AmazonPrimeVideoで配信が始まりましたね。
2020年11月公開。ちょうど自粛期間まっただなかだったので、(少しぐらい出かけても……)(映画館は換気がしっかりしているから、かえって安心では?!)などの言い訳を重ねつつ………平日のほうが……朝イチのほうが……なんてタイミングを伺っているうちに機会を逃してしまいました。
すごく気になっていたので、楽しみです!
作品紹介
『ドクター・デスの遺産』(ドクター・デスのいさん)は、中山七里の推理小説。刑事犬養隼人シリーズ第4作。
映 画
『ドクター・デスの遺産-BLACK FILE-』(ドクター・デスのいさん ブラック・ファイル)のタイトルで映画化され、2020年11月13日に公開された。主演は綾野剛。
「2人を対等なパートナーにしたい」という深川栄洋の意向もあり、綾野演じる犬養は破天荒な直感型、北川景子演じる高千穂は冷静沈着な頭脳派として原作とは異なる設定で描かれている。
キャスト
スタッフ
- 原作:中山七里『ドクター・デスの遺産』(角川文庫 / KADOKAWA刊)
- 監督:深川栄洋
- 脚本:川﨑いづみ
- 音楽:吉俣良
- 主題歌:[Alexandros]「Beast」(UNIVERSAL J / RX-RECORDS)
- 製作:沢桂一、池田宏之、森田圭、菊川雄士、藤本鈴子、安部順一
- エグゼクティブプロデューサー:伊藤響、鈴木光
- プロデューサー:櫛山慶、岡田和則
- 撮影:藤石修
- 照明:吉角荘介
- 美術:瀬下幸治
- 装飾:高橋光
- 録音:林大輔
- 編集:阿部亙英
- 視覚効果:松本肇
- 音響効果:齋藤昌利
- スクリプター:杉山昌子
- スタイリスト:浜井貴子
- ヘアメイク:井川成子、小山徳美
- 製作担当:根津文紀、島根淳
- ライン・プロデューサー:宿崎恵造
- 配給:ワーナー・ブラザース映画
- 制作プロダクション:光和インターナショナル
- 製作幹事:日本テレビ放送網
- 製作:「ドクター・デスの遺産-BLACK FILE-」製作委員会(日本テレビ放送網、ワーナー・ブラザース映画、KDDI、読売テレビ放送、バップ、読売新聞社、札幌テレビ放送、宮城テレビ放送、静岡第一テレビ、中京テレビ放送、広島テレビ放送、福岡放送)
(ウィキペディア「ドクター・デスの遺産」より抜粋)
感 想 (ネタバレも!)
映画自体よりも、原作に言及してしまうことが多いと思うので、まだ読んでいないかたは………また後ほど。ミステリーについて語るのは、とても難しいです。
と言っても、犯人の名前を書いたり、トリックについて言及するつもりはないのですが……(それは反則です!)(世のなかに「やってはいけないこと」は多々ありますが、推理小説のネタバレというのは、ヒトに危害を加えることに次いでやってはいけないことだと思います。)
原作と映画は別モノ
登場人物の名前が同じで、一部設定を流用している、まったく別の作品だと思うのが、とても平和な解決方法だと思いました。そして、その前提で感想を語るなら、おもしろい映画でした。
綾野剛さんが良いですね。刑事役が板についています。妻に先立たれ、男手ひとつで難病を抱えるムスメを育てていますが、ムスメが入院闘病中の現在は家のなかが散らかり放題です。そして、犬養(綾野剛)さんは犬養さんなりに、不器用ながらも、ムスメのことを愛しています。
北川景子さん演じる高千穂も素敵でした。美人で、強くて、感情豊かで。原作よりも融通が利く感じがします。
ムスメの犬養沙耶香(田牧そら)ちゃんも可愛かったです。原作よりも年少に見えました。おとうさん大好きで、カワイイ。守ってあげたい。闘病に疲れた感じとか、ままならない治療への苛立ちとか、身近なひとの愛情を試す感じはありません。
犯人は、安らかな死に顔が見たかったというサイコパスに変わっていて……快楽殺人者とどこが違うのかなって。
とはいえ、映画では犬養さんと高千穂が一緒にカウンターで呑んでいる場面があって、そういうところは、なんか良いなぁって思いました。高千穂……酒にのまれるタイプでしたか……
それから、犬養さんが散らかった部屋で食べる冷めたおべんとう。ムスメのために犬養さんが塩分を計算して作った、見た目にも素敵なおべんとう。原作には、そういった場面はなかったように記憶していますが、キャラクター同士の関係性や距離感が伝わってくるようで好きだなって思いました。
わたしも、原作を読んだのが1年くらい前なので(映画の予習のつもりで読みました)、細かいところに記憶違いなどもあるかもしれません。でも、原作を読んで「良いなぁ」って思ったところとか、印象に残ったところとか、考えさせられたところが、ほとんど変わってしまっているのが気になりました。
もちろん、わたしの読解力不足というのは否定しません!
そのうえで、この作品に携わった制作陣と単純に合わないってことかもしれませんが………
〔ネコの読書ノート〕2020年10月5日
「今度、映画が公開される作品 とても楽しみ!! 予習のつもりで読んでみた。これまでの作品のなかで、一番好きかもしれない。毎回、テーマは重くて、投げかけるものがある作品だなと思った。最後の娘ちゃんの言葉にすくわれる…。」
「投げかけられる」では?などと思ってみたり。そして、娘ちゃんの言葉を思い出せない。わたしは、なんの言葉に救われる気持ちになったの?………(救われるくらい漢字で書こう?)
過去のわたしが親切じゃない………そのせいですごく気になっています……(……まさか狙い通り…?!)(再読を妨げたくないということだろうけど、思わせぶりに書かれてもモヤモヤしてしまいますね。過去のわたし、そのつもりはないかもしれないけれどイジワル………)(今後の課題および改良点にしましょう………)
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まず、大前提として、殺人は悪です。どんな理由があろうと、許されざることです。それを、是とするものではありません。
そのうえで、わたしが、この原作で重要だと思ったのは「どこまでも正気であること」です。決して、狂っているわけではない。狂っていると言えば、狂っているのだけれど、それでは何をもって自分は正気であると言えるのか……
ドクター・デスは、自分はまっとうであると、誰かの役に立っている、困っているひとを助けている、社会正義であり、救済である、そう信じています。そして、その救いを必要としたひとがいる。ドクター・デスは犯罪者だけれど、それによって救われたと感じたひとがいる。そこには、被害者と呼ばれるひとも含まれている、ということ。
そして、ドクター・デス自身にも選択を迫られた過去があって、その経験が、それからの行動を後押ししてしまっている……という経緯があります。
だから、イカれているとか、刑法第39条が絡んでくるとか、そういう話ではなかったはずです。むしろ「安楽死」の是非を問う意欲作だったはず。
だから、眠るような死に顔を見るのが楽しいってなってくると、これはメッセージが変わってしまうのではないかなって思いました。犯人の過去が描かれることもなかったですし。
原作では、もっとストーリーに貢献してくれる個人が少ないというか、それぞれが我が道を行くというか、自分にとっての正義を持っている感じがしました。それぞれが、自分の正しいと思う行動を選択するので、「正しい」の定義を考えさせられるというか。その「ものさし」は、本当に「正しい」?
でも、俳優さんたちの熱演の光る素敵な映画だったことは確かです。だから、映画は映画で良かったというのは本当です。原作とは、また別のものになっていたけれど……
作品に対する責任を担うのは、脚本家さんであり、監督さんであるはずなので、彼らに対する評価として………覚えておこうと思います!φ(..)
選択というよりは、むしろ回避するために………ですね…🐥💦