ミオの備忘録

猫と音楽とミステリー、映画が好きです☆

『四畳半神話体系』

 Netflixの視聴期限に追われる今日この頃です。(実は、被虐趣味が……?!)

 なんだか、これも前から気になっていたような気がします。原作を読んでいませんが、時間はわたしが読むのを待ってはくれません。近いうちに読もうとこころに決め、今日のところはアニメシリーズを視聴します。イッキ見ですね!

作品紹介

四畳半神話大系』(よじょうはんしんわたいけい)は、森見登美彦による日本の小説である。2010年には『ノイタミナ』にてテレビアニメ化された。

概要 

京都市を舞台に、京都大学3回生の男子学生が、1回生時に選んだサークルによって自らの大学生活をいかに変えていったか、その可能性を描く一人称小説。並行世界の要素が取り入れられている。並行世界のアイデアには『キューブ』の影響もある。

第1話:四畳半恋ノ邪魔者 - 映画サークル「みそぎ」に入った場合の物語。

第2話:四畳半自虐的代理代理戦争 - 樋口に弟子入りした場合の物語。

第3話:四畳半の甘い生活 - ソフトボールサークル「ほんわか」に入った場合の物語。

第4話:八十日間四畳半一周 - 秘密組織「福猫飯店」に入った場合の物語。

テレビアニメは11話構成であるため、アニメ化に際しては、全体の印象や設定を損なわないよう配慮しつつ、小説版の各話のエピソードやパーツを組み替えて、10パターンの並行世界にまとめ直された。

登場人物
※声はテレビアニメ版における声優を示す。

私 声 - 浅沼晋太郎
主人公であり、物語の語り手。農学部に所属する大学3回生で、元浪人生。身長は180㎝ほど。下鴨幽水荘(しもがもゆうすいそう)に住む。プライドと理想は高いが、非活動的で社交性の低い地味な青年。大学入学を機にサークル活動を通じて「薔薇色のキャンパスライフ」を目論むも、小津とともに不毛で無意義な大学生活を送る破目になる。理想の女性像は「ふはふはして、繊細微妙で夢のような、美しいものだけで頭がいっぱいな黒髪の乙女」。

ジョニー 声 - 檜山修之
もう一人の「私」。アニメでは比喩表現としてデフォルメされたカウボーイ姿で描かれ、馬に跨っている。

小津 声 - 吉野裕行
「私」の宿敵であり盟友。工学部電気電子工学科に所属しているにもかかわらず電気も電子も工学も嫌いで、1回生終了の時点では取得単位数も成績もひどい低空飛行だった。「私」とは同学年。偏食家であるため顔色が悪く、妖怪に例えられるほど不気味な風貌。3度の飯より悪行が好きな天邪鬼で、他人の不幸をおかずに飯が3杯食える。しかし立ち回りが巧く、多くのサークルや組織に所属して京都中に広い人脈と情報網を築き、「私」とは対照的に無意義な学生生活を存分に楽しんでいる。樋口を熱心に師事し、何事においても樋口の弟子であることを優先する。意外にも恋愛に関しては一途で、実は小日向さんと付き合っている。
多くのサークルに所属することから、「私」はどのサークルを選んでも小津と巡り合い、悪友となる。小津いわく「運命の黒い糸」で結ばれた運命共同体。勝手にサークル内での立場を悪くしていく「私」を、時には煽り立て、時には天才的な立ち回りで助ける。アニメ版では「私」を踏み台にして組織でのし上がっていく側面が強調されている。
明石さん 声 - 坂本真綾
「私」と小津の、1年下の後輩。工学部建築科に所属。理知的でクールな黒髪の乙女であり、歯に衣着せぬ物言いで周囲を寄せ付けない。蛾だけが唯一の弱点で、蛾を前にすると「ぎょええええ」と漫画のような悲鳴を上げて取り乱す。「もちぐま」が好き。彼女が1回生の夏に下鴨神社の古本市で2回生の「私」と出会っている。アニメ版ではワンピースに十分丈のレギンスという格好。
アニメ版では話によって所属するサークルが違う。「バードマンサークル」の場合と「樋口の弟子」の場合がある。「バードマン」の場合、1回生の時に自転車サークルソレイユに所属し、その年、蹴上で行われたロードレースで男女総合優勝を果たし、すぐにソレイユを辞めバードマンに入る。ロードレースの賞金を全てつぎこんで飛行機作りをはじめる。彼女が2回生の夏に映画サークル「みそぎ」に3DCGとビジュアルエフェクトの助っ人として参加し、その時、相島に好意を寄せられるようになる。なお「私」と「成就した恋愛」関係となるのは最終話のみ。
樋口 清太郎 声 - 藤原啓治
小津が「師匠」と呼び慕う自由人。大学8回生。常に悠然と構えていて、神秘的な気配と高貴さと暢気な笑顔を湛える。雰囲気は「良くて仙人、悪くて貧乏神」というのが「私」の評。「弟子」を取り、ほぼ彼らからの貢ぎ物だけによって生活している。常に紺色(アニメでは緑)の浴衣を着て、高下駄を履いている。茄子のようなシャクレ顔で、髪は台風通過後のようにくしゃくしゃ。「私」と同じ下鴨幽水荘に住んでいるが、彼の部屋(210号室)はかなり散らかっている上に汚れており、特殊なタワシを使わねばならないほど。交友は小津とは師弟関係(話によっては明石さんも)のほか、羽貫と仲がよく、城ヶ崎とは因縁の仲。
縁結びの神「かもたけつぬみのかみ」を自称したことがある(小説版では、明石さんに告白させるための小津の仕組んだ芝居であることが示唆されるが、アニメ版では明らかではない)。
羽貫 涼子 声 - 甲斐田裕子
御蔭橋そばの窪塚歯科医院に勤める歯科衛生士。覇気が漲り薙刀が似合いそうな凛々しい美女である。好物はカステラと酒。酒癖が悪く、うっかり酒に付き合った者は地獄のエンドレスナイトを味わう。ひどく酔うと人の顔を舐める癖がある。樋口や城ヶ崎と親しい仲で、特に樋口とは世話女房のような関係。歯科医の窪塚に言い寄られたり、セクハラされたりと迷惑している。アニメ版では樋口との仲がより深く描かれており、樋口が世界一周の旅に出ると知った時は、英会話サークルで落ち込んだ様子を見せたり、欄干から叫んだりしていた。最終話では、「私」の発言を受けた樋口に誘われ、2人で世界一周の旅に出た。小津とも親しく、「私」が関知しない小津の一面を知っている。
城ヶ崎 マサキ 声 - 諏訪部順一
樋口の親友かつライバルで、樋口と自虐的代理代理戦争を5年近く続けている。小説版では博士課程の院生、アニメ版では大学8回生。映画サークル「みそぎ」のカリスマ部長であり、水も滴る良い男でナルシストである。しかし、私生活では「香織」と名付けたラブドールの愛好家という一面を持つ。また乳好きで、アニメ版ではその特性が強化されている。
香織さん 声 - 本編 - 浅沼晋太郎檜山修之 
城ヶ崎が所有する超高級ラブドール。人形とは思えない美しさと気品があり、城ヶ崎の寵愛を受けている。
老婆 声 - 真山亜子
木屋町通にいる占い師の老婆。妖気を垂れ流し、言葉巧みに自尊心をくすぐるため、「私」はあっさりと信用してしまう。アニメ版では「好機は何時でもあなたの目の前にぶらさがってございます」と示唆し、占い後に料金を取る(初めは千円で、話数ごとに千円ずつ値上がりする)。

テレビアニメ 

2010年4月から7月にかけて、フジテレビ『ノイタミナ』枠にて放送された。全11話。湯浅政明にとって小説作品のアニメ化は本作が初めてであり、森見登美彦にとっても本作が初の映像化作品である。また上田誠中村佑介がアニメ制作に携わるのは本作が初めてである。舞台となる京都市内の描写に関しては、インクライン四条河原町界隈、京都大学などで1か月弱にわたって徹底的にロケハンが行われた。また京都府下鴨神社、地元企業なども「協力」として参加している。

小説の言葉遣いを活かした作品であるため、通常のアニメよりも文字数が多く、上田誠は「脚本家と声優泣かせ(笑)」と語っている。また第10話は「私」以外の人物が登場しない話で、「私」役の浅沼晋太郎が1人で単一の役を丸々1話こなすという、従来のテレビアニメでは異例の回であった。

スタッフ 
主題歌 本放送

オープニングテーマ「迷子犬と雨のビート」 作詞・作曲 - 後藤正文 / 編曲・歌 - ASIAN KUNG-FU GENERATIONキューンレコード)第11話ではエンディングテーマとして使用。

エンディングテーマ「神様のいうとおり」 作詞 - いしわたり淳治 / 作曲・編曲 - 砂原良徳 / 歌 - いしわたり淳治&砂原良徳+やくしまるえつこキューンレコード)第11話ではオープニングテーマとして使用。

(ウィキペディア「四畳半神話体系」より抜粋)

 イッキ見と言いつつ、2日くらいかけて、のんびり視聴しました。途中から、オープニングとエンディングを端折ったので、さくさく進みます。(っても、作業感が出てしまうので、時間に追われていなければ、そのままオープニングもエンディングも流していたい気はします。情緒というか、余韻というか……そういうの、ありますよね!?)(最終回だけは、オープニングもエンディングもフルで観ようと思ったら、そこだけは逆になっているという……なんだかおもしろい趣向です!)

感想とネタバレ

🐾🐾🐾🐾🐾🐱🎾🎬🚲⚾🎶🎪📕🍜

 おもしろかったです。「私」の声が好き。浅沼晋太郎さん。台詞というかナレーションというかモノローグというか、やたらと語り続けていますが、聴き取れないということがない。かといって、「やたら滑舌良く話している」という印象もない。

 普通に「私」を過ごしている感じ。声優さんって、スゴイな。

 師匠の樋口さん、城ヶ崎さんも、キャラクターと同じくらいなかのひと(声)が好きです。しんのすけの父ちゃんとミミクリーズのひとだ……💓 (でも、アニメを観ているときに他のキャラクターが思い浮かぶことはないので、視覚情報って大事だなって思います)(演技力とか声質とかにもよるのかな……?)

 

 「薔薇色のキャンパスライフ」を夢見る「私」が、どこのサークルに入って、どんな学生生活を送るのか……どこかに所属してしまえば、「その他のサークルに入っていたら あったはずの未来」はなくなってしまうわけで、選択というのは重要です。

 第1話ではテニスサークル「キューピット」に入ります。流れについていけずにいる間に、周りはいつの間にかくっついてカップルばかりに……うっかり出会ってしまった小津と一緒にカップルの邪魔をすべく悪意をまいたり、彼ら・彼女らに向けて花火を打ち上げたりします。(※花火をひとに向けて打ってはいけません)

 そうして、今度は逆に追われることとなります。(たしか)

 あのとき、テニスサークルを選ばなければ……………!

 ということで、時間は巻き戻って、この話は終わりです。

 

 第二話では、ふたたびサークルを選択するところで、今度は映画サークル「みそぎ」に入ります。

 小津にそそのかされて、一緒に悪事を働いたり、いろいろします。そして、最終的には追いかけられることになりますが、小津は逃げ足が速いので置いていかれます。

 あのとき、映画サークルを選ばなければ……………!

 

 そんな感じで、続いていきます。各話で、怪しげな妖気を無料で垂れ流している老婆が登場して、勝手に占って、金銭を要求してきます。しかも、1話ごとに値上がりしていきます。(1話では1000円、2話では2000円……………9話では9000円です)(「高くなってるじゃないか」「そろそろ大台?!」みたいな「私」の反応もあって、楽しいです。パラレルワールドのはずなのに、前の記憶があるのかい?)

「好機は、いつでも、あなたさまの目の前にぶらさがっておりますぞ」

 なんだか、だんだん「おなじみの展開」みたいになってきて、少しダレる反面、そういうところにおもしろみを感じたりもします。結局「私」はなにがしたいんだ???

 

 第10話では、どこのサークルにも所属せず、四畳半の自室で過ごすことを選択します。そして、ある日、唐突に自身の部屋だけのパラレルワールドへと迷い込んでしまいます。外へ出ようとしても四畳半、壁を壊して隣へ抜けようとしても四畳半。

 水道は使えて、食料はカステラと魚肉ソーセージがどの部屋にも見つかります。つまり餓死の心配はありません。でも、だからといって、いつまでも四畳半の空間に閉じこもっていたいかと言われれば、否でしょう。いつだって出ていける。外で誰かと会える。そういう選択肢があるからこそ、四畳半を楽しめていたのだと「私」は気づきます。

 パラレルワールドで、なんらかのサークルを選んだ「私」は、なかなか充実した日々を送って楽しそうにしている……ように、四畳半をさまよう「私」には見えます。

 

 それって、つまり、そういうことでは?

 

 渦中にいると分からないけれど、傍から見れば、どの選択をした「私」も「薔薇色のキャンパスライフ」とやらをエンジョイできていたのでは……………?!

 

 そして、また唐突に外へ出ることに成功した「私」は、小津を救うべく駆け出します。パラレルワールドをさまよった反動からか、もはや「私」になんの躊躇もありません。

 そうして、ついに明石さんに声をかけ、一緒に「猫ラーメン」を食べに行く約束をとりつけます。良かったね!

 

 原作者の森見登美彦さんは、どれだけ「黒髪の乙女」に思い入れがあるんだろうか……と思いました。『夜は短し歩けよ乙女』でも、先輩が追いかけていたのは「黒髪の乙女」で、理想がぶれないところが素敵です。🦋