ミオの備忘録

猫と音楽とミステリー、映画が好きです☆

ドラマ『贖罪』

 Netflixで12月13日まで。

 湊かなえさんの作品はわりと読んでいると思います……って検索してみたら、そうでもなかったです。(「告白」「Nのために」「白ゆき姫殺人事件」は原作を読んでいて、映画化・ドラマ化されたものも観ました。)(どの作品も、映像には映像の良さがあって、大好きです!特に「Nのために」!)(ちなみに「贖罪」は読んだことがありません。)

 どんな話か分からないから、ドキドキします。ウィキペディアには、ジャンル 推理小説(イヤミス)ってありました。イヤミス……なんですね…

作品情報

『贖罪』(しょくざい)は、湊かなえによる日本の小説。著者の第3作目。デビュー作の『告白』と同じく章ごとに主人公が変わる独白形式で書かれている。第63回日本推理作家協会賞長編及び連作短編集部門候補作。

あらすじ 

とある田舎町にできた足立製作所の工場と、社員のために建てられた田舎には不似合いな瀟洒な社宅。そこに越してきた転校生エミリの環境に憧れや羨望の思いを抱きながら、4人の小学生はエミリと仲良くなる。夏休みのある日の「グリーンスリーブス」が鳴る午後6時、彼女達はエミリの死体を発見する。彼女達は犯人を見ていたが、その顔を思い出すことが出来なかった。15年後、彼女達が抱き続けてきた罪の意識と、エミリとエミリの母に対する償いが、さらなる悲劇を巻き起こす。

テレビドラマ 

2012年1月8日から同年2月5日まで、WOWOWの連続ドラマW(毎週日曜日22:00-23:00〈JST〉)で放送された。

キャスト 

メインキャスト 

その他(15年前) 

第1話 

第2話 

  • 田辺教諭 - 水橋研二
  • 村井教頭 - 池田成志
  • 校長先生 - 清水一彰
  • 山瀬先生 - 法福法彦
  • 丸山先生 - 大塚ヒロタ
  • 関口和弥 - 裵ジョンミョン

第3話 

第4話 

第5話 

スタッフ 

  • 脚本・監督 - 黒沢清
  • 音楽 - 林祐介
  • プロデューサー - 高嶋知美、荒川優美、飯塚信弘
  • 制作プロダクション - ジャンゴフィルム
  • 制作協力 - 日活撮影所
  • 制作著作 - WOWOW

(ウィキペディア「贖罪(湊かなえ)」より抜粋)

感 想 (ネタバレも?!)

 出だしから、ものすごくストレスフルです。エミリちゃんの母である麻子(小泉今日子)さんが、子どもたちにトラウマを植え付けるような存在で、とにかく怖いです。我が子を亡くして、なんで?って受け容れられない気持ちは、想像できなくはないですが……それでも、娘のお友だちを責めるのは、お門違いではないでしょうか? 「分かりません、分かりませんってバカのひとつ覚えみたいに」「あんたたちがバカだから犯人が捕まらないんじゃない!」って、絶対に間違ってます……よね? 子どもたちに対して、エミリと麻子さんに償うよう言いますけれど、それはどうやって?どんな方法で?っていうか、償う必要はなくないですか?

 麻子さんは、間違ってる!

 償いを求めるべきは犯人で、なじるのも犯人に対してでは?

 それから、犯人が捕まらないのは子どもたちのせいではなくて、警察が無能だからでは?

 

 視聴期限が迫っているからって観始めましたが、思った以上にストレスフルで、気軽には観られませんでした。重い。そして、暗い。ちょっと2話の途中あたりで挫折していますが、観始めたからには、見届けたいと思います。(疲れていたのもあったけど、ダメージが深すぎて布団にもぐって寝てしまいましたよ……)(←脆弱)

 この先に進んでいくためにも、ちょっとわたしなりに解決させても良いですか? 原作は読んでいないので、あくまで、わたしのこころの平安を保つために、(だったらいいな)で書いていこうと思います!

※ネタバレ……ではない!

  1. 麻子さんが自力で犯人を見つけ出す。あるいは、身近なひとの話したことから、そのひとが犯人であると確信する。あとは……麻子さんのご自由に…です。
  2. 子どもたちの誰かが、犯人を見つけ出す。分岐1.麻子さんに教える。分岐2.自分で手をくだす。
  3. 「麻子さん、エミリちゃんを助けてあげられなくて、ごめんなさい。犯人も捕まらなくて、ごめんなさい。麻子さん、エミリちゃんを亡くして、離れ離れになって、寂しかったんですよね? 気づいてあげられなくて、ごめんなさい。」「それなら、麻子さんがエミリちゃんに会いに行ってあげれば良いですよね。」「そしたら、エミリちゃんも麻子さんも寂しくないですよ。」「………もっと早く、こうしてあげれば良かった。」「本当に、ごめんなさい」

 コレじゃないですか?!

 ストレスフルなの、本当に無理です。ストレスには、元凶から離れることと、元凶を断つことが対処法だと思います。3つ目は、誰かが対処してしまった場合……… 

感 想 (内容に触れるだけでネタバレ…)

第1話「フランス人形」

 事件が起こったときに、「エミリちゃんを見ていてあげて!」と指示されて、警察と消防が駆けつけるまでの間、ずっと動かないエミリちゃんを眺めることになってしまった紗英さんが主人公です。すごく重い過去ですよね。そんな怖い場所、犯人が戻ってくるかもしれないのに……もしかしなくても、子どもたち同士そんなに仲が良くなかった…の?

 事件のせいで、紗英(蒼井優)さんは男性に対する恐怖感が強く、誰ともつきあうことができませんでした。それでも、そんな彼女を受け入れ、守ってくれる伴侶と出会い、結婚します。ですが、相手には特種な性癖があり、加えて15年前の「フランス人形盗難事件」の犯人でした。

 そして、紗英さんは紗英さんのやりかたで償いをします。麻子さんによって強固に植えつけられた罪悪感が、彼女の行動を決定づけてしまったのではないでしょうか。とはいえ、紗英さんの行動は、紗英さんに責任があります。だから、彼女が納得しているなら、仕方ないですね。

第2話「PTA臨時総会」

 事件が起こったときに、友だちに何をするかを采配して、自分は先生を呼びに行ったものの誰もいなくて、そうこうするうちに救急車とパトカーがやってきて、そのまま帰ってしまった真紀さんが主人公です。15年経って、真紀(小池栄子)さんは学校の先生になっています。

 学校、怖い! 子ども、怖い! PTA、怖い!

 子どもたちに好かれているとは言えない真紀先生。指導の仕方も、なんか怖いんですよ。相手は年少とはいえ、ひとりの人間です。ひとひとの関係を築ければ良いのではないですか?

 そして、田辺先生が真紀先生に優しかったのは、自分より下に見ていたからなんですね。教師という職は、たしかに生徒からの人気が大切かもしれないけれど、勝ち負けではないですよね? 田辺先生も、なんか怖いひとだな……

 インターネットも怖い! 個人が特定されないからって、面と向かっては言えないような誹謗中傷して……

 麻子さんに、子どもがいる?! あれだけ償いを強要していたのに、麻子さんは麻子さんで新しい生活を送っているのですか?

 そして………なんということでしょう!

 (でも、この終わりかたは少しだけ安心感がある)(真紀さん、死んでしまったりしてませんよね?)

第3話「くまの兄妹」

 事件が起こったときに、エミリの母に知らせに行くように言われた晶子が主人公です。動転した麻子さんに突き飛ばされて、鼻血を出して、おばさんにもらった可愛い服がダメになってしまいます。15年後の晶子(安藤サクラ)は、なぜか収監されていて、麻子さんとの面会を求めます。やってきた麻子さんに告げたのは「償いをした」ということ。それを知ってもらいたかったと。

 ……………なにしたの?

 兄が結婚した相手の連れ子・若葉(藤井奈々香)ちゃんのお守りを頼まれて一緒に遊ぶ晶子ちゃん。なんだか、晶子ちゃんは15年前のまま変わらなかったんだなって感じがしました。

 すごく落ち着かない感じの住居部分。晶子兄(加瀬亮)、たぶん商売とか向いてない。商才なさそう。

 っていうか、すごく呪ってくるな。実母。結局のところ、自分の人生に責任をとれるのは自分だけなのに、あれこれ言って可能性を摘むだけなんて、本当にヒドイ。

 数年ぶりに可愛い格好をする(というか、させられた)晶子さん。やっぱり素敵な服もメイクもテンションあがりますね。自分が、自分を好きでいられるって大事です。

 おそらく援助交際と思われる場面を目撃してしまう晶子さん。タイミングもあって、兄の行動に疑惑のまなざしを向けます。(っていうか、メイクしてないほうが可愛いですよ?)

 晶子さん………こじらせている……。それもこれも、麻子さんの呪いと、実母の呪いのせいで。

 そして………なんということでしょう!

 なんだか、麻子さんがひどくまっとうなことを言っている気がしました。「償い」を口実にしては、ダメですよね?

第4話「とつきとおか」

 事件が起こったときに、交番に知らせに行くように言われた由佳が主人公です。なんというか、他の子どもたちとは事件に対する立ち位置が違うような………大人に対する信頼感を失わなかった感じがあります。良かったね。

 子どもの頃、母にバービーをねだっても快く買ってもらえなかった由佳。そのくせ、病弱なお姉ちゃんがねだれば、すぐに買ってもらえることになります。(母よ……それで良いのか)

 15年後。そんな姉に対して屈折した想いを抱えたまま成長した由佳(池脇千鶴)は、地元に帰って来て、花屋をオープンします。姉は、公務員の夫と結婚し、しあわせに暮らしていました。義兄が警察官だったと知って、自分のほしいと思うものをすべて姉に奪われてきたとの想いを強くする由佳さん。義兄を誘惑し、妊娠してしまいます。麻子さんから手紙が届き、他の3人が起こした事件のこと、15年間 空虚に過ごしていたけれど、子どもたちのことは許していることが書かれています。麻子さんの希望で会うことになる2人。終始、不穏です。

 由佳さん、殺されてしまったりしませんよね?!

 そして………なんということでしょう!

 由佳さんから、犯人についての重要な情報がもたらされます。

最終話「償い」

 エミリちゃんの母親・麻子(小泉今日子)さんが主人公です。

 由佳さんから、犯人についての情報をもたらされた麻子さん。彼女は、どう行動するのでしょうか?

 事件よりも前に事件が起きていた……?

 フリースクールの主催者・青木は、麻子さんの知り合いでした。大学の同級生だった南条くんは、3年前に結婚して青木と名字が変わっていました。

 そして………そういうことでしたか……

 いや、普通に南条が人でなしという話でしたが、麻子さんも……なんというか後ろめたい過去があって、だからこそ事件が事件を呼ぶようなことになったのでは……としか言いようがない。

 だとしても、麻子さんが力いっぱい呪った子どもたちとは別に、麻子さんはなにひとつ法律を侵すようなことはしていません。秋恵さんの事件は、自殺でした。麻子さんが償える対象は、存在しません。

 

 とにかく完走しました! イヤミスって書いてあったけど、それを知って想像していたような感じではなかったです。たしかにイヤなんだけど、事件自体は解決したというか……それなら、いいかな。いろいろ思うところはあるけれど、まぁいいや! 犯人が分かって、良かったです。(でも、出来れば警察に捕まってほしかった……ですよ)