こんにちは。お疲れさまです。
なんとなく図書館で借りてきました。前に映画を観たことがあって、原作も読んでみたかった気がしたので………
タイトル:かもめ食堂
発行年月日:2006年1月20日
著者:群ようこ
発行所:株式会社幻冬舎
(「かもめ食堂」奥付より抜粋)
ものすごく既視感がありました。知ってる感じ。
たしかに映画化された作品を観ているので、話の筋を知っているのは別に不思議ではないのですが、読後感というか観終わったときの感じが一緒です!(つまり、それだけ「映画が原作通り」ってことでしょうか?)
もしかしたら、読んだことがあったのかもしれない……と思えるほどに、サクサクと読み進めてしまえました。文章が読みやすいのと、展開にストレスがないのと、やっぱり映画を観ているので脳内に情景を容易に思い描くことができます。ブログを始めるまで、わりと定期的に書き残していた「読書感想ノート」にも登場しませんし、このブログにも書き残していないので、原作を読むのは初めてのはずですが………
主人公のサチエさんは、38歳です。それを知って、映画の俳優さんは少し年上だったのかな……などと思っていましたが、検索したら小林聡美さんは当時41歳なので、ほぼ同じですね。マサコさん(50歳)役の もたいまさこさん も当時53歳と原作に近かったです。
若くはない。でも、年でもない。微妙な年齢の女たち。
それぞれ、ひょんなことからフィンランドにやってきて、そこで出会います。フィンランドといえば、オーロラとムーミン。でも、ミドリさん(片桐はいり)もマサコさんも、そのどちらも目的としていなくて、「たまたま世界地図で指さしたから」「テレビで見かけて、興味を持っていたから」というようなきっかけです。サチエさん自身も、父の道場にいたフィンランド人の青年が可愛がってくれたから、その青年に請われヘルシンキの道場で指導するべく家族3人でフィンランドへ行ったことがあったから、そしてフィンランドという国が好きになったからというものです。
なんだか良いなぁって思いました。
彼女たちには共通点は何もないはずですが、どこかしら似ている部分があるのかもしれません。少なくともフィンランドに縁があったということ………
わたしは、ずっと事務員を続けていて突然解雇されてしまったミドリさんのことがよく分かる気がしました。わたしも旧態依然とした職場でのOL経験があるので、ずっと後輩・ずっと下っ端・ずっと可愛い女の子扱い、そして何の経験値を積むこともなく年月だけが重なっていく……そして唐突に梯子をはずされるかのようにお払い箱です*1。わたしのほうは自分から辞めたので、職場がなくなってしまったミドリさんとまったく同じではありませんが………
そういえば、映画に出てきたコーヒーがおいしくなるおまじない「コピ・ルアック」は原作には出てきませんでした。「かもめ食堂」にある据付の素敵なコーヒーメーカーについても。(こちらの「かもめ食堂」には、ないのかもしれません)
「自然に囲まれている人が、みな幸せになるとは限らないんじゃないかな。どこに住んでいても、どこにいてもその人次第なんですよ。その人がどうするかが問題なんです。しゃんとした人は、どんなところでもしゃんとしていて、だめな人はどこに行ってもだめなんですよ。きっとそうなんだと思う」
サチエはいいきった。
「そうですね。周りのせいじゃなくて、自分のせいなんですよね」(「かもめ食堂」p.152・153)
シナモンロールが食べたくなりました。おいしいコーヒーも。
そんなこんなで、今日はこの辺りで。また明日!🐥💓