ミオの備忘録

猫と音楽とミステリー、映画が好きです☆

映画『逢魔が時の人々』

 こんにちは。

 オススメに出てきたのだったか、新着作品で目にしたのか忘れてしまいましたが、タイトルが気になりました。あらすじも、なんだかおもしろそうです。ホラー?伝奇もの?ミステリー?

 ショートフィルムは、サクッと観られるのでオススメです。次は何を観ようかなってときに、悩んでいる間に観てしまえる………笑

 あえてジャンルを分けるなら「日常もの」「家族ドラマ」「キツネ憑き」でしょうか? 公式サイトには「おかしくも切ない群像劇コメディー」とありました。コメディー………そうなのかな? 事件の経緯というか、出来事の顛末を思えば、かなり違和感があります。コメディー……………?

作品紹介

逢魔が時の人々

(株式会社 MzPlanning 公式サイト)

 よく見たら公式サイトに転載禁止とあったので、それなら………とリンクを貼ってみました。我ながら不親切です。自分の言葉で語るぶんには構わないでしょう………ということで、あらすじからまとめてみたいと思います。(公式のあらすじが気になるかたはリンク先へどうぞ!)

感 想 (あらすじとネタバレと…)

 『お雛様のヘアカット』に続く溝口稔監督のショートムービー第2弾とのこと。コメディーかどうかは置いておいて、起承転結がハッキリしていて、分かりやすく、問題は解決しているように見えるので、好きだなって思いました。

 あらすじは、こんな感じ。面接に落ち続ける美大生:藤山豪。彼は母子家庭で、母と仲良く暮らしています。幼い頃、両親が離婚していて、父親はいません。なんでも「坊主が上手に屏風に坊主の絵を描くんや!」などと思い立ち、出家して、絵師の道を進んでしまったとか。それなのに、本山に修行に行った際、そこの娘と再婚した………とのこと。絵描きのDNAは父譲りだったかと興味を惹かれる豪。母が快く許してくれたこともあり、父に会いに行きます。

 逢魔が時に父の住む寺を訪れると、ちょうど再婚した妻が何やら苦しんでいる真っ最中で………大声で叫んだり暴れたりする彼女に、念仏を唱え、線香をあげ、油あげを渡すと、静かに大人しくなります。病院にかかって、検査もしたけど、原因は不明だったと。キツネ憑きとしか思えないと*1。そのことを母に相談して、母の友人で免疫系の疾患に詳しい医師を紹介することになります。

 冒頭は冒頭で、元夫の話をしながら茶を3杯淹れて息子の前に並べていた母ですが、豪が作ってくれた朝ごはんを夜勤明けに食べて「おいしかった。ありがとう!」と言ったそばから、自分でパンを焼いて朝ごはんとして食べていたり、友人の医師に話をしながら内容がループしていたりします。(「あなたの好きな桜餅を用意したかったんだけど、期間限定で今は販売していなかったの」「あれは○月から○月までなの」「そうだった?いつから?」「前からよ」しばらく他の話が続いて、ふと思い出したように「あなたの好きな桜餅を用意したかったんだけど」みたいな。)

 違和感はあるけれど、その他は看護師らしい観点でコメントを出していて、職業柄だなって感じです。誠意のある対応。(看護師は診断できないので、相談されたときは適当に答えるのではなく、適切な医療機関を紹介するのが最善策です!わたしは、そう思います!あとは、適切なネット情報。例えば、厚労省といったような。)

 そうして、1年後―――

 治療が奏功して、元夫の妻によるキツネ憑きの症状はすっかり治まりました。あれだけ貪り食べていたおあげさんは実は好物ではなく嫌いだったと………! そして、母は息子と散歩を楽しんでいます。いろんなことを頭のなかから取りこぼしながら、それでも笑顔で、穏やかに過ごせている。それならそれで、良いのかなって思います。(もとの性格もあるかもしれませんけど、不安や混乱なく過ごせているのなら何よりです。)

 全体的に、まだ太陽が高い位置にあるというか、空が明るい時間で、画面全体も明るく終わっているので、ハッピーエンドだと思うことにしました。いろいろ………いろいろ……「あぁ………(察し)」って思うところはあるけれど、まぁ、きっとなんとかなりますよ。きっと。(了)

 

 杉江大志さん演じる藤山豪くんが良い子です。就活で40社近く落ち続けても、やさぐれたところがない。自己肯定感がダダ下がりしている様子もなく、あと40年(だったかな?)早く産まれていたら絵師の仕事もあっただろうに………などと詮無いことを考えてみたり、なんだかんだ元気そうです。絵には自信があるのかな………? 夜勤明けの母に朝ごはんを作っておいてあげたり、やさしいです。(なにそれ。そんなことされたら、おかあさん泣いちゃう………*2 )

 母子家庭で、元夫は慰謝料も出さなかったと言うわりに、暮らしぶりは普通で、子どもを美大に行かせてあげられる経済力もある………明るいリビングで母に就活のグチをこぼしながら、お茶を淹れてもらって、一緒に過ごしたり、親子仲は良好そうです。母は母で、元夫(豪にとっての実父)に会いに行っても良いと言うあたり、さばさばしていますし、元夫との関係性も悪くなさそう。

 情報量が充分にある。そして、物語と齟齬がない。作品を楽しむためには、違和感がないって大事な要素なんだなって思いました。勝手に補完している部分もあるかもしれませんが、良いです。過去や設定を突き詰めたり、説明し尽くせば良いというものでもないですし、これくらいがちょうどいいです。なんとなく。

 興味を持たれたかたは、是非!

 ホラーではなかったです。(捉えかた次第?!)

 そんなこんなで、今日はこの辺りで。また明日!🐥💓

☆☆☆ 毎日お疲れさまです。あなたが笑顔で過ごせる日々でありますように!☆☆☆

*1:これが本当のメギツネ………

*2:思わず母目線……🥲