ミオの備忘録

猫と音楽とミステリー、映画が好きです☆

映画『ファミリーファミリー』

 こんにちは。お疲れさまです。

 Amazonプライムビデオにて配信中。なんとなく映画の長さは90分と120分に山があるような気がしています。分表記だと意識しないのですが、時間表記で2時間を越えると(たとえそれが5分だったとしても)途端に長く感じてしまいます。2時間2分より122分のほうが、そこまで長く感じないのが不思議。

 とかく「長い」というだけで観る前のハードルが上がってしまいます。そんなところにコチラ!29.3分!(30分ないです!) よくある映画の長さを考えると、3〜4回くらい観られます。ね。

作品紹介

製作データ 2019年/日本/29.30min

監督    大川裕明(HIROAKI OKAWA)

出演    大川裕明、泉水美和子、ピースケ、松田ぴろし

スタッフ

  • 助監督:小杉衛蔵
  • 脚本:大川裕明
  • 原作:大川裕明
  • 撮影:福田陽平
  • 録音:内田達也
  • 作曲:大川裕明
  • 編集:大川裕明

あらすじ

認知症の母とニートの兄と三人暮らしの翼。ボケがひどくなる一方の母に働かない兄と悪戦苦闘しながらもどこか憎めない家族の話。

貯金の残りもあと僅かそんな時に、また最悪な事が起きる。そして兄弟はある決心をする

(FIDFF公式サイト>2021年上映作品>2020年受賞作再上映>「ファミリーファミリー」より抜粋)

感 想 (ネタバレも!!)

 福岡インディペンデント映画祭2020の「40分部門グランプリ」受賞作品です!

 情報量が多いです!余白を埋めてしまったり、思い込みが入っているのかもしれませんが、とにかく分かる気がしました。この作品には、この長さなのだと思います。長すぎるとキツイ。

 駆け足というわけではないですが、とにかくテンポが良いです。どんどん話が進んでいきます。先にAmazonプライムビデオの「あらすじ」を読んでいたからかもしれませんが、とにかく理解が早いです。画面の情報量が多い。

 認知症の母は夜中に起き出し踊りだします。兄はニート。弟は一流企業に勤めていましたが、仕事を続けられず、辞めて、現在はラーメン屋で働いています。生活は苦しい。弟が残りもののチャーシューと煮卵を持って帰るのを、みんなで食べています。

 母が夜中にうるさくするせいで、弟は眠れません。

 ギリギリのところで、どうにか成り立っているような生活。

 そんな生活環境のなか、ある日 兄の耳にGが入ってしまうという出来事が起こり、休日の関係で3日後に耳鼻科で取り出してもらいますが、そのせいでGを除去したあとも耳鳴りがするようになってしまいます。

 そんななか、弟に癌が見つかり、余命宣告を受けます。

 

 このじわじわと追い込まれている感。どうしてこうなったのか、一体どこで選択を間違えたのか、まったく分からないままに、気づけばすでに詰んでいる……。すぐ隣にある現実。他人事とは思えません。明日は我が身。

 「僕たちを置いて逝かないで」「ひとりだけズルいよ」そんな兄の訴えもあり、みんなでピクニックに行くことにします。レンタカーの車中で噛み合わないままに穏やかな会話を続ける母と兄。母は兄のことを夫だと思っており、弟のことはラーメン屋さんだと思っています。助手席には練炭。そんなことに使われたら迷惑だよね。最期くらい迷惑をかけても良いだろう。(良くないよ?) 景色の良い原っぱで、レジャーシートを敷いて、みんなで楽しく、おいしくおべんとうを食べます。おいしいね、しあわせだねって。母に眠剤を飲ませて(ついさっき食べたのに、まだごはんを食べていないなどと言い出しごねる母。この辺のひと悶着も本当に分かる気がします。「あるある」です)、みんなでゴロリと横になって、空を眺めながら、母が自分の息子たちの話をします。普段は全然つながっていないのに、ものすごくクリアで、兄の良いところ、弟の良いところを語ってくれます。

 きっと、この母は兄弟を大切に育ててきた。身勝手な愛情の押しつけではなく、兄弟ふたりのことをよく見ていて、心配していた。そして、ずっと味方でいてくれた。そんなことが伝わってきます。認知症になってしまった今でも、子どもを想う気持ちがなくなったわけじゃない………

 「兄さんが、頑張ってくれよ!」

 みんなで死ぬことは、やめにしました。(良かった!)

 

 場面は変わって、ヘルパーさんに身の回りのことをしてもらっている母。穏やかな会話を繰り広げています。

 兄は、建設現場で働きはじめました。うまく仕事を進めることができず、怒られてばかりいますが、兄にとっては雑音にしか聞こえず「はい」「はい」と聞いていながらノーダメージ。そのおかげで続けることが出来ています。

 そして、そこに弟の姿はありません………(療養中?)

 

 母と兄の生活が穏やかに続いているらしいのを見ると、弟が外部に「助けてください」って言うことが出来たのかなって思います。想像でしかないですが。弟が入院することで、病院のスタッフとつながりができて、この先どうするかサポートのきっかけができたのかもしれない。

 安心して観終えることができるので、良かったです。(小並感*1 )

 

 そんなこんなで、今日はこの辺りで。また明日!🐥💓

*1:って、取り立てて光るもののない茫洋な普通の感想ってことだと思っていたら「小学生並みの感想」の略ですって。知らなかった。勉強になりました!🐥✨