ミオの備忘録

猫と音楽とミステリー、映画が好きです☆

映画『CUBE』

 Netflixで12日まで、でした。タイトルは聞いたことがあるけど、ホラーということで触れずにきたジャンルです。決して開けてはいけない箱みたいな。R15、SF/ホラーってところも、割と警戒してしまいます。でも、今回はハードルが低かったような……

 ずいぶん前にも検索していたので、曖昧な記憶を頼りにウィキペディアの「四畳半神話大系」を検索したら「あたり」でした。「平行世界のアイデアには『キューブ』の影響もある。(ウィキペディア四畳半神話大系」概要より抜粋)」ってあったのを見て、その時から気になっていたみたいです。

 恐怖よりも好奇心が勝ってしまいました。(←ホラー映画で、序盤に殺されてしまうタイプ)(好奇心は猫をも殺す、ですね!)(窮地でも生き残る術を学びたいと思います!)(↓↓何気にウィキペディアがネタバレと言えばネタバレです!要注意!⚠↓↓)

作品紹介

『キューブ 』(Cube)は1997年製作のカナダ映画。監督はヴィンチェンゾ・ナタリ

あらすじ 

目が覚めると謎の立方体(CUBE)に捕らえられていた数人の男女。誰が何の目的で閉じ込めたのかも分からないまま、彼らは死のトラップが張り巡らされたこの立方体からの脱出を試みる。

登場人物 

クエンティン 演 - モーリス・ディーン・ウィント、日本語吹替え - 玄田哲章

肉体派黒人男性。3人の子供がいるが、妻とは別居している。警察官という職業柄、その行動力でメンバーを牽引する。

ハロウェイ 演 - ニッキー・グァダーニ、日本語吹替え - 谷育子

中年独身女性。職業は精神科の開業医。終始不機嫌な態度を取る一方で、周囲の反感をよそに障害のあるカザンを見捨てずに面倒を見るなど、博愛主義的理想を持つ。

レブン 演 - ニコール・デ・ボア、日本語吹替え - 津村まこと

数学科の女子学生。退屈でつまらない毎日を送っていた若者であったが、突然キューブに放り込まれてパニック状態に陥る。クエンティンに発破を掛けられ、徐々にやる気を持ち始める。

レン 演 - ウェイン・ロブソン、日本語吹替え - 西川幾雄

小柄な初老の男性。7つの刑務所から脱獄し、“アッティカの鳥”の異名を持つ。目の前のことだけに集中し、無駄なことは一切考えない主義。

ワース 演 - デヴィッド・ヒューレット、日本語吹替え - 田原アルノ

無気力な独身男性。脱出に真剣味がなく胡散臭い雰囲気。

カザン 演 - アンドリュー・ミラー、日本語吹替え - 桜井敏治

途中から参加した青年。他のメンバーから発見されるまでずっと部屋から動かなかったらしい。行動上の特徴からコミュニケーションでの障害を持ちつつ、数学的な能力に秀でていることからサヴァン症候群を持っていると考えられる。周囲の状況に適応する事が困難であるが故に何度もメンバーの足を引っ張るが、ハロウェイが献身的にサポートする。

オルダーソン 演 - ジュリアン・リッチングス

オープニングに登場するスキンヘッドの男性。物語冒頭でただ独りキューブの中で目覚め、事情も分からぬまま内部を移動しようとしたところ、折り畳み式の網状のワイヤーナイフの罠にかかり、サイコロステーキのようにバラバラに切り刻まれて死亡した。わずか数十秒間のこのシーンで「部屋にはトラップが仕掛けられており、むやみに動くと危険である」という設定を強烈に印象付けている。

(ウィキペディア「キューブ(映画)」より抜粋)

感 想(ネタバレ)

 とりあえず、観てください。ホラーってありましたけど、ゾンビとか宇宙人とか殺人鬼が出てくるわけではないので、大丈夫です!多分!それから、出てくるキャラクターがちゃんと考えることができる人たちなので、そのあたりに安心感があります。

🐾🐾🐾🐾🐾😼😾🙀🐱🐱😿🍬

 なんか観終わったあとに、いろいろ投げかけられる作品だなって思いました。ずっと、何かしら考え続けているような気がします。ストーリーは複雑ではないけれど、なんだかいろんなことがひっかかる。フックのある作品だなって思いました。

↓↓↓ネタバレ(って言っても、なにがネタバレなのか)↓↓↓

 

 

 

 

 

 観終わってみて、なにが1番怖かったかって、そこには確かに大きな殺意が存在しているのに、黒幕が分からないことです。皆が恐怖を感じているものの正体が分からない。なにもかもが分からない。トラップは、ただ発動するだけなので、なんらかの意志が介在しているわけではないところも恐怖です。

 チェーンソーを手にして追いかけてくるピエロとか、井戸から這い出てくる長い黒髪の誰かとか、実態あるものからは逃避行動がとれるけど、形なきものから、どう逃げたらいいのか……

 皆が、気づいたら謎の部屋のなかにいて、昨日と今とが連続していない。いつも通りの生活が、ある日プツリと途絶えてしまう。なぜ、ここに連れてこられたのか。どうして、自分なのか。誰にも分からない。自覚するだけの「なにか」がない。それなのに、拉致されて、トラップだらけの部屋に監禁されている。そのトラップの回避方法も不明。というより、彼らを拉致・監禁した何者かは「全員が死んでも構わない」とさえ思っている節があります。そこが、怖すぎる。全員を殺すことが目的なら、拉致して連れてくるまでに、どうとでもできたはずなのに……あえて、このトラップだらけの部屋に連れてきて、なにを確かめようとしているのか。あるいは、それを眺めて興じているのか。

 ……………怖すぎます………なんとしても、ここから出たい……

 

 人間ドラマとしても、おもしろかったです。

 そういえば、冒頭で誰とも遭遇することなくトラップで命を落としてしまうオルダーソンさん。よく考えたら(考えなくても)、たまたま遭遇した6人の他にも誰かがいる可能性はなきにしもあらず、ですね。とはいえ、全員が同時に移動していたら、出会える確率はそんなに高くないでしょうけど……(数学はサッパリです)(直感だけでものを言っています!😼✨)

 部屋からの脱出を試みるにあたって、リーダーシップを発揮しようとするクエンティンさん。警察官という職業(肩書き)もあってか、頼りになりそうな感じがします。まず顔が良いですし(顔は関係ないか)、身体が大きい、行動力がある、判断力がある……でも、話が進んでいくうちにメッキが剥がれるというか地金が出るというか、本性をあらわにしてしまうというか……。ストレス過多な環境下で、自分にできることはほとんどなく、リーダーシップを発揮できる場面もなく、あげくトラップにあやうくひっかかって死んでしまうところだった、とくれば、もう切れないほうがおかしいくらいかもしれませんが、でも、もともとの性質って大きいですよね。どれだけストレスがかかっても、他人を殴ったことがないひとは、切れても咄嗟には手をあげられない。躊躇なく殴れるということは、暴力に慣れているということで……ね。

 博愛主義なハロウェイさんは、精神科の開業医ってことで、他人のこころを良く分かっています。クエンティンさんの痛いところも突く。最後に合流したカザンのことを見捨てず、一緒に脱出しようとします。でも、こころを良く分かっているはずなのに、ニンゲンのことは分かっていなかったみたいですね。なぜ信頼できた? 端っこの部屋に到達して、外の外郭までの距離を測ろうとするとき、皆の服をつなぎあわせてロープにして、それを命綱に振り子の要領で動かします。何度か動かすうちに外郭に足が届いて、もう1度と再度動かします。部屋のなかでは、皆で踏みとどまって、勢いでロープから手が離れそうになったりと、大変なことになっています。気づかず「もう1度!」と繰り返すハロウェイさん。(1回やれば充分でしょう?なにやってるの?楽しくなっちゃったの?) 勢いで、ロープがゆるまってしまい、ギリギリのところでクエンティンさんがロープを掴んで、ハロウェイさんの手をとります。しっかり握り合わせるふたり。

 でも、なにかに気づいたようにクエンティンさんは手を離します。他の皆には、彼女が手を滑らせたと話します。……なんということでしょう。トラップを回避する方法を見つけて、安全に出口を探せるかと思ったのに、敵は身内にいましたか………

 もとから、そういった素質があったのか、たまたま条件が重なってしまったのか……

 

 レブンもカザンも自分の知識を総動員させて、部屋の謎を解こうとします。レンの遺体のある部屋に戻ってきて、その隣がなくなっていることに気づく、そこから部屋が動いていること、どこかの部屋が外へつながることを予想します。そして、到達した結論が「最初の部屋でじっとしていれば良かった」です。拍子抜けするような結論で、なんだか弛緩した空気が流れます。

 外には何があるのか。それでも生きていく。死の恐怖から解放されて、監禁される前よりも生きることに前向きになった(ように見える)彼女。なのに、あんなことに……………ツメが甘かったから……(とどめを刺すべきでしたね。っても、あそこでとどめを刺していたら、やっぱり何らかの一線を越えてしまっていた気はします。足留めしたけど、殺さなかったところに彼の人間性があらわれていたかもしれません。)(まぁ、凶器もなかったし仕方ないですね。アレをああして使うとは、あまり考えつきませんし。)

 

 自分も外へ出ようとする彼。そんな彼の足を掴んで行かせまいとする彼。そこで部屋は動き始めて………壁には血痕が残されます。どこまで諦めきれなかったかでダメージは変わりますね。腕かもしれないし、胴体かもしれないし、首かも……………

 誰かのために、なにかをする。自分より弱いと思われる者を助ける。見捨てない。極限状態でこそ、ひとの本質はあらわになるものなのかもしれません。怖いことです。

 わたしは、どのように振る舞えるかな……………🦋

 

キューブ (Cube)

キューブ (Cube)

  • ニコール・デ・ボア
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(わたしは数学に弱いし、素数も咄嗟には分からないので、最初の部屋が安全なら動かずにじっとしているかな……っていうか、誰かに会ったら、一緒に来るように言われたら、素直についていくかもしれません。でも、ストレスフルな状況下では集団行動したくない気持ちもあるので、やっぱりひとりで同じところにいるかも。あっさりこころが折れて、脱出するための方法も探さず、なにもせず、ゆるやかに自殺していくことになるかもです。)

 

 そういえば、菅田将暉さん主演のリメイク版が10月22日公開みたいです。気になる!

映画『CUBE』公式サイト | 2021年10月22日(金)全国公開