ミオの備忘録

猫と音楽とミステリー、映画が好きです☆

映画『夜は短し歩けよ乙女』

 原作は、残念ながら未読です。でも、イラストレータ中村佑介さんの描いた装画は、前から気になっていました。プレビューで、装画そのもののキャラクターがくるくる動いているのを目にして興味をひかれ、なんとなく観てみようかなって思いました。

 Netflixの視聴期限が迫っている作品が いくつか重なっているので、結果的に「湯浅政明監督祭り」となっている今日この頃です。

作品紹介

夜は短し歩けよ乙女』(よるはみじかしあるけよおとめ)は、森見登美彦による長編小説。2006年11月に角川書店より出版された。(中略)古典文学や近代詩からの引用が多く、タイトルは吉井勇作詞の『ゴンドラの唄』冒頭からとられている。

アニメ映画

同名タイトルのアニメーション映画が2017年4月7日に全国公開された。原作は森見登美彦による同名小説。1年間の物語だった原作の物語を、一晩の物語として再構成している。キャッチコピーは、「こうして出逢ったのも、何かのご縁」。

あらすじ 

1年前から同じクラブの後輩である「黒髪の乙女」に恋をしている「先輩」は、彼女という城の外堀を埋めるべく日々彼女を追い掛け、なるべくその目に留まろうと「ナカメ作戦(なるべく彼女の目に止まるの略称)」を実行していた。しかし、その「黒髪の乙女」はなかなか「先輩」の想いに気づかず、好奇心のままに夜の先斗町を歩んでいった。2人はそれぞれの場所で奇妙な人達と出会う。酒の席、古本市、学園祭と、二人それぞれが不思議で奇抜な長い夜を過ごすこととなる。

声の出演 
スタッフ 

(ウィキペディア夜は短し歩けよ乙女」より抜粋)

感想というかネタバレというか

 なんだか長いかと思いきや、あっという間に観終わってしまう、ちょうど良い体感の映画でした。(ウィキペディアによると93分) 勢いがあって、情報量も多いけれど、親切設計というか、ご都合主義というか、際限なく登場人物が増えていくわけではないので、感覚で観ることができて、状況も混乱しすぎないところが良いなぁって思いました。

 2つくらいのことが同時進行している分には大丈夫なのですが、そこにもう1つくらい加わると大混乱を引き起こすし、集中力は分散されるし、常に何かが引っかかってる気持ちになるのでストレス値が一気に跳ね上がります。

 逆に、2つくらいでおさまっていたり、同時進行でいろいろ起こっても、同じくらいの早さで解決していったりすると、ストレスなく観ることができます。

🐾🐾🐾🐾🐾😺🍷🍸🍺📕🩳🐱💦

 黒髪の乙女(花澤香菜)と先輩(星野源)が交互に語り部をつとめることで、話がすすんでいきます。

 二次会への出席を断り、ひとり酒を楽しむべく街へ繰り出した黒髪の乙女は、行く先々でいろんなひとと出会います。そこで、幻のお酒“偽電気ブラン”の存在を知り、その味を求めて、その酒を所有するという「李白」を捜しまわります。

 先輩は、黒髪の乙女を求めて、同じく街へ繰り出しますが、途中で何者かに はいていたパンツを奪われます。(←李白の趣味)

 

 登場人物たちが、黒髪の乙女サイドと先輩サイドを回遊魚のように行ったり来たりしながら、肝心のふたりは、なかなか出会いません。ようやく遭遇したと思いきや、タイミングが悪く、先輩は乙女から「おともだちパンチ」をくらってしまいます。

 

 最初のほうはセミの鳴き声が聞こえて、納涼古本市があって、そこから文化祭へ向かうところではイチョウが色づいていて……1年が1晩に凝縮されています。密度の濃い夜ですね。

 

 黒髪の乙女の思い出の絵本「ラ・タ・タ・タム」というのが何度も出てきて、読んでみたくなりました。それから、古本市での幸福な出会い「鳥とけものと親類たち」も気になります。(「虫とけものと家族たち」の続編とか)

 

 学園祭の場面では、ゲリラ演劇の主役に、たまたま通りかかった黒髪の乙女が抜擢されてしまいます。そして、演劇は終幕へ!(林檎飴を食べながら演劇を観ているひとのなかに、カイ・遊歩・国夫によく似た子たちがいて、ちょっとワクワクしました。思いがけない場所で知り合いに会えたみたいな気持ちです!)

 

 なんとなく原作の雰囲気を大切に作られているように思ったので、近いうちに読んでみたいと思います。🦋