ミオの備忘録

猫と音楽とミステリー、映画が好きです☆

映画『地獄でなぜ悪い』

 前から気になっていました。主題歌の「地獄でなぜ悪い」は、大好きな曲です。MVが少しだけ映画のあらすじにリンクしてるとかしていないとかっていう話もぼんやりと聞いたことがあって、うっかりネタバレを見てしまう前に観てみようと思いました。なんとなく『TOO YOUNG TO DIE !』からの、地獄つながりでもあります……(AmazonPrimeVideoで観られます🐥)

作品紹介

地獄でなぜ悪い Why don’t you play in hell?』(じごくでなぜわるい)は、2013年制作の日本映画。園子温監督。

あらすじ 

極道・武藤組の組長・武藤大三は、服役中の妻・しずえの夢でもあった、娘のミツコを主演にした映画製作を決意する。映画の神様を信じるうだつのあがらない映画青年・平田純と、通りすがりの普通の青年・橋本公次を監督に、スタッフやキャストは全員自分の子分のヤクザで構成した。さらに、武藤組と対立する池上組の組長で、ミツコに恋心を抱く池上純と池上組全体を巻き込んで、事態はとんでもない方向に進んでいくのであった。

キャスト

武藤大三 演 - 國村隼

武藤組組長。10年前、敵対する“北川会”に命を狙われているがその後休戦状態となる。普段は組長として周りから怖がられる存在だが家族思いな性格で、私生活では妻・しずえと娘・ミツコを溺愛している。

平田鈍 演 - 長谷川博己(現在)/中山龍也(高校時代)

映画作りに情熱をかける男。「いつか一世一代の映画を作ってみせる」という信念を持つ。10年前、高校時代に谷川、御木たち数人で自主映画作りに励んでいた所、偶然知り合った佐々木を仲間に入れて4人で映画製作チーム“FUCK BOMBERS”(ファック・ボンバーズ)を結成。映画のことになると周りが見えなくなり本物のヤクザ相手でも恐れない。劇中劇では、映画監督を任される。

池上純 演 - 堤真一

10年前、北川会の一組員だったが組長亡き後、池上組を立ち上げ組長となる。冒頭で大三の命を取るために武藤家に訪れた時に(作中の)CMに出てた頃のミツコと出会い、子供ながらに気の強い性格の彼女を気に入りファンになる。

武藤ミツコ 演 - 二階堂ふみ(現在)/原菜乃華(10歳)

大三の娘。10年前は、人気子役として作中の歯磨き粉のCMで話題となった。現在、ギャル風の格好をしている。デビュー作となる映画の撮影中に恋人の吉村と失踪したが組員に連れ戻されて組事務所に軟禁状態となり、池上組の襲撃の混乱のすきに逃走を図る。ヤクザの組長の娘ということもあり、子供の頃から少々のことには動じない気性の荒い性格。

橋本公次 演 - 星野源(現在)/伊藤凌(高校時代)

10年前(自身の高校生)の頃、歯磨き粉のCMに出てたミツコの大ファン。現在、偶然ミツコと出会い彼女が元子役のミツコであることを知らずに彼女から頼まれて“一日限定の恋人役”となる。その後、ミツコが武藤組組長の娘であることを知り彼女を連れ戻しに来た武藤組組員から、元恋人の吉村と勘違いされて騒動に巻き込まれる。

谷川カメラマン 演 - 春木美香(現在)/青木美香(高校時代)

10年前、平田の高校時代の友達。高校の頃に平田の自主映画で撮影を担当。一人称は俺で男っぽい口調で話す。いつ頃からか御木の恋人となるが、現在は2人とも昔と違って太っている。

御木(みき)カメラマン 演 - 石井勇気(現在)/小川光樹(高校時代)

10年前、平田の高校時代の友達。高校の頃に平田の自主映画で撮影を担当し、ローラースケートで移動しながら撮影している。現在は、平田に付き添い大三の映画作りに協力する。

佐々木鋭 演 - 坂口拓(現在)/中田晴大(高校時代)

10年前、高校時代は不良少年だったが、集団でケンカしていた所自主映画の撮影をする平田と出会い影響を受け、アクションスターを目指すようになる。現在、平田と映画製作に携わるが30歳目前でバイト生活を続けていることに不安視している。ブルース・リーに憧れておりヌンチャクを使ったアクションが得意。

真田龍太 演 - 本城丸裕

武藤組のベテラン組員。大三から信頼されている。劇中劇では音響を担当。

みつる 演 - 仁村俊祐

武藤組の若手組員。大三が外出する際運転手として付いている。彼のある発言によって物語は大きく進む事になる。劇中劇では撮影助手を担当。

マサコ 演 - 岩井志麻子

10年前の武藤組のビル建物内のカラオケスナックのママ。しかし冒頭で同じ場所でジュンコが店を開くことになり自身はお払い箱となる。

ジュンコ 演 - 神楽坂恵

武藤の愛人。武藤のおかげで武藤組のビル建物内に自身の店・スナック『じゅんこ』を持たせてもらう。

増田 演 - 板尾創路

看板屋で勤務。武藤組ビル内にあるスナックの看板の掛け替えの仕事を請負い、ビルの屋上から佐藤に指示を出す。

佐藤 演 - 裴ジョンミョン

増田の後輩社員。スナックの看板掛け替え作業中に、窓の外からマサコとジュンコのやり取りをのぞき見する。

武藤しずえ 演 - 友近

大三の妻。10年前に自宅で料理中に北川会の組員たちに押し入られ、包丁で反撃に出た所相手を死なせてしまい、そのせいで刑務所暮らしをすることになる。感情的で過激な行動を取っているが基本的に家族思いな性格。

木村刑事 演 - 渡辺哲

10年前に「正当防衛で人を殺してしまった」と主張するしずえを怪しみ、「大三が裏で糸を引いているのでは?」と彼を取り調べる。現在は、ベテラン刑事として培われたカンで大三の企みを暴こうとする。

田中刑事 演 - 尾上寛之

木村の部下。現在、木村とコンビを組んで大三を刑務所にブチ込むため、何か事件を起こすのを期待して彼の行動を見張る。

木下プロデューサー 演 - 石丸謙二郎

大三の友人。ミツコが出る映画の製作に携わる。しかし撮影中にミツコが男と失踪してしまい、後日大三からミツコが帰ってくるまで撮影を待つよう頼まれる。

映写技師の小野さん 演 - ミッキー・カーチス

10年前、街の映画館の熟練技師。映画館の一室にFUCK BOMBERSのアジトがあるため彼らと顔見知り。将来良い映画を作るよう平田たちに温かい言葉をかける。

モギリの大谷さん 演 - 江波杏子

10年前、街の映画館内でチケット販売をしている。映画館に訪れる平田たちとは顔なじみ。普段は落ち着いた性格だが礼儀やマナーには厳しい。

店主 演 - でんでん

ラーメン屋の主人で佐々木の雇い主。ある時佐々木が店のテーブルを壊したため文句を言う。中国人らしくカタコトの日本語を話す。

ヨシコ 演 - 成海璃子

平田のデートの相手。キスにおける男女の思惑の違いなどを力説する、平田の話に耳を傾ける。

スタッフ 

(ウィキペディア地獄でなぜ悪い」より抜粋)

ネタバレと感想と

🐾🐾🐾🐾🐾🙀💥🔫🔪💀

 PG12、アクション/ブラックジョーク/2時間10分

 正直、どんな感想を抱いたら良いのか分かりませんでした。平田(長谷川博己)さんの映画に賭ける情熱と狂気は伝わってきました。でも、後味は、ただただやるせない。最後の最後に「カット」って入るのが、そもそもみんな「作りもの」ってことなのかな……分からない…アクション映画は割とよく観ているけれど、ブラックジョークものは多分ほとんど観ていません。なので、ブラックジョークの定番みたいなものが分からなくて、余計にそう思うのかもしれません。

 

 「全力歯ギシリLet's GO! ギリギリ歯ギシリLet's FLY! 僕の気持ちは歯がゆい 歯並びガガガ 歯ぎしりギギギ みんなで歯を磨こう!」とても可愛いCMです。でも、歯磨きのCMのはずなのに歯ギシリって……

 

 観た目のインパクト重視なのか、咄嗟につかめるリアリティラインがずれているというか、いちいちついていけずに置き去りにされてしまいます。だって、6人くらいの襲撃で、包丁で返り討ちにしてもリビングいっぱいの血溜まりにはならないのでは………

 あと、手首を切り落とされたとして、身体側から血が噴き出すのは理解できるとして、切られた手首側から噴き出すのは違和感があります。心臓もないのに、いったい何が血を送っているんです?!(突然のホラー路線???)

 後半の襲撃シーンでも手足や首が飛び過ぎでは……いや、むしろ殺陣のカッコ良さというよりも「おもしろ」に振り切ってみたということなんだろうか………最終的に、警察が乱入してくるし、銃撃戦だし……なんか何でもありっていうか、要素を盛り過ぎて「勝ち敗け」のラインがよく分かりません。(どちらの組長も死んでしまいましたし、平田さんのひとり勝ち?!)

 

 映画撮影に情熱を燃やす高校生“FUCK BOMBERS”を見守る映写技師の小野(ミッキー・カーチス)さん、モギリの大谷(江波杏子)さんのまなざしが優しいなって思いました。最後に挿入される「地獄でなぜ悪い」の上映場面。懐かしい映画館で、死んでしまったはずのひとたちが客席で観てくれていて、皆が立ち上がって拍手喝采で終わる。……という情景を思い描きながら、フィルムを抱えて、夜道を駆ける平田さん。……狂気なのか、なんなのか…

 

 わたしには、ちょっと早すぎたのかもしれません……🦋