ミオの備忘録

猫と音楽とミステリー、映画が好きです☆

Netflix『ベイカー街探偵団』

 こんばんは。お疲れさまです。

 少しずつ消化していたドラマをようやく観終えました。ちょっと相性が良くなかったかもしれません………

 参考までに「作品の評価が最高と最低とで二分されている」「シーズン2は予定されていたが実現せず」らしいです。感想自体がネタバレとも言えるので(観終わったあとあじだったり、印象だったり)、気になっているかたは先に作品をご覧ください。

作品紹介

ヴィクトリア朝時代のロンドンを舞台とする本作では、ドクター・ワトソンとその謎めいた相棒シャーロック・ホームズの依頼を受け、社会から捨てられた少年少女たちが犯罪とその影に潜む恐ろしい超常現象に立ち向かうさまが描かれる。

マッケル・デヴィッド、ザディア・グラハム、ジョジョ・マカリらが出演。ジョス・アグニュー、ジョニー・アランらが監督を務め、トム・ビドウェルとサラ・シモンズが脚本を手がけた。現在YouTubeでは予告編が公開中だ。

(映画ナタリー>ホームズとワトソンの依頼受け、少年少女が超常現象に挑む「ベイカー街探偵団」配信より抜粋)

 上の内容で今ひとつピンとこなかったかたには、コチラ! YouTubeの公式予告編を置いておきますね。

youtu.be

 いかがでしたか?

 興味をもたれたかたは、是非!

 

感想とネタバレと……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 わたしは、おもしろかったです。

 でも、それは最後まで観た総合的な感想であれば……です。実は、途中で挫折しそうになりました。ブログに感想をあげようと思っていたので(……とはいえ、おもしろくなければ「観ました」で終わっていたと思います)、とりあえず完走しようと頑張りました!(逆に言えば、頑張らないと完走できなかったです)

 キレイに終わっていると思うので、関係各位は欲を出したりせず、このまま終了で良いのではないかなって思います。この先がどうなるかは、視聴者にゆだねてもらいたい気がします。この作品を愛しているひとが、もしかしたら続編だったり、番外編だったり、ファンアートを描いたりするかもしれませんが、そういう展開の余地がある作品というのは大成功と言えるのではないでしょうか……*1

 興味が出てきましたか?

 それなら、是非!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 感想が微妙なのは、とにかくストレスが大きいからです。だんだんと概要が掴めてくるけど、とにかく情報が少ないし、主人公たちは子どもだし、大人は容赦ないしで、エンターテインメントとして気軽に楽しめるかといえば、少し違うのかなって。

 子どもは大人に守られるべき存在だというのが根本的な部分にあって、だからこそエンターテイメントでは子どもと小動物は酷い目に合わされるべきではないと考えます。もちろん、考えかたには個人差がありますね。そして、そういった表現を必要とする作品も世の中にはあるだろうということも理解しているつもりです。 でも、子どもたちが酷い目に合わされるのは、やっぱり単純にイヤだなって。近くにいる理性ある大人が、たとえ他人であっても、守ってあげるべきだと思います。

 だから、率先して事件に巻き込んでくるワトソンが胡散臭いし、かといって守ってくれるわけでもないので、とかくストレスフルです。子どもたちは自由ではあるけれど、貧乏暮らしだし、かといって不幸に浸っているわけでもないところに救いがあるような気もしますが、なんだか屈折していてキャラクターがつかみにくいです。主人公はベアトリス(ビー)のはずなのに、いつも怒っているというか険しい表情だし、他人を信用しないし、妹のような特殊能力を持っていないし、守られることを拒否しているように感じました。でも、仲間のことは大切に思ってる。

 最初の数話は、オカルティックで、なんだかすごく話自体はおもしろかったです。わからないけれど、わからないことが不気味で良い。なにが起きているかは分からないけれど、阻止すべき計画が進行しているらしいってことだけは、よく分かります。

 ワトソンは序盤から活躍していますが、シャーロック・ホームズはなかなか姿を現しません。ようやく出てきたと思ったら、ダメ人間……というか人として尊敬できない感じで、そのあたり制作陣とは「宗派が違う」みたいです*2。偏屈でも、ヤク中でも良いけれど、彼には「聡明な頭脳がある」というところがキャラクターの根幹では???

 ワトソンのホームズへの執着が怖いです。別に、彼の気持ちを否定するつもりはないけれど(そういうのは大事にしておけば良いと思いますよ)、でも本を正せば、そもそもワトソンが亀裂を開いてしまったことがすべての元凶ですよね……? 認められたい、役に立ちたい、尊敬されたい、その気持ちは分からないでもないけれど。でも、そういうのを何て呼ぶかって「マッチポンプ」では? しかも、肝心のホームズは自分に自信をなくして、やさぐれているし……(それでいいの?ワトソン!)

 推理するけれど、紅茶の銘柄をことごとくはずすシャーロック・ホームズ。最初は「違う」って切って捨てるけど、最終的には「合ってる」って言ってあげるビーは、やさしいところがありますよ。(本当は違う) 子どもに気遣われるシャーロック・ホームズ……実は妻子がいたシャーロック・ホームズ、妻の連れ子がビーだったシャーロック・ホームズ……

 でも、全容が判明してからの最終話は、おもしろかったです。

 何が起こっていて、誰が犯人で、阻止するために何をしたら良いのか。何をすべきなのか。どういう結果を目指すべきか。最初から勝利条件が明らかであれば、もっと気楽に楽しめたかもしれません。中盤「亀裂のある場所を見つけること」が必要になって、次に「亀裂のある場所を知っている人物を敵から守ること」になって、最終的には「麻スーツの男を退けて、亀裂を閉じること」が目的となっていきます。

 亀裂のある場所に向かうにあたって、子どもたち側の勝利条件は「(子どもたちが)誰ひとり欠けることなく家に帰れること」だと思っていたので、みんな死んでしまわなくて良かったなって思いました。今回、亀裂を空けたのは麻スーツの男ではなくあのひとで、そして彼もまた共に亀裂の向こうへと行ってしまいます。この話のなかの彼であれば、自然な流れだなって思いました。

 ひとりぼっちでなくなれば、もう寂しくないですね。

 

 というわけで、現実は厳しいので、王子はビーへ別れを告げて王宮へと帰ってしまいます。それぞれが、それぞれの場所で、大切なひとと寂しさを分け合う……それはそれで、良いなって思いました。子どもでいられる時間も、守られるべき時間も、やがては通り過ぎていって、自分自身が誰かを守る存在になる。

 終わりよければすべてよし!です!

 

 ネタバレと言いつつ、肝心な部分では名前を伏せたつもりなので、やっぱり興味があるなってかたは是非!

 それでは、また明日!🐥💓

 

第1章 ロンドンの不親切

第2章 221Bの亡霊

第3章 イプシシマス

第4章 針とナイフ 

第5章 神への冒とく

第6章 幻の花 

第7章 死のエクスタシー 

第8章 生のエクスタシー 

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*1:というか、この作品自体が最初から最後まで同人誌っぽい雰囲気がします。そういった文化に触れていないので、なんというか勝手な偏見ですが……

*2:そっと距離を置くべき