ミオの備忘録

猫と音楽とミステリー、映画が好きです☆

映画『犬王』

 こんにちは。

 Amazonプライムビデオにて配信中です。公開時から気になっていました。(タイミングが合わなかったのか、劇場へ足を運ぶことはなかったですが………🐥💦)

 せっかくだから、映画館の大きな画面、良い音響で楽しめたら良かったなって思いました。作品世界に没入できる環境って大事です!

作品紹介

『犬王』(いぬおう)は、湯浅政明監督による日本の長編アニメーション映画。南北朝から室町期に活躍した能楽師・犬王に題材をとった古川日出男の2017年の小説『平家物語 犬王の巻』を原作としたミュージカルアニメで、サイエンスSARUが制作を務めた。

登場人物

  • 犬王(いぬおう)声 - アヴちゃん(女王蜂)物語の主人公。「犬王」の名は自らが付けて名乗った設定。演舞を通じて異形の姿から次第に人間の体を取り戻していく。作中の中盤までは、ヒョウタンの実を割って作った面(目の箇所に穴がある)を顔に被っている。
  • 友魚(ともな)声 - 森山未來 物語のもう一人の主人公。作中で名前は「友一(ともいち)」「友有(ともあり)」と変わる。
  • 足利義満(あしかが よしみつ)声 - 柄本佑 室町幕府第3代将軍。南北朝の統一が近づくと、異本の平曲を禁じるべきという考えを抱く。
  • 犬王の父 声 - 津田健次郎 猿楽の一座・比叡座の棟梁で犬王の実父。
  • 友魚の父 声 - 松重豊 友魚の実父。宝剣の呪いに命を落とし、亡霊となって友魚に復讐を命じる。しかし友魚の名が変わるたびに小さくなってしまい、最終的に復讐を諦め成仏した。
  • 谷一 声 - 後藤幸浩「覚一座」に所属する琵琶法師。旅先の厳島神社で友魚と会い、弟子にする。友有が幕吏に捕まりそうになったときには、助けようと身を挺して刃に倒れた。
  • 覚一(かくいち)声 - 本多力「覚一座」の検校で座の長老。『平家物語』の正本を編纂している。
  • 定一 声 - 山本健翔「覚一座」で覚一に次ぐ地位にある琵琶法師。
  • 藤若(ふじわか)声 - 吉成翔太郎 少年猿楽師で、美貌と舞の優雅さで義満に贔屓にされている。後の世阿弥
  • 業子(なりこ)声 - 松岡美里 足利義満正室(御台所)。犬王の演舞のファンになる。
  • 平家の亡霊 声 - 大友良英
  • 古い面 声 - 片山九郎右衛門・谷本健吾・坂口貴信・川口晃平 犬王の父が所蔵する能面。何かを代償として芸道を授ける力を持つ。

スタッフ

(ウィキペディア「犬王 (アニメ映画)」より抜粋)

感 想 (ネタバレも!)

 歴史に疎いので、前情報だけでは、世阿弥と人気を二分していた犬王と友魚のコンビが活躍する話だと思っていました。世阿弥と一緒にメインストリームとなっていくような………少し違いましたね。でも、好きです!

 ウィキペディアには、ミュージカルアニメとあります。Google「犬王 ジャンル」で検索すると「アニメ(日本のアニメーション作品)、音楽、ミュージカル映画、ファンタジー映画、ドラマ、ぬりえ漫画、アニメーション」と出てきます。わたしとしては、ファンタジーがしっくりくる気がしました。それなら、すべてが納得できる!

 観ている側には、なんとなく分かる気がする程度だった因果の巡りが、音楽を通して、それを喜んでくれる亡霊たちの声を通して、最後にはすべて明らかになる。(あぁ、そういうことか)と腑に落ちる。親切設計です。

 犬王(アヴちゃん)が、自身の不遇を嘆かず、あるがまま、自由に楽しく生きている(ように見える)ところに救いがあります。最初、なにか分かりませんでした。どういう存在なのか。トンボを食べたり、子どもに投げ与えられた梨を食べたり、犬と一緒にエサをむさぼったり………口が耳まで裂けていて、手足が長く、サルのようにも見える。でも、ひょうたんの面から覗く目は明らかに人間やサルとは違った位置に配置されているし………舞を習得するからか、犬王を取り巻く亡霊たちが満足するのか、舞えば舞うほど、人気が出れば出るほど、少しずつ人の姿に近くなっていきます。そして、もとより姿は異形でも、アホではないところが好きです。ちゃらんぽらんに見えて、そうではない。盟友 友有が殺されることになるかもしれないという場面では、自身の想いを通そうとせず、曲げてみせるだけの強かさがあります。(それは負けではなく「大人の対応」と呼ぶのです………世渡り……) イイヤツだな。犬王。

 それから、犬王の父(津田健次郎)が良い声です。(ほぼ)すべての元凶ですけど。芸への想い。才能ある息子への嫉妬。とはいえ、最期は無惨。

 この時代に、コントラバスみたいに身の丈もある琵琶や巨大な太鼓があったのか、友有の奏でるようなリズムが存在したのか、舞台装置のカラクリはどうなっているのか………あたりを直感で飲み込めなかったので、最初から「ファンタジー」だと思って観ていたほうが、より楽しめたのではないかと思いました。それに、有名なあのリズム*1が流れると、自動的に“We Will Rock You”が連想されてしまいます………

 全体的に表現がどぎつくなくて、良かったです。友有の最期も、なかなかに酷いですが。そのあたりは、シルエットでマイルドに描かれています。(朝廷に反旗を翻す者とみなされてしまったのですね………音楽家の腕から切り落とすとは非情な…)

 でも、最後には、彼らの魂も救われているようです。時間の流れは、いろいろなものの角を落として、なにもかもを均一化してくれる。ある意味、究極のいやしなのかもしれません……

 そんなこんなで、つらつらと書いてしまいました。興味を持たれたかたは、是非!

☆☆☆ 毎日お疲れさまです。あなたが笑顔で過ごせる日々でありますように!☆☆☆

*1:ドン ドン チャ ドン ドン チャってアレです。足踏み 足踏み 手拍子!👣👣👏!