前から気になっていたのですが、なかなか機会がなく、ここまできていました。「姑獲鳥の夏」に次ぐ映画化作品。
原作は、だいぶ前に読了しています。「読む鈍器」と呼べそうなほど本の厚みに定評のある小説家・京極夏彦先生。大好きです。分厚いけれど、読み始めれば、どんどん読み進めることができて、読み終わったときの達成感もあります。
でも、わたしが読了した作品は少ないです。百鬼夜行シリーズは、3作目の「狂骨の夢」まで、あとは「嗤う伊右衛門」「ルー=ガルー 忌避すべき狼」(自分と同じ名前のキャラクターがいて、ちょっとうれしかったです。細かい部分は忘れてしまったけれど、頭が良いようでいて知識に極端な偏りがあり、結果的にアホ可愛い子だったように思います。名は体を……?!)
検索したら、百鬼夜行シリーズは新カバー版が出ているみたいなので、あらためて揃えるのもアリですね。(公式サイトに「読む隕石」ってありました。)(「煉瓦本」という表記もあって、まさにそのままですね!)
今昔百鬼拾遺は「鬼」「河童」「天狗」と購入していて、積読にしています。「月」も出てたなと思っていたら、前述3冊の合本とのこと。でも、大幅な加筆訂正が加わっているとのことなので、それも読んでみたいです。
作品情報
『魍魎の匣』(もうりょうのはこ)は、京極夏彦の長編推理、伝奇小説。百鬼夜行シリーズの第2弾。第49回日本推理作家協会賞受賞作。2007年12月22日にこれを原作とする映画が公開された。さらに、2008年10月から12月までテレビアニメが放送された。
登場人物
中野で古本屋「京極堂」を営む男。親しい者からは店の屋号に因んで「京極堂」と呼ばれる。家業は安倍晴明を祀る神社の宮司で陰陽師、副業は拝み屋。鳥口から相談を持ちかけられ、2つの事件に関わっていくことになる。美馬坂幸四郎と面識がある。
小説家。中禅寺の学生時代からの友人。学生時代は鬱病に悩まされ、現在も完治には至っていない。鳥口に半ば強引に引き込まれる形で、事件に関わっていく。
「薔薇十字探偵社」を営む私立探偵。中禅寺と関口の旧制高等学校での1期先輩であり、木場の幼馴染。人の見た「光景」のみを、音・感情の介入なく「見る」ことができる。増岡から行方不明になった柚木加奈子の捜索を依頼され、京極堂を訪ねる。
中禅寺敦子(ちゅうぜんじ あつこ)演 - 田中麗奈
青木文蔵(あおき ぶんぞう)演 - 堀部圭亮
前作『姑獲鳥の夏』より登場。東京警視庁の刑事で、木場の部下。こけしのようだといわれる。特攻隊くずれで、優男だが度胸のある男。謹慎中の木場にバラバラ事件の情報を提供する。
映画
前作『姑獲鳥の夏』の日本ヘラルド映画に代わり、ショウゲートの配給により2007年12月22日公開された。
2005年に撮影が開始され、2007年5月に完成した。内容は小説版の主要エピソードを組込みながらも、大胆な改変が行われている。昭和27年の東京を再現するため、中国上海でロケが行われた。ノベルス版に写真が掲載されていた美馬坂医学研究所の箱のような建物もセットで再現している。
刑事の青木さんが、堀部圭亮さんです。最近、どこかで検索したなって思ったら、「ハチミツとクローバー」の藤原デザイン事務所の双子の社長でした(藤原類二)(ルイジ)。短い登場シーンながらもインパクトがあって、好きなキャラクターです。今回の青木さんも良きです!
感 想
おもしろかったです。好きな小説の実写映画化となれば、感想も辛口になりそうなものですけど、すごく良かったです。
原作を読んでから時間が経っていて、いい感じに細部の記憶が薄れているから……という理由もありそうですが、どのキャラクターも「らしさ」があって、まさに「そのもの」って感じがしました。堤真一さんの京極堂、良かったです。和服が似合ってました。格好良い。関口くんとの絡みも、なんだかんだ仲良しだなぁ。関口くんは、オロオロしたり、早口で話したり、独特なキャラクターですが、実写版は顔が良いので全てが味になるというか、愛すべきキャラクターになっている気がしました。榎木津さんは、たぶん原作を読んだときは線が細くて儚げなビジュアルを想像していたような気がしますが、これはこれで大正解です。
内容について、詳しく語るのはやめておきますが、テンポがよく、長々と勿体つけられることもないので、とても観やすいと思います。推理小説が原作なので、事件はきちんと解決して終わります。そこが良いのです。
……………「ほぅ」
前作「姑獲鳥の夏」も観てみたいです。🦋