こんにちは。お疲れさまです。
Netflixで配信終了だったので、すべりこみで視聴しました。前から気になっていたような気がします。
作品紹介
『グッドバイ〜嘘からはじまる人生喜劇〜』(グッドバイ うそからはじまるじんせいきげき)は、2019年制作・2020年公開の日本のコメディ映画。主演は大泉洋。
- 監督 成島出
- 脚本 奥寺佐渡子
- 原作 ケラリーノ・サンドロヴィッチ(太宰治『グッド・バイ』より)
- 配給 キノフィルムズ
- 公開 2020年2月14日
- 上映時間 106分
太宰治の未完の遺作『グッド・バイ』を独自の視点で解釈したケラリーノ・サンドロヴィッチ作の舞台劇の映画化。舞台版でヒロインを演じた小池栄子が同じ役で出演している。
あらすじ
舞台は終戦直後。文芸雑誌の編集長・田島周二は優柔不断なダメ男ながら、なぜか女にめっぽうモテるため、何人もの愛人を抱えていた。しかしある日、彼はそんな生き方を改め、愛人たちと別れることを決意する。だが、優柔不断な性格が災いして、なかなか別れを切り出すことが出来ないでいた。
そんな彼に、親友がある提案をする。それは1人の女性を偽の妻に仕立て上げ、妻に愛人の存在がばれたことにして別れを告げるというものだった。田島は金にがめつい担ぎ屋の永井キヌ子を偽の妻として雇う。キヌ子が泥だらけの顔を洗うと、誰もが振り返るほどの美女になった。
こうして田島は愛人と別れるため、キヌ子は金のために偽夫婦を演じることになる。
キャスト
- 田島周二:大泉洋
- 永井キヌ子:小池栄子
- 大櫛加代:水川あさみ
- 水原ケイ子:橋本愛
- 青木保子:緒川たまき
- 田島静江:木村多江
- 水原健一:皆川猿時
- 採石場の親方:田中要次
- デザイナー:池谷のぶえ
- 佳乃:犬山イヌコ
- 闇市のブローカー:水澤紳吾
- 易者:戸田恵子
- 清川伸彦:濱田岳
- 漆山連行:松重豊
- 野口:曽世海司
(ウィキペディア「グッドバイ〜嘘からはじまる人生喜劇〜」より抜粋)
感 想 (ネタバレも?!)
おもしろかったです。
みんな大好き太宰治、彼の未完の作品『グッド・バイ』を独自の視点で解釈した舞台劇の映画化。原作は青空文庫で読めます。映画を観てから、原作を読んだ覚えがなかったので青空文庫でさくっと目を通してみました。原作は、2人目の愛人・水原ケイ子(橋本愛)が登場するあたりで終わっています。映画が、ほとんど原作通りでビックリしました。1人目の愛人・青木保子(緒川たまき)の職業が美容師から花屋になっていたり、初老の不良文士が連行(松重豊)先生になっていたり、キヌ子を手籠めにする計画を立てたのが田島から連行先生になっていたり……比べてみれば細かな違いはありますが、些細なことです。そのうえ、続きがあって、完結している。なにはともあれ、それだけで最高です!(映画とは別の原作ですが、ドラマ化もしているみたい。大人気ですね!)
キヌ子(小池栄子)が良かったです。普段の野良着から、オシャレ着への変身っぷりとか、声が不思議なところとか。原作で「鴉声」と表現されていたので、なるほど……と思いました。
よく食べて、腕っぷしが強くて、ひとりで良く働いて、男に媚びず、そして美人。普段は野良着なのに、洋装の趣味も良い。映画を観に行くのが好きで、お金にがめつい。キヌ子、カワイイ。
田島周二(大泉洋)も合っています。なぜかモテて、来るもの拒まずで、結果的に多くの愛人を囲っている。愛人たちに妻がいることは隠しておらず(妻には愛人がいることは秘密だったらしい)、女好き。変なところで律儀。とんでもないやつのはずなのに、なぜか憎めない。編集長なのに、素直というかおバカなところもあって、連行先生のとんでもアドバイスに乗ってしまう。
妻と娘を疎開先から呼び寄せて、一緒に暮らしたいがために愛人たちと手を切ることにしたというのに、疎開先に立ち寄った連行先生から田島の愛人遍歴を聞かされた妻・静江(木村多江)は田島に三行半をつきつけます。田島には電報で別れを切り出し、愛人のひとり内科医の大櫛(水川あさみ)先生には手紙で「田島を頼みます」と。そして、妻は連行先生と一緒になると。………なんということでしょう。
青木さんには自分から別れを切り出し「グッド・バイ」を告げましたが、妻や他の愛人たちからは自分のほうが「グッド・バイ」を告げられます。……なんということでしょう……
愛人と別れるのは計画通りのはずですが、なんだか寂しい。捨てられた気持ちです。それに、肝心の妻に去られてしまっては、なんだったのか………
興味を持たれたかたは、是非!
なにもかもイヤになって、やけになって、キヌ子やその場にいた客たちに有り金をばらまいて、去っていく田島。道端で占い師に出会い、自分の名前や境遇を言いあてられ、今の自分の気持ちと向き合います。そして、キヌ子のもとへ戻ろうとしますが………なんということでしょう……
占い師の言うことをほとんど信じかけていたのに、どうして言われた通りの道を進まなかったのか。(少しでも早くキヌ子に会うために、遠回りしたくなかった……?) 遠回りを厭って、占い師の指差したのとは反対の道を進んだ田島は、強盗に襲われ、あっけなくこの世を去ってしまいます。なんという……………
そして、残された女たちが集って、偲ぶ会を開きます。キヌ子が金を出して、青山の一等地に立派な墓をたててくれたと。こんな感じで終わってしまうのかな……と思っていたら、さらに話は展開します。帰ってきた、〇〇。なんと?!(伏せ字にする意味……)
良かったなって終われる幕引きで良かったです。そこは、「グッド・バイ」じゃないんだなって。「せっかくだから、そのうち入るよ」ってくだりが特に好き。そうだね、そのうち。でも、今じゃない。それまでは、仲良く、しあわせに暮らしていってほしいなって思います。
そんなこんなで、今日はこの辺りで。また明日!🐥💓