきながら、返事をすると、まったく取り合わないというか、ガン無視というか……ちょっとなんなの!?って、その通りですよ。(肝心の息子は姿を見せないし。本当に息子の友だちなの?) そして、いろいろ溜まりに溜まったものが………爆発!

 からの、エンドロールでは普通に主婦としてネギを刻んでいる片桐さんの姿が描かれていて、穏やかな日常が戻ってきたんだなって感じです。よく分からないですけど。

 

 そんなこんなで、オススメは「ピーコちゃん」です!

 ミステリーなのかと思いきや、突然のホラー展開、からの急転直下! 心配→不安→興味本位→恐怖→安堵・脱力って感じです。

 興味を持たれたら、是非ご覧ください!👓✨