ミオの備忘録

猫と音楽とミステリー、映画が好きです☆

映画『羊の木』

 ミステリーだと思っていたら、ジャンル分けは「サスペンス」「スリラー」になってました。なるほど、納得です。先に、そのジャンルを知っていたら、心構えが違ったかもしれません。

 

 前から気になっていたけれど、なかなか観ることができませんでした。なぜなら、怖いから!検索したら、原作は漫画なんですね。……それは、余計に怖いです。小説以上に、なんでもありって感じがします。

 ……ということで、ドキドキしながら観ました。

作品情報

『羊の木』(ひつじのき)は、山上たつひこ原作、いがらしみきお作画の漫画。また、それを原作とした実写映画。

実写映画

2018年2月3日公開。映画では、街に移住してくる元受刑者が「6人の元殺人犯」になる等、設定が原作とは大幅に変更された。

あらすじ(実写映画)

過疎化の進む富山県魚深市で、地方都市に元受刑者を移住させるという国の極秘更生プロジェクトを行う。6人の元受刑者を順番に迎えに行く月末一(錦戸亮)は、彼らがどこか普通ではないことに気づく。彼らが元殺人犯であることを聞かされた月末は魚深で暮らす彼らを見守っていくが、周囲では徐々に彼らの過去が明かされていく。

キャスト 

月末一:錦戸亮 - 富山県魚深市の職員。元受刑者の受入れ窓口。バンドが趣味で、ベースを担当する。

石田文:木村文乃 - 月末一が思いを寄せる同級生。バンド仲間でもあり、ギターを担当する。千葉県で医療事務の仕事をしていたが、地元の魚深市に戻ってスナックに勤める。

杉山勝志:北村一輝 - 元受刑者。傲慢で粗暴な釣り船屋。傷害致死、懲役8年。アウトローの世界にいたためか勘が鋭く、宮腰が同じ元受刑者であることや、目黒が復讐のために人探しをしていることを即座に見抜く。

太田理江子:優香 - 元受刑者。介護士。夫とセックス中に勢い余って絞殺してしまう。殺人、懲役7年。恋愛体質で、介護施設に入っていた一の父親・亮介と恋仲になる。

栗本清美:市川実日子 - 元受刑者。人見知りの清掃員。酒乱でDVの彼氏を殺してしまう。殺人、懲役6年。

福元宏喜:水澤紳吾 - 元受刑者。気弱な理髪師。職場のいじめに耐えかねて上司を殺してしまう。殺人、懲役7年。酒乱で、祭りで大暴れをしたことで元受刑者同士の接点を作ることになる。

大野克美:田中泯 - 元受刑者。寡黙なクリーニング屋。元暴力団員で、顔に傷がある。殺人、懲役18年。

宮腰一郎:松田龍平 - 元受刑者。宅配業者。街で因縁をつけられ逆に殺してしまい、過剰防衛と認定される。傷害致死、懲役1年6か月。一と初対面から妙に心を開いており、過去の罪状を打ち明けたりギターを始めたりするなど友人関係を築こうとする。

目黒厚:深水三章 - 息子を殺した宮腰を探し魚深市に来る。

(ウィキペディア「羊の木」より抜粋)

ネタバレありの感想

 おもしろかったです!ずっとドキドキ、ハラハラしながら観ていました。見ていられないほど残虐だったりはしませんし、後味も悪くなかった。

 市町村が身元引受人になって、元受刑者を受け入れるとか。そのプロジェクトを知っているのは、市長と担当者(月末一・錦戸亮)だけとか。なんというか、過疎地の危機感からか、わりと自由裁量な魚深市です。秘密を守るには、それを知るひとを限ったほうが安全というのは分からないでもないですが、全体的に適当というかいい加減だなぁ……。そんな上司に振り回される月末さん。こっそり上司のパソコンを覗いて、秘密を把握してしまう同僚くん。(なかなかやるな!)(受刑者同士の連携を防ぐために、他の受刑者のことは秘密で、全員が自分ひとりが魚深市に来たと思っています。それなのに、イベントに彼ら全員を誘ってしまうとか……楽天的というか強いですね)

 気になる同級生は帰ってくるし、元受刑者の宮腰(松田龍平)には懐かれる。実父は、介護施設で元受刑者の太田(優香)と好い仲に。月末さん、ひたすら気苦労が多そうです。不憫。好きなひとに想いを伝えられなかったり、そうこうするうちに先を越されてしまったり、好きなひとを心配したり、喧嘩したり、そのせいで他人の秘密を口走ってしまったり……

 

 宮腰さんにも、過去を知る男が追いかけてきたり……いろいろあります。基本的に、なにを考えているのか分からない、行動原理が読めないあたりが、少し不気味で怖いなって思いました。

 でも、(あれ?そんなこと言っちゃいますか?)ってひとに対して、言われっぱなしでなく、容赦なく実力行使するので、観ていて、ドキドキしながらも爽快ではあります。他人事のように。

 

🐾🐾🐾🐾🐾🐱

 そして、さらに上位の存在が、ウチのシマで好きにしよって……とばかりに登場するかのような流れ。偶然?超常現象?

 そんなふうに幕を下ろしてしまうの?そして、どうなるの?という不安が過ぎったところでの現象なので、なんだか気持ちがジェットコースターでおもしろくなってしまいました。なんてことだ!

 

 モデルとなったのは、富山県魚津市とのことです。住みよさランキング2017で全国6位!(東洋経済新報社調べ) 魚津市イメージキャラクター ミラたん、可愛いです。検索していたら、「人もいい、魚もうまい 魚深市―。」〈魚深市移住!?ガイドマップ〉なるロケ地の紹介マップを見つけました。本気だ……

 作中には「のろろ祭」という魚深市の毎年恒例でおこなわれる奇祭が登場します。モデルとなった祭りも存在するのかと検索してみましたが、あいにく見つけることが出来ませんでした。でも、魚津市のお祭りは見つかりました。

・じゃんとこい魚津まつり

・小川寺の獅子舞

 おもしろそうだなと興味深く見ていたら、今年の「じゃんとこい魚津まつり」は感染拡大防止のため開催中止とのこと。苦渋の決断だということは察することができますが、全国各地でいろんなイベントが中止になっていて、なんだか寂しいです。

 でも、落ち着いたら、ぜひ行ってみたいと思いました。

 

 冒頭、意味ありげに表示されていた詩文のようなものが、すごく気になりました。なにかの引用なのかな。検索したけれど、うまく見つけることが出来ません。元ネタがあるのなら、読んでみたい気がします。

 その種子やがて芽吹き タタールの子羊となる

 羊にして植物

 その血 蜜のように甘く

 その肉 魚のように柔らかく

 狼のみ それを貪る 「東タタール旅行記」より

 

 エンドロールが斜め左上から右下に流れていくところが、不穏で新鮮でした。(だいたい下から上へ流れていく)🦋

羊の木

羊の木

  • 発売日: 2019/07/25
  • メディア: Prime Video