ミオの備忘録

猫と音楽とミステリー、映画が好きです☆

映画『PLAN75』

 こんにちは。

 Amazonプライムビデオにて配信中。他の作品を観ていたときに、プロモーション映像を見かけて、気になっていました。なんというか、すごく身近に感じる題材なので………まったくの荒唐無稽というわけではなく、すぐ近くにある現実、隣り合わせの未来という印象があります。

 でも、思っていたのとは違いました。

作品紹介

『PLAN 75』(プランななじゅうご)は、2022年6月17日に公開された映画作品。日本・フランス・フィリピン・カタール合作。75歳以上の高齢者に対して自らの生死の権利を保障し、支援する制度「PLAN 75」の施行に伴う制度の対象者たちや市役所の職員、スタッフの苦悩を描く。監督は本作が長編映画初監督となる早川千絵、主演は本作が9年ぶりの映画主演作となる倍賞千恵子。第95回アカデミー賞外国語映画賞部門 日本代表作品。

  • 脚本 早川千絵
  • 音楽 Rémi Boubal
  • 配給 ハピネットファントム・スタジオ
  • 公開 2022年6月17日
  • 上映時間 112分

(ウィキペディア「PLAN 75」より抜粋)

感 想 (ネタバレも?!)

 なにがネタバレになるかは分かりませんが、ウィキペディアに詳細なあらすじが載っているので、時間を節約したいかたは、そちらをご覧ください。でも、映画だからこそ伝わるもの………というのはあると思います。

 角谷ミチ(倍賞千恵子)の年相応な感じに説得力があります。そのおかげで、夫に先立たれて、仕事を失って、先行きの見通せない不安な気持ちが、とても分かる気がします。仕事仲間が孤独死して、それは決して他人事ではなく、明日は我が身かもしれない。

 それに、仕事をしている間は話し相手がいるけれど、職を失うと誰とも話をする機会が持てなくなる。気のおけない仲間と他愛もない話をしたり、お菓子や果物を食べたり、そういう時間もなくなる。仲間たちには、それぞれの生活があるのに、自分には家族がいない。求職しても、年齢が引っかかって、なかなか職が見つからない。だからといって、生活保護は受けたくない。(いや……困窮しているなら申請すべき…)

 

 言わんとすることは分かります。でも、なんというか………細かく描かれているからこそ、妙なところが気になりました。バランスというか、なんというか………それについては、後から言及しますね。

 最後まで視聴して、なんとなく思ったことは、監督・脚本の早川千絵さんは安楽死について好意的ではないだろうということです。むしろ反対の立場なのでは………?

 わたしは、どちらかと言えば、肯定派です。生きているものは命ある限り、自身の生をまっとうすべきという考えではいるけれど、安楽死は(条件付きの)選択肢のひとつとして存在してほしい。現在はともかくとして、今から30年後………わたしが9つの命を終えるとき*1、もし必要なら選べると良いと思います。選ぶかどうかは別として。

 

 ウィキペディアのあらすじに「架空の現代」って書いてあって、フィクションなのは明らかですから、それはそれで良いとして、だからといって「フィクションだから何でもアリ」にしてしまうと途端に現実感が希薄になる………そんなふうに思いました。もちろん、ディスってるわけではないです。

 それから、よく弟に言われるのですが、わたしは読解力に長けてはいません。つまり、見逃している要素がたくさんあるってことです。なので、わたしの感想だけを真に受けずに、興味を持たれたかたは、ご自身で確認してください!

 

 ということで、後回しにした“気になってしまったこと”を並べてみます。(順不同)

  • ………ガスなんだ……?:映画を観たときは、分からなかったです。というより、それはないだろうと除外した節がある。だから、機器の故障と言われても今ひとつピンときませんでした。でも、ウィキペディアには「ガス」って。酸素とガスは別配管では………? というより、そもそも内服か点滴では?というか、せめて自分でコックを開けるとか、なんらかのアクションが必要では………? 受動的なのは、あまり良い感じはしません。それに、そもそものイメージが良くない。
  • 医師は不在ですか?:看護師はいるけど、医師の存在感がなかったです。影が薄い。でも、システマティックに死を扱うのなら、死亡確認のためにも必要では?
  • スピード違反よりも重大なのでは?!:施設から叔父の亡骸を引き取って、身内として火葬をしてあげようと奔走する岡部ヒロム(磯村勇斗)。急遽、空きのでた火葬場の時間に間に合うよう車を飛ばしてスピード違反で取り締まりを受けます。たしかにスピード違反はダメです。でも、助手席に遺体を乗せているのは、もっとアウトでは?(そもそも遺体を移送するときには、死亡診断書が必要では?) でも、関係性の確認だけでスルーされてる。………いや、生きているか死んでいるかは明らかでしょう?!スルーで良いの?

 あとは、“PLAN75”の申請をするのが自分で歩けて、書類に署名が出来るくらいしっかりしたひとばかりというのも気になりました。(むしろ、大事な労働力では?) システマティックに死が扱われているのに、死者の尊厳が守られていない感じがするところ。スタッフのリテラシーが低いところも気になります。サービス業として運営しているのであれば、余計に従業員教育は大切です。

 

 といった感じで、明らかに本筋とは離れたところで引っかかってしまいました。映画の内容に関しては、ミチさんが死ななくて良かったなって思います。この先はどうなるか分からないけれど、機械が故障していたことも、また運命なので、受け容れて生きていってほしいです。

 

 そんなこんなで、今日はこの辺りで。また明日!🐥💓

☆☆☆ 毎日お疲れさまです。あなたが笑顔で過ごせる日々でありますように!☆☆☆

*1:なにせ既に100歳を超えるネコ……ですので…😽💓