ミオの備忘録

猫と音楽とミステリー、映画が好きです☆

「ひとりでカラカサさしてゆく」

 こんにちは。

 わたしが探していた本は、これだったのかもしれません。本屋さんで見かけて、少し離れて、また戻ってきたときには先に見かけた場所には見あたらなかったという………

 たぶん僅差で買われてしまったのだと思いますが、スマホで検索しても分からなくて、新作のはずだけれど、これなのか、あれなのか、どれだっただろう?表紙とあらすじにピンときたはずなのに………と思ったような、思ってないような……

 装丁が、壁紙っぽいというか、布っぽいところが、ファブリックって感じで好きです。模様も可愛い。地の色が灰色なところも良いですね。幼稚園の頃の制服の色が、ちょうどこんな感じでした*1

  • タイトル:ひとりでカラカサさしてゆく
  • 発行年月日:2021年12月20日
  • 著者:江國香織
  • 発行所:株式会社新潮社

(「ひとりでカラカサさしてゆく」奥付より抜粋)

感 想 (ネタバレも?!)

 気になる装丁は、印象通り「デンマークのテキスタイルプリンター」Marie Gudme Leth さんの作品………のようです。(検索しましたが、よく分かりません。本には「装画“Friendship” ©Marie Gudme Leth, Designmuseum Denmark, Photo:Pernille Klemp / PPS通信社」とあります) ただ、Friendshipという作品名が象徴的だと思いました。

 タイトルの「ひとりでカラカサさしてゆく」は、童謡「雨降りお月さん」の一節とのことです。登場人物のひとりが、お月さんがお嫁に行く歌だと思っていたと話すくだりがあって、違うの?!って思いました。今ひとつ覚えておらず歌詞を検索しましたが、わたしもそう思います。お月さんを擬人化した歌だと。それから、手綱の下から見ているのも馬自身だと。

 だって、お月さんでもなければ、ひとりでお嫁には行かないでしょう? キツネだって行列を作って行くはずなのに………

 

 最近、バラエティやドラマ、映画を立て続けに観ていて、感想をまとめるのが追いついてないです。なかなか文章にまとめられない。それに、時間が経ってしまうと、印象が遠ざかってしまって余計に難しくなります。でも、インプットとアウトプットは両輪。書くこと、誰かに伝えようとすることで、記憶に残る………みたいなことを読んだような気がするので、頑張ってみます✨

 

 話がそれましたね。

 この話は「大晦日の夜、ホテルの一室で、高齢の男女三人が猟銃自殺を図った」という衝撃的なエピソードを軸に展開していきます。当の男女三人が待ち合わせるところから、しばらくの時間を一緒に過ごして、自殺を決行しようとする直前まで。それから、遺された家族や知人の想いや生活。そういったことが、いろんなキャラクターの視点から、現在と大晦日の時間を行ったり来たりしながら、紡がれていきます。

 ドキドキしながら読んでいましたが、肝心の事件自体の描写はないので安心しました。どれだけ意思が堅くても、覚悟を決めたつもりでも、直前に翻意することはありえる話です。淡々と、粛々と執行されたのか、それとも………せめて、もっと穏やかな方法にするわけにはいかなかったんでしょうか……?*2 あとに引けない、取り返しのつかない状況というのは、やはり恐ろしいです。

 

 主人公のひとり篠田完爾さんの孫・葉月に、親近感を覚えました。亡くなったあとのほうが祖父を身近に感じるってところ。生前よりも祖父のことを考えている。もっと、いろいろしてあげられることはあったはずなのに、葉月と違って、思い出せるような思い出らしい思い出も存在しません。いつも実母と嫁に挟まれていたな、とか。(今覚えば、祖母にとっても怖いお姑さんだったと思われます…) 女系家族で、妻と3人の娘にもやり込められていたな、とか。建付けが悪い建具を、いつもきちんと閉めなくて怒られていたな…とか。(「ちゃんと閉めて!寒い!」) だいたい少しだけあいているんですよね。建付けのせいですけど。とても懐かしいです。きちんとしようとしているひとで、実際きちんとしていたひとだった。わたしと違って。

 

 そんな恐ろしげな方法にしなくても良かったのに………というのは何度も考えてしまいます。

 

 実際に体験したことでなくても、江國香織さんの作品を読むと、経験として胸に迫ってくるものがあります。たとえば、霊園。そこに行ったことはないけれど、もしいつか似たような場所に立ったとき、この作品の何らかのフレーズを思い出すだろうという予感というか……そんな感じ………

 興味を持たれたかたは、是非!

 

 例によって、気になったトピックを書き出しておきます。曲のタイトルが多いのは、文字で見ても実際の音楽とすぐには結びつかないからで、逆に思い出せるようなビッグタイトルは書き残すことはまれです。

踏子にとって、死はまだ遠い何かだ。若くして亡くなる人もいるし、いずれ間違いなく来る何かだと理屈ではわかっているが、具体的に想像するのは難しかった。とくに、こんなにおいしいものをたべているときには。

 わたしも踏子さんと似たような気持ちです。って、なんとなく音から陶子だと思いこんでいましたが、書いてみたら違ってました………(陶器じゃなかった)(自分にビックリ。読んでるのに読めてない。思い込みって怖いですね………🐥💦)

 

 そんなこんなで、今日はこの辺りで。また明日!🐥💓
☆☆☆あなたが笑顔で過ごせる毎日でありますように!☆☆☆

*1:わたしが通っていたところは、上着がブレザーで下はプリーツスカート。それから、帽子に蝶ネクタイでした!(とはいえ結ぶタイプではなく、ネックレスみたいに金具で留めるタイプです)

*2:お手軽な方法にすると、その影響で自殺するひとが増えてしまうと考えられるからでしょうか?影響力を考えた結果???