ミオの備忘録

猫と音楽とミステリー、映画が好きです☆

秋の夜長はミステリー👓📖

 こんばんは。通常運転に戻ったはずですが、「今週のお題」が新しくなっていたので参加してみます。

 

 秋は夜が長いので、本を読むのにピッタリですね。あたたかい飲みものを手元に用意して、ブランケットを膝にかけて、お気に入りの場所で、気になる本に没頭する時間。至福です。

 

 とはいえ、最近は忙しさにかまけて、ほとんど読書ができていませんでした。読もうと思った本が、積ん読のままです。読みたい気持ちは、あるんですけどね……なんというか、本を読むには疲れすぎている今日この頃です。

 読むのが速いわけでもなく、読みたい本はたくさんある。でも、せっかくの休みに本1冊しか読めなくて、しかもそんなにおもしろくなかったかも……なんて思ってしまった日には、(この時間はなんだったんだろう?)みたいな虚無に包まれてしまいそうで、なかなか時間がとれません。嗅覚なのか、なんなのか、そこまでおもしろくない本に出会ったことはないのですが……せっかくなら「確実に」「おもしろい」「満足できる」そんな時間を過ごしたい。そして、癒やされたいです。

 映画やドラマは、テレビをつけるだけで良くて(……わたしの場合はメガネも必要ですが)、ほぼ受け身で楽しめる娯楽だと思います。それに対して、本を読むのには、文章を目で追うという、前のめりな自発性が必要な気がします。

 

 って、なんだかせっかくのお題に言いがかりをつけてしまいましたか……。そんな感じで、以前ほど冊数を読んでいませんが、ごく最近の読み終わった本は次の2冊です。

👓📖『カナダ金貨の謎』有栖川有栖 講談社ノベルス 2019年9月18日発行〈国名シリーズ〉第10弾 臨床犯罪学者の火村英生と推理作家の有栖川有栖が活躍するシリーズの(多分)最新刊!

 ミステリーなので、ひとつひとつの話について語るような野暮はしません。でも、好きな作品について少しだけ。2番目に収録されている「エア・キャット」タイトルもそうですが、好きな感じの作品です。でも、その他の作品は読んだことがないのに、これだけ何故か既視感が……その謎は(っていうか謎ではない)あとがきで解消されてしまいました。というのは、文春文庫の一冊として編まれたアンソロジー『猫が見ていた』に収録されていたとのこと。そちらで読んでいたということでしょうか……(記憶力に自信がありません)(書影に覚えがあるような……ないような…)(それにしても可愛い猫さんです💓)

 それから「あるトリックの蹉跌」は、たしかドラマが放送された前後でJTとタイアップされていた作品で、すごく気になっていたので読むことができて、しあわせでした。ようやく会えた!

 「トロッコの行方」は、トロッコ問題が出てくる作品です。あとがきを抜粋させていただくと「トロッコ問題にある状況をミステリに落とし込めないか、というのが着想の起点だった。ドイツ人作家フェルディナント・フォン・シーラッハの『テロ』が同じ思考実験を扱っていたことを執筆後に気づいたが、まったく別の物語である」「舞台化(観客が参審員として評決に参加する)され、日本を含む世界各国で上演されている。」そちらの作品も気になります。そして、舞台も! ………話を戻して、トロッコ問題について考えるなら、わたしも「なにもしない」かな……人数の問題ではないし、正義を問われているわけでもないのでしょうけど……

 

👓📖『くらげホテル』尾﨑英子 角川書店 2018年5月31日発行 

 ―――不思議な縁に導かれてフィンランドのホテル「メデューサ」を訪れた男女4人の話―――

 まったく接点がないようでいて、かすかな糸でつながっている。キーワードは「くらげ」です!(ネタバレ)(?)

 小さい頃は、そうでもなかったのですが (イルカとかラッコとか。可愛くて賢い海の生きものが好きだった)、オトナになってからは海を揺蕩う「くらげ」に癒やされます。ふよんふよんしていて、なんか良いなぁって……。

 そんなわけで、タイトルに惹かれて読んでみました。どんな話かというのを説明するのは難しいのですが、なんだか隣に寄り添ってもらえるような、背中があたたかくなるような、そんな話でした。読んでいないと何のことやら……かもしれませんが、こころに残った箇所を引用しておきます。

 気になったかたは、是非ご覧ください!

 他人に感謝される人間になりなさい。

 大好きな祖母の言葉は、わたしにとって何よりもたしかな羅針盤となった。

「むつかしいことじゃないんだよ。いつも笑顔でいること。気持ちよく挨拶すること。ありがとう、ごめんなさい、をちゃんと言えること。そういうことがきちんとできる人は、一緒にいて気持ちのいい人だよね。あなたがいてくれてよかった。そう思ってもらえる女の子になりなさい。

「わたし、自分が思っていたよりも早く、この世界からいなくなってしまうのは、しょうがないことだと諦めている。わたしは、役目を終えたのかもしれない。土星の探査機カッシーニが使命を終えて燃え尽きたように、わたしも、この世界での存在を終えるのよ。

 それぞれが望むところで息災であれば、それでよし。

「大好きなおばあちゃんの言葉の呪縛のせいで、うまく生きられないんだって思うようになっていた。そう思うほうが楽だったから」

「別にさ、うまく生きられなくてもいいと思うけどね、俺は」

俺らは普通なら得られないような機会を棒に振ったのであり、けれど自分で決めた選択が正解だと思って生きていくしかないのかもしれない。

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今週のお題「読書の秋」