ミオの備忘録

猫と音楽とミステリー、映画が好きです☆

「コンビニ兄弟2―テンダネス門司港こがね村店―」

 こんにちは。

 予告通り続きを読むことにしました。1巻に比べて、ちょっと薄いかな………プロローグ+3話+エピローグの構成です。

 手元の文庫には「(シリーズ累計)15万部突破!」の帯がありました。大人気ですね!

  • タイトル:コンビニ兄弟2
  • 発行年月日:令和4年1月1日発行
  • 著者:町田そのこ
  • 発行所:株式会社新潮社

(「コンビニ兄弟2」奥付より抜粋)

感 想 (ネタバレも?!)

 今回は短いので、サクッと読み終えることができました。というか、仕事で課題があったので(再生速度の変更ができない動画を何本か観るというもの)、スマホで再生しながら、大事なところはプリントで確認することにして、たまに画面に目をやりつつ、読書に勤しみました。

 意外と捗るものです✨(BGM代わりだった?)

 

 前作に比べてストレス値は低め、それでも「ダメージを食らってしまいそうな場面」はサクッと流し読みして、また戻ってくる………という邪道な読書スタイルで最初から最後まで読みました!

 今回も、おもしろかった! 

 プロローグは大石和歌(愛車ピピエンヌ号は取り上げられ中)―幼馴染の鶴田牧男(古いシビック・あずき号)とともに―、1話は永田詩乃―最近、彼氏の金沢大輔にフラレた……(シリーズ1に出てきた桧垣梓の高校のクラスメイト)―、2話は廣瀬太郎―テンダネス門司港こがね村店のアルバイト(大学4年生)―、3話は女子高生の村井美月―桧垣梓の幼馴染で中学時代のクラスメイト―、エピローグは謎の美女―神崎華―

 続きがありそうな終わりかただったので、期待大です。でも、どこまで続くのか………いつまでもフェロモン店長と髭もじゃツギ兄と美少女ジュエルの三兄妹を見守っていたい……と思う反面、ダラダラと際限なく続いていくよりも、キチンと(あるいは、さり気なく)幕を引いてほしい気持ちもあります。整っているであろう容姿だけでなく、職業からもキャラクターが立ちすぎている長男と四男、そして美形5人兄妹の両親………たぶんエピソード自体はたくさんあるはずですけど、全部の設定を説明し尽くせば良い………というものでもないはずです。語られなかった部分というのは必要です。きっと。そのほうが、読者の想像力で補完できる余地がある。

 それに、登場人物が増え過ぎて、それぞれの背景が掘り下げられていくと、(まぁ良いんですけど)、“コンビニを舞台にした群像劇”からは離れていくんじゃないかなって。店長とツギ兄の未だ出てきていない2人の兄弟と両親が気にならないわけではないですけど、そこは知らないままでも問題ないと思っています。

 ということで、3巻のボリュームが1巻と同じくらいあって、きちんと完結してほしいなって思いました。2巻より更に薄くなっていたら、なんというか商魂を感じてチベットスナギツネみたいな顔になってしまいそう………

 シリーズ自体は3巻で終わって、そのあと番外編的な感じで、少しずつ冊数が増えていくのは良いなあって思います。それならコンビニから多少離れたところで大丈夫でしょうし………

 

 九州には、あまり行ったことがないので、行ってみたいなって思いました。(長崎のハウステンボスグラバー園くらい………?) 

 2巻には、巻頭に登場人物紹介と門司港周辺マップが載っていて、とても楽しいです。テンダネス門司港こがね村店は実在しないお店ですが、近くを歩いて、作品の空気を感じてみたいです。(聖地巡礼?)

 唐戸市場に行ってみたい!

 ふぐの唐揚げを買い食いしたい!

 河豚最中を食べてみたい!

 例によって、作品中の気になった言葉を書き残しておきます。

 詩乃の中にあった「好き」が、しゅばっと消えた。それは、やりこんでいたゲームアプリに飽きてアンインストールするときにも似ていた。何でこんなゲームに夢中になってたんだろうという恥ずかしさと、もうこんなものに時間を浪費するのは辞めよう、という淡い決意が入り混じる。

「自分を安く扱われても、毅然としてたんだろう?自分の大事な部分は自分で守り通さなきゃいけないってこと、ひとは分からなくなるもんさ。誰かに蹂躙されても仕方ないと諦めてしまうひとだっている。

(略)しかしなぜだか、その言葉が太郎の心の奥底にまでまっすぐな光のように届いた。

 何年も胸の内で燻らせてきた問題、目を背けてきた不満に向き合おうとする自分なんて、信じられない。こんなにもあっさり、心境を変えたりするものなのか。しかし、そういうものなのかもしれない。誰かの優しい目、何気なくも心配りのある一言、そういうものが背中を押してくれる。その柔らかな力で、ひとは変わる。

「あの、ジュース代払います」

「いらんよ。次に使ってやってくれ」

 (中略) 赤じいは「嬢ちゃんが次に困ったひとを見かけたら、そのひとに使ってやってくれ」と言った。

「こういうのは連鎖すべきだとわしは思うとる。気遣いとか優しさってのはひとの手に渡れば渡るほど、大切にできるんだぞ」

 最近、なんだか疲れていたなって思いました。感情労働は、どこか自分の精神を削っていくようなところがあります。仕事用の仮面をつけて、普段はやり過ごしているはずですが、疲れるものは疲れます………自分のことも大事にしようと思いました。自分を大切にできるのは自分だけなので。

 本で出会った言葉に、今の気持ちを言いあててもらったり、今の自分を肯定してもらえたように感じたり、こうありたいと思った理想の背中を思い出させてもらえた………そんな気がしました。

 そんなこんなで、今日はこの辺りで。また明日!🐥💓

☆☆☆ 毎日お疲れさまです。あなたが笑顔で過ごせる日々でありますように!☆☆☆