こんにちは。
少し前に読みかけで所在不明になってしまった本があるとブログで書いたような気がします。出先で置き忘れたのかとも思いましたが、あっさり見つかりました。机の上から。(混沌………)
ということで、次はコチラ!
- タイトル:ライオンのおやつ
- 発行年月日:2022年10月5日 第1刷発行
- 著者:小川糸
- 発行所:株式会社ポプラ社
(「ライオンのおやつ」奥付より抜粋)
感 想 (ネタバレ………?)
NHKでドラマ化されていたので、そちらも観てみたいです!
前に読んでから、ずいぶん間が空いてしまったので、忘れてしまっている部分も多くて、遡って、遡って、そこから読みかけのところまで戻ってきて、続きを読み進めました。(それなら、おとなしく最初から読み始めれば良かった………)
最初のほうの文章に、すごく心に刺さるものがありました。それから、なんで途中で止まっていたのかは分かりませんでした。特にストレスフルな展開というわけでもなかったのに………単純に続きを読もうとしたら見あたらなかっただけかもしれません。でも、あの時よりも今だったのだと思いました。今、読むべき作品だったのかも。
タイトルとあらすじを読んで思い描いていた話とは、少し………だいぶ違います。「ライオンの家」というホスピスを舞台に、そこで人生の最期を過ごす人々が思い出のおやつを味わう話、ひとりひとりのエピソードが描かれていく連作短編集のような作品かと思っていました。
おもしろかった………というのとは違うけれど、しみじみと、こころの栄養になるような話だったなって思います。話全体としては、主人公の雫さんを看取るようで悲しいけれど、それだけではない。というより、無意識のクセみたいなものかもしれませんが、語り手は雫さんなのに、同調したり、共感したりするかと言えば少し違って、近くで寄り添っているような、どこか他人事な感覚だったのが不思議です。分かるけど、分からない。当事者では、ないですからね………
少し前に読んだ本*1のなかに、自分の正しさを押しつけることが、相手への暴力になっていたのではないか。説明されないからと相手の状況を考えようとしないのは傲慢だったのではないか、というような流れがあったような気がするのですが、本当にそうだなって。
分かったつもりになっては、いけないなって思いました。いろいろ勉強してはいるけれど、やっぱり他人事なところがあります。それは、それで悪いことではないだろうけど………
ひとりひとりに過去がある。そして、そこからつながる今がある。
目の前のひとの気持ちを慮るって大切だなって思いました。
見えるものだけがすべてではないです。
きっと。
なんとなく普段から思っていることと近いことが書いてあるところがあって、そういうところも好きだなって思いました。
ということで、例によって、書き留めておきたい言葉を残しておきます。抜き書きだけでは、正しく伝わらないこともあるかもしれないので、興味を持たれたかたは是非!ご自身で読んでみて!
船の窓から空を見上げると、飛行機が、青空に一本、真っ白い線を引いている。
私はもう、あんな風に空を飛んで、どこかへ旅することはできないんだなぁ。そう思ったら、飛行機に乗って無邪気に旅を楽しめる人たちが、羨ましくなった。明日が来ることを当たり前に信じられることは、本当はとても幸せなことなんだなぁ、と。
「思いっきり不幸を吸い込んで、吐く息を感謝に変えれば、あなたの人生はやがて光り輝くことでしょう」
「私もさ、いっつもここで料理作ってると思うんだ。生かされているんだなぁ、って。だって、生まれるのも死ぬのも、自分では決められないもの。だから、死ぬまでは生きるしかないんだよ」
シマさんは言った。
一日、一日を、ちゃんと生き切ること。どうせもう人生は終わるのだからと投げやりになるのではなく、最後まで人生を味わい尽くすこと。
今というこの瞬間に集中していれば、過去のことでくよくよ悩むことも、未来のことに心配を巡らせることもなくなる。私の人生には、「今」しか存在しなくなる。
そんな簡単なことにも、ここまで来て、ようやく気づいた。だから、今が幸せなら、それでいい。
そんなこんなで、今日はこの辺りで。また明日!🐥💓
☆☆☆ 毎日お疲れさまです。あなたが笑顔で過ごせる日々でありますように!☆☆☆
*1:『コンビニ兄弟2』