なんとなく気になっていた映画。生活音が気になっていたこともあって、観てみました。
たまった洗濯ものを洗ったり、干したり、コンビニに牛乳とパンとシュークリームを買いに行ったり、本命の注文していた冊子を引き取りそびれたり、コーヒーを飲んだり、映画を観たり、特別なにをしたわけでもないけれど、なんだか満たされた休日でした。途中で両親が帰ってきたので、コーヒーを淹れて、シュークリームを一緒に食べて、なんとなく一緒に観ました。
わたしは、映画は最初から観るか、途中からなら観ないか、とりあえず観ておいて近いうちに最初から観たところまで観るか、あたりなので、内容が分からないままに観てしまえる(そして、あまり気にしない)母は母だなって思います。映画館でも寝てしまえるくらいなので、物語にこだわりがないのかな……
作品情報
『おと・な・り』は、2009年5月16日に公開された日本映画。主演はV6の岡田准一。
監督 熊澤尚人
脚本 まなべゆきこ
実際には「おと な り」文字同士の間に空白1つと2つが入る。
キャッチコピーは「初めて好きになったのは、あなたが生きている音でした。」
撮影は東京都国分寺市にある花屋で行われた。
ストーリーに絡む挿入歌にはっぴいえんどの「風をあつめて」が採用されている。
キャスト
岡田准一:野島聡
谷村美月:上田茜
岡田義徳:氷室肇
池内博之:SHINGO
市川実日子:平川由加里
とよた真帆:雅子
平田満:荒木社長
(ウィキペディア「おと・な・り」より抜粋)
ウィキペディアが、他のいろんな映画と違って、役名と俳優さんの名前が逆転していますね。俳優:役名になってる。
流れはあるけど、これといった筋があるような、ないような感じなので、なにを言っても内容には触れてしまいます。でも、あらすじだけを説明して、おもしろいと思ってもらえるかは分かりません。というわけで、今回は実況してみます。(と言っても、本当に実況しているわけではなくて、映画を観ながら思ったことをメモして、あとで記憶を頼りにまとめています)
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ネタバレな感想
ほとんど終盤まで、主役ふたりが顔を合わせることがなくて、とても新鮮でした。出会いそうで、出会わない。でも、出会えなかったのか……と思いきや、ようやく出会える。
エンドロールも好き。声しか聴こえないけど、続きがあったんだな。これからも、続いていくんだろうなって感じがして、作品全体の色になっている気がしました。
内容としては、わりとストレス度が高めです。
まずは、野島さんの部屋に「親友でモデル(SHINGO)の彼女さん」が押し入ってくるところ。
ムリです。理由も言わずに、他人の家にずかずか踏み入ってくるのとか、なんか怖い。ダメって言ってるのに、勝手に暗室に入るし。(そこで、たぶん写真がダメになってしまっているし)
冷蔵庫や冷凍庫のなかには、さすがに入れないんじゃないのかな。大丈夫なのかな。このひと。
とりあえず、暗室を勝手に開けた時点で、わたしにしてみたら全力で顔を殴りつけても正当防衛な気持ちになりましたが、野島さんは困ってはいても殴らない。えらい。人間ができている。
というか、普通は、そんなに簡単に、ひとはひとを殴らないものですか?ミステリーの摂取し過ぎです?だって、もう事案ですよね、コレ。
でも、殴らないし、妊婦だからか無理に追い出すこともなく、ちゃんと家に置いてあげるし、親友の彼女ってところを信じたからかは分からないけど、野島ってイイヤツ。
そして、第一印象は最悪なのに、茜(谷村美月)さんのことが、だんだん可愛くみえてくる。不思議。
うるさいし、うざいけど、おいしいコーヒーを淹れてくれる。それから、家に帰ったときに、あたたかい料理が待ってるとか最高ですね。掃除もしてくれて、ただ居座っているだけじゃないなんて……。妊婦さんなんだし、ずっとソファでダラダラ過ごしていれば良いのよ。たぶん。自分が居心地良く過ごすためだとしても、掃除と料理ができるひとに悪いひとはいません。
得意料理を作ってみました!で串揚げが出てくるとか、スペック高い。家で作れるんですね。串揚げが嫌いなひとなんて、ほとんどいないですよ。おいしそう。良いなぁ。
って、コロッとほだされているので、ちょろいなぁと思いました。わたし自身が。おいしいごはんに弱いんだろうな……
あと、餃子も皮から作るなんて、スゴイです。っても、餃子の場面は、仕事であれこれあった野島さんが酔っ払って帰ってきて、最初は(結果的に)餃子がひと皿分ダメになってしまうので、悲しみです。野島(岡田准一)さんと茜さんの間にやりとりがあって、茜さんが家を出ていくのですが、それを野島さんが追いかけて、謝って、引き留める。いや、迷惑していたんだから丁度いいじゃないって思うけど(そんなわたしは人でなし)、これ幸いと追い出すこともせず、なんなら連れ帰って、一緒に食卓を囲む。
野島さん!いいひとですね!
餃子!おいしそうね!
(青い皮の餃子はどうやって作ったんだろう?おいしそう……かは微妙なところだけど、とても手がこんでいる感じがします)
って、うっかり野島さんサイドの話ばかりしてしまいましたが、七緒(麻生久美子)さんサイドは、地味なストレスが持続していく感じで、そんなにメモがありません。いや、結果的には、ものすごいストレスなんですけど……
職場の花屋に来たお客さんに、好きなひとに渡す花をオーダーされて、好みを聞きながら花束を作ります。「うまくいくと良いですね」って渡したら、受け取ってくださいと渡し返される。
戸惑いしかありませんね……
そのお客さんは、七尾さんがいつも行くコンビニの店員さんで、よく知らないけど好きになったと。まぁ、そういうこともあるかもしれません。
わたしの小学校からの友だち(A-ちゃん)も、旦那さんとの馴れ初めは、コンビニでバイトしていた旦那さんにお客さんとして通っていた彼女が告白されたことだったそうですし……実例がないわけじゃない。それは、分かります。
で、告白されたせいで、なんとなく足が遠のいてコンビニに行かなかったら、昼間に花屋へ客として来ます。
「怖い怖い 昨日来なかったからって、マジ怖い」←メモ
地道に勉強して、試験を受けて、結果待ち。
そんななか、花屋に新たな人影が……………
コンビニ店員の氷室(岡田義徳)さんは、小説家になる夢があって、七緒さんとの会話なんかを勝手に小説にしていたことが判明します。ご丁寧に彼女の気持ちを代弁してって……………うわぁ……せめて自分の視点で書けば良いのに、発想が気持ち悪いです。リアルのなさって指摘されてるの、そこじゃない?
赤裸々にさらけ出すべきは自分自身でしょう?相手を切り刻んで、勝手に表現して、なにが小説家か……失笑です。
わたし、このひとキライです!
現実世界で、誰かを嫌うことなんて、そんなにありません。でも、映画のなかのひとを嫌うことはあるんだなぁ。
って感じで、壁を隔てて、カメラマンの野島さんと花屋さんの七緒さん、ふたりの生活が描かれていました。
洗濯ものを干しながら口ずさむ歌だったり、ドアを開ける音、ドアチャイム、加湿器の水が切れたアラーム音、言い争う声、コーヒー豆を挽く音、フランス語を練習する声、それから泣き声が聴こえたりします。泣いている気配がするときに、いつも彼女が口ずさんでいる歌をハミングするところがやさしさだなって思いました。ちゃんと励ましになってる。
いい曲ですね。「風をあつめて」
なんか、知らないけど知ってる。どこかで聴いたなって思って検索したら、マウントレーニアのCMで窪田正孝さんが歌ってみえました。2020年ってことは、去年ですか。
氷室さんは気持ち悪いひとでしたけど、ひとつだけ知らなかったことを教えてくれました。音について。
基調 きちょう
意味
1 思考や行動、作品などの基本となる考え方や調子。
「友情を―とした作品」「白を―とした服」
2 音楽で主となる調子。主張。
(国語辞典オンラインより「基調」(きちょう)の意味)
映画のなかでは、聴いていると穏やかな気持ちになれる音。あたりまえのように自然に受け容れられる音って説明されていました。赤ちゃんが、お母さんの心音に安心する……みたいな。
小さなころ、線路の近くに住んでいたので電車の走行音には安らぎを感じます。引っ越して、あのガトンゴトンって音が聴こえないことに気づいたときには、しばらく落ち着かなかったくらい。(今は慣れました)
あれも、基調音だったのかな…………………🦋