ミオの備忘録

猫と音楽とミステリー、映画が好きです☆

映画『マチネの終わりに』

 こんばんは。お疲れさまです。

 前から気になっていたので、なんとなく観てみました✨

作品紹介

『マチネの終わりに』(マチネのおわりに)は、作家・平野啓一郎の長編小説。

あらすじ 

主人公の蒔野は、若くしてクラシックギターの最前線を背負ってきた若き天才ギタリスト。ある日、演奏会後の友人との食事会にて、通信社でジャーナリストとして活躍する、記者の洋子と出会う。出会った時からお互いに惹かれあった蒔野と洋子だが、実は洋子には婚約者がいた。東京・ニューヨーク・パリ・バグダッドを舞台に、二人の男女の物語が繰り広げられてゆく。

映 画 

  • 監督     西谷弘
  • 脚本     井上由美子
  • 原作     平野啓一郎「マチネの終わりに」
  • 公開     2019年11月1日
  • 上映時間   123分

キャスト 

(ウィキペディア「マチネの終わりに」より抜粋)

感 想 (ネタバレ?)

 作品全体をギターの音色が優しく包み込んでいるようで、良いなぁって思いました。音楽が好き。ウィキペディアのスタッフ一覧に「音楽:菅野祐悟」さんってあったので検索してみたら、今まで気にしたことがなかっただけで、これまでもいろんな作品で彼の音楽に触れていたみたいです。

 

 「人は 変えられるのは未来だけだと思い込んでるけど

  実際は 常に未来が 過去を変えているんだよ」

 「変えられるとも言えるし 変わってしまうとも言える」

 

 惹かれ合うふたりの間に、なんらかの企みをもった第三者が介入することで、想いがすれ違ったり、ボタンの掛け違いが起こってしまうような場面があって、すごくストレスフルでした。一時停止ボタンを押してしまったくらい。

 そもそもスマホなんていう個人的な持ちもののパスワードを第三者にたやすく教える蒔野(福山雅治)さんが迂闊すぎるんだと思います。でも、そういう個人的なつながりだからこそ、他人のなりすましに気づけないものなんだなって。

 

 小峰洋子(石田ゆり子)がパリで仕事をしているので、映画のなかではパリ同時多発テロ事件も起こります。原作の長編小説が、2015年3月から2016年1月まで毎日新聞朝刊で連載されていたということなので、原作通り……なのでしょうか。たしかに、現代を舞台にしているのに、起きたはずの事件が起こっていなかったら不自然ですよね。でも、なんだか不思議な気がします。現実が、舞台装置になっているような感覚。うまく言えないですが。

 

 登場人物の年齢は、ウィキペディアの紹介文にある生年を参考にすると演じた俳優さんとそんなに変わらないくらい。でも、それでいくと2015年時点で47歳では?(……そこは38歳なの?)

 なんとなく、こういうときに自分の先入観だったり、偏見だったりに気づかされるような思いがします。「いくつになっても自分の気持ちに正直に生きていい」「しがらみにがんじがらめになる必要はない」「ひとは自由で孤独なのだから」という想いと同時に「ひとには年齢に相応しい振る舞いがある」とも考えてしまう。10代、40代、80代では、社会的な役割や、責任、期待される仕事なんかも違いますよね。想いは変わらなくても、ずっと同じままではいられない……

 

 すれ違いが解消されて、かつての恋人たちが再びこころを通わせることができるのか……明るい画面で終わっているけれど、そこは観るひとに委ねられているのかなって思いました。

 わたしには、掛け違ったボタンを直しても、やっぱり元には戻らないように見えました。蒔野さんは、なんだかんだ子どもを大切にしそうです。妻のことも同じく。切り捨てたりはしないひとだと思うのです。

 ただ、再会したことで、ふたりが出会った過去が良い思い出に変わるんじゃないかなって。ふたりで紡ぐ未来は存在しないかもしれないけれど、楽しかった思い出をお互いに大切にしていくことはできるはず。そういうことなのかなって。

 

 いや、普通に添い遂げるかもしれませんけれど……(普通?)

 答え合わせではないですが、原作も読んでみたいなって思います。わたしの印象が合っていたのか、それともまったくの的はずれなのか、そこを知りたい……!

 

 そんなこんなで、今日はこの辺りで。また明日!🐥💓